科目名 |
量子力学基礎 |
担当教員 |
牧野 久雄 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B106 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月1,木1 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
「授業の目的」 原子・電子といったミクロの世界は、古典物理学(ニュートン力学、マクスウェル電磁気学)では表現できず、量子力学によって表現される。量子力学は、現代の光・電子デバイスの原理や材料の機能・物性を理解する上で、欠くことのできない重要な基礎概念となっている。本講義では、量子力学の概念と数学的手法の基礎を学び、材料科学やナノテクノロジー分野の技術者に要求される基礎知識を習得する。
「授業の進め方」 板書による講義形式で行う。必要に応じて演習・小テストを実施する。
「達成目標」 光や電子の粒子性と波動性、演算子や波動関数など量子力学に特有な考え方を理解し、簡単な問題にシュレーディンガーの波動力学を応用できる力をつける。
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授業の詳細2 |
「授業計画」 1.光の粒子性 黒体輻射、光電効果、コンプトン散乱の実験事実から、プランクの量子仮説、アインシュタインの光量子仮説といった量子力学が構築される歴史を振り返りながら、光の粒子性について理解する。
2.電子の波動性 原子の輝線スペクトル、電子線回折の実験事実から提案された、ボーアの原子模型、ド・ブロイの物質波仮説といった量子力学が構築される歴史を振り返りながら、電子の波動性について理解する。
3.波動の基本的性質、シュレーディンガー方程式 波動の数学的表現や基本的な性質について復習し、波動としての電子を記述するシュレーディンガー方程式を導く。
4.シュレーディンガー方程式、波動関数の確率解釈 シュレーディンガー方程式の解である波動関数とは何なのかについて学ぶ。
5.一次元粒子の量子閉じ込め 無限の高さのポテンシャル障壁で狭い領域に閉じ込められた一次元の粒子について、シュレーディンガー方程式を解いて、波動関数とエネルギー準位を求め、エネルギー準位が離散的な値をとることを学ぶ。
6.有限井戸型ポテンシャル、トンネル効果 有限の高さの井戸型ポテンシャルに束縛された電子、電子の波動性をもっとも端的に表すトンネル効果について学ぶ。また、発光デバイスとして応用されている半導体量子井戸など具体的な応用例について概観する。
7.1〜6の内容に対する習熟度確認
8〜9.粒子性と波動性 光や電子の粒子性と波動性の二重性が、量子力学の中にいかに統一されているかについて学ぶ。期待値、ゆらぎ、エーレンフェストの定理、不確定性原理
10.調和振動子 バネにつけられた質点のように平衡位置を中心に振動する調和振動子のシュレーディンガー方程式を解き、2原子分子の伸縮振動や、原子が規則的に配列した結晶格子の格子振動の性質について学ぶ。
11〜14.水素原子模型 極座標で表した3次元のシュレーディンガー方程式を解き、1個の陽子と1個の電子からなる水素原子における電子の性質について学ぶ。主量子数、角運動量量子数、磁気量子数
15.1〜14の全内容に対する習熟度確認
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授業の詳細3 |
テキスト: 特に指定しない。必要に応じてプリントを配布する。
参考書: “なっとくする量子力学”、都築卓司著(講談社) “量子力学ノート”、橋本淳一郎著(講談社サイエンティフィック) “量子論”、小出昭一郎(裳華房) “初等量子力学”、原島鮮著(裳華房) “工学系のための量子力学”、上羽弘著(森北出版)
◇履修前の受講が望ましい科目:力学、電磁気学、現代物理学などの基礎科目
「成績評価」 成績は中間および期末試験によって判定する。 両試験の成績を総合して、 ◆C:総合点が60点以上70点未満の場合 ◆B:総合点が70点以上80点未満の場合 ◆A:総合点が80点以上90点未満の場合 ◆AA:総合点が90点以上の場合
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授業の詳細4 |
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授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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