科目名 |
構造の力学1 |
担当教員 |
甲斐 芳郎 |
対象学年 |
2年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
B101 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月2,木2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
|
備考 |
|
授業の詳細1 |
講義の目的 建築・都市デザイン専攻では、社会基盤を構成する様々な構造物を扱う。これらの構造物が備えなければならない重要な要件のひとつは,破壊,あるいは損傷に対する安全性である.安全性の確認は構造力学という学問を介して行われる.したがって,構造設計者は無論のこと,計画・デザイン・施工など,多少なりとも構造物に関わる業務に携わる技術者には,ある程度の構造力学の知識は必要不可欠である. 本講義は,構造設計を専門としない技術者にも必要とされる最低限の構造の知識の習得を目的としている.このため,構造の中でも最も基本的で,かつ構造力学の本質を理解するのに有効な梁に焦点を絞った講義を行なうが,同時に,多くの演習をこなすことにより,より高度な構造力学を学ぶための基礎学力の滴養をも図る. |
授業の詳細2 |
講義の進め方 講義では,原則として前半は講義,後半は演習を行う.演習問題の解答は講義終了時に配布する.演習問題を自分で考え独力で解く努力が重要で,解答は自分の考え方が正しかったかどうかを確認するために配布するものである.演習時には何もせず,解答を見て解き方を覚えるというようなことでは力学の力はつかない.
達成目標 集中荷重および分布荷重が作用する梁について,反力の計算,着目点における曲げモーメントと剪断力の計算,および軸力を受ける棒部材の伸縮を計算できることが最小限の目標である. より高いレベルとしては,梁の影響線の概念を理解し影響線を用いて反力や部材力を計算できること,断面2次モーメントを求め曲げモーメントによる垂直応力を計算できること,曲げモーメントや剪断力を場所の関数として求めることができることを目標とする. |
授業の詳細3 |
講義計画 1.力と力の釣合い SI単位,有効数字,ベクトルとしての力,力の分解と合成,力の釣合いとモーメントの釣合いなど,力学の基礎を復習すると同時に反力の概念を理解する.
2.単純梁,片持ち梁 基本的な静定梁である単純梁,片持ち梁を理解する.また,これらの梁に集中荷重が作用する時の反力の求め方を学ぶ.
3.静定と不静定、分布荷重の作用 外的な静定と不静定,不静定次数について理解する.分布荷重の作用は厳密には積分の形で表現されるが,設計実務では荷重の重心に作用する等価集中荷重に変換する方法が用いられる.代表的な分布荷重である等分布荷重,3角形分布荷重などについて集中荷重に変換して考える方法を学ぶ.
4.曲げモーメントと剪断力 梁の力学で最も重要な曲げモーメントと剪断力の概念を理解する.また,集中荷重を受ける梁の曲げモーメントと剪断力を求める方法,これらの分布を位置の関数として表すことを学ぶ.
5.曲げモーメントと剪断力(その2) 分布荷重を受ける梁の曲げモーメントと剪断力を学ぶ.また,集中荷重の場合の剪断力の分布は等分布で,曲げモーメントの分布は1次関数で,等分布荷重の場合の剪断力の分布は1次関数で,曲げモーメントの分布は2次関数で表されることを理解する.
6.曲げモーメントと剪断力(その3) 集中荷重と分布荷重が同時に作用する場合,水平方向の荷重が作用する場合,モーメント荷重が作用する場合など,様々な荷重ケースを想定した演習と通じて,曲げモーメントと剪断力の理解を深める.
7.1?6回のまとめ 1〜6の範囲の理解度を調査する.
|
授業の詳細4 |
8.単純梁の影響線 反力や部材力が機械的な計算から求められ,また梁に対して最も厳しい作用を及ぼす荷重の位置を知るなど,設計実務で有用な影響線の概念を学ぶ.また,単純梁の反力,剪断力,曲げモーメントなどを影響線を用いて求め,影響線の単位が力やモーメントの単位と異なっている理由を理解する.
9.片持ち梁の影響線,張出しのある単純梁の影響線 様々な構造の影響線を学び,自力で影響線を求める力を涵養する.また,荷重が増しても部材力が増すとは限らないことを学ぶ.
10.分布荷重の場合の影響線を用いた計算 影響線を用いて,分布荷重が作用する場合の部材力などの計算法を学ぶ.また,これを通して,影響線は構造に固有のもので荷重にはよらないことを理解する.
11.軸力,応力とひずみ,伸び 12回以降の曲げによる応力を理解するための準備として,軸力を受ける部材の応力とひずみ,フックの法則,ひずみによる棒部材の伸縮について学ぶ.また,剪断応力や剪断ひずみについても,概念だけ導入する.
12.断面2次モーメントと曲げ応力 簡単な断面の断面2次モーメントの計算、曲げモーメントを受けた場合に発生する応力について学ぶ.
13.様々な断面の断面2次モーメント 実構造物に多用される組合せ断面の断面2次モーメントについて学ぶ.また,I形断面などを通して,重心から離れた位置に大きな面積を配する断面が荷重に対する抵抗性能が高いことを理解する.
14.曲げ応力(総合) 非対称断面の断面2次モーメント,最大応力と最小応力など,曲げ応力に関する理解を深める.
15.理解度の確認 本講義の理解度確認を行う.
|
授業の詳細5 |
テキスト: 講義時に配布
参考書: 一般的な構造力学の教科書
成績評価: 講義の理解度に応じて成績を評価する.基礎となる前半部の理解度に対して50点、講義全体に対して100点を満点として評価し,合計が135点以上はAA、120〜134点はA、105〜119点はB、90〜104点はC、90点未満はFと評価する.
履修の前提となる科目: 力学基礎
特記事項: 指数表示の計算ができる関数電卓必携のこと. |
授業の詳細6 |
|
授業の詳細7 |
|
授業の詳細8 |
|
授業の詳細9 |
|
授業の詳細10 |
|