科目名 |
航空宇宙工学概論 |
担当教員 |
山本 真行,筒井 康賢,高坂 達郎 |
対象学年 |
2年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
A109 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
月3,木3 |
単位区分 |
査定外 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
0 |
準備事項 |
|
備考 |
|
授業の詳細1 |
講義目的: 航空宇宙工学に関する幅広い知識を共有し,航空宇宙工学の専攻を希望する学生の基礎知識として頂くとともに,専攻希望未定の学生や他専攻を希望する学生には概論として航空宇宙工学の分野についての教養を身につけて頂くことを目的とする.航空宇宙工学は,システム工学の1応用分野であり,科学技術に関する総合的かつ正確な基礎知識とともに,地上とは異なる極限環境における発想の転換が求められる.漠然とした興味で航空あるいは宇宙の話題を見聞きしてきた初学生には,航空宇宙分野における信頼性の考え方や設計思想などの正確な知識を知って頂くとともに,巷に溢れる疑似科学を払拭する機会ともなるであろう.明確な意思を持って航空工学・宇宙工学に関わることを目指している学生には,最先端領域の1つとしての航空宇宙分野に踏み出す第1歩として頂くことを目的とする. |
授業の詳細2 |
達成目標: 本科目では,航空宇宙工学の初歩として、以下の基礎知識を習得することを目標とする。 (1)航空機開発の歴史 (2)航空機構造とその設計手法の概要の理解 (3)流体力学と航空機の構造,安全性・信頼性の確保 (4)宇宙環境と宇宙開発史,宇宙空間における物理 (5)飛翔体の運動,人工衛星の軌道と運用 (6)宇宙機・宇宙輸送システムの設計と実際 |
授業の詳細3 |
講義の進め方: 航空宇宙工学の基本となる以下の項目について,テキストや配布・投影資料を中心に講義を進める. 本科目は3名の教員にて授業を行ない,主に航空工学を解説する4回+4回,主に宇宙工学を解説する7回の計15回にて構成する. 高知工科大学や担当教員がこれまで関わってきた航空宇宙工学関連の研究開発について、現場の様子やデータを用いて航空宇宙工学の実際を紹介する.
授業計画(講義順序は変更となる可能性がある)
(筒井) 1.航空の歴史 航空機の誕生の黎明期から航空機全盛の現代まで,推移してきた歴史を学ぶ. 2.航空機の発達 様々な航空機の発達について,それぞれの設計思想とその工学的・社会的役割を学習する. 3.日本で開発された飛行機 軍用,民間用を含め,これまで我が国で開発されてきた飛行機を概説する. 4.ジェットエンジン 現代の航空機推進装置の主流であるジェットエンジン開発の歴史,現在,将来について解説する.
(高坂) 5.航空機構造の概要 航空機構造について,どのようなパーツによって構成されているか,その概要を学ぶ. 6.航空機開発の概要 航空機の開発方法について,その設計思想や手法(ビルドアップ方式,フェイルセーフ設計,損傷許容設計など)の概要を学ぶ. 7.航空機の検査手法 安全性を維持するために航空機では徹底的な検査,材料の管理が行われている.それらの手法について概要を学ぶ. 8.航空機材料 木材からジュラルミン,チタン,CFRPへと発展した航空機材料についてその概要を学ぶ.また,ハニカム等の特殊な構造も紹介,材料と航空機の将来について説明する. |
授業の詳細4 |
(山本) 9.宇宙開発の歴史 宇宙開発の歴史について,その概要を学ぶ. 10.宇宙空間とライフサポートシステム 宇宙空間の特殊性と,そこで生活するためのシステムとその設計について学ぶ. 11.宇宙往還機とロケット 地上と宇宙を行き来する手法について,航空機の発展形である宇宙往還機と現在の手段であるロケットを紹介し,システムの概略とメリットデメリットを学ぶ. 12.人工衛星とその軌道 地球周回の人工衛星に関して,その構造,設計思想,役割を概説し,次にその軌道や運用方法について学ぶ. 13.実用衛星と科学観測・惑星探査 人工衛星や惑星探査機等の飛翔体について,様々な用途とその開発の流れや軌道計画,今後の発展について特に我が国の例を中心に概説する. 14.国際宇宙ステーションと宇宙環境利用 宇宙開発における国際協力の流れと,国際宇宙ステーションを概説し,有人活動や宇宙飛行士の意義,宇宙環境利用の実際について説明する. 15.航空宇宙工学の未来とシステム工学 航空工学・宇宙工学について学んできた知識を元に,航空宇宙工学の未来と日本の若手技術者の役割について議論する.
※ 履修学生の興味に関してアンケートを取りつつ適宜内容の調整を実施したい.共同研究者などにお願いして宇宙開発に関わるゲスト講演者を招く可能性もある. |
授業の詳細5 |
成績評価: 3名の教員による担当分の評価点として,それぞれ,習熟度確認は15点+15点+30点,レポートは10点+10点+20点により,総計60点以上であれば合格とする.講義中の演習問題の板書解答・説明,有意義な質問などを行なった学生に対しては追加点を与える.出席点は加味しない.再度の習熟度確認は実施しない.本科目の成績は,3名の教員による担当分の評価点を総計し,90点以上を(AA),80点以上を(A),70点以上を(B),60点以上を(C)とする.但し最終段階の点数の合計が(F)評価となる場合にも,通常の講義内での頑張りと目的達成への応分の努力が認められる学生に関しては(C)評価を与えるための相応の措置を課した上で(C)とする可能性がある.
履修上の注意: 航空宇宙工学を専攻する学生は必ず受講して頂きたい.システム工学群の他専攻のうち,機械系,電子・光系の学生も本科目の履修により学習の幅を広げていただきたい. 本科目は概論であり,システム工学群の建築系,環境理工学群,情報学群,マネジメント学部からの聴講も歓迎する. |
授業の詳細6 |
テキスト 未定(2012/4/4現在).航空宇宙分野を網羅した概論的なテキストが選定できないため使用しない可能性が高い. 以下の参考書の一部などを投影しつつ解説し,配布資料などを中心に講義を実施することを想定している.
参考書 『はじめての宇宙工学』 鈴木 弘一 著 (森北出版, ISBN978-4-627-69071-4, 2400円) 『航空機設計法〜軽飛行機から超音速旅客機の概念設計まで〜』 李家 賢一 著 (コロナ社,ISBN978-4-339-04619-9,4200円) 『宇宙工学シリーズ 3 人工衛星と宇宙探査機』 木田 隆, 川口 淳一郎, 小松 敬治 著 (コロナ社, ISBN:978-4-339-01223-1, 3990円) 『衛星設計入門』 衛星設計コンテスト実行委員会 監修, 茂原 正道, 鳥山 芳夫 共編 (培風館, ISBN4-563-06721-0, 4620円) |
授業の詳細7 |
履修していることが望ましい科目 数学,力学,電磁気学基礎,運動と振動,流れの科学,材料力学,熱力学,電気回路基礎,光学基礎,計測基礎,制御基礎,通信概論,システム工学実験,技術と安全 |
授業の詳細8 |
※ 学生諸君からの積極的な講義内容への意見と講義の共同構築を求める. |
授業の詳細9 |
|
授業の詳細10 |
|