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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?環境理工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 有機化学序論 
担当教員 小廣 和哉 
対象学年 1年  クラス 学部:専門001 
講義室 B106  開講学期 2学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
有機化学について会話ができるようにするため,有機化合物命名法の基礎を身に付ける.また,有機分子の構造と反応(一部)について理解し,使いこなせるようにする.なお,本講義は「有機化学」の講義と連携しており,両科目によって有機化学の基礎を一通り学習できるようになっている.

講義の進め方
この講義では,講義計画の項に示す事項を中心とする.
プリントとブルース著「有機化学概説第2版」(教科書:下記)を用い,まず,化合物命名法の基礎を教授し,さらに,重要なキーワードを提示しつつ有機分子の構造および反応の基礎を解説する.また,毎回の講義では小テストを課し,基礎的知識の深化を計る.

達成目標
1.有機化合物命名法の基礎を身に付け,基礎的な有機化学について会話ができるようになる。
2.有機分子の構造に関する基礎(結合,原子軌道,混成軌道など)について理解し,多くの有機分子の構造を予測できるようになる.
3.酸・塩基,pKa,pH,平衡などの酸と塩基の基礎を理解し,酸・塩基反応を予測できるようになる.
4.アルカン,シクロアルカンの構造を通して結合の回転,配座,歪みの基礎を理解し,分子内の動きを想像できるようになる.
5.アルケン,アルキンの反応を通して有機反応の仕組みの基礎を理解し,電子豊富な求核剤と電子不足な求電子剤が反応することを説明できるようになる.
6.有機化合物の立体化学について理解し,有機分子を三次元で捉えることができるようになる.
7.電子の非局在化について理解し,それによって引き起こされる,化合物の安定性,pKa,芳香族性について説明できるようになる。
 
授業の詳細2 講義計画
1.有機化合物命名法 [IUPAC (国際純正応用化学連合) 命名法,ACS (アメリカ化学会) 命名法]
・非環状および環状アルカン,アルケン,アルキンの命名法について学習する.
・優先順位則とアルケンのE,Z-表示について学習する。
・芳香族化合物の命名法について学習する.
・ハロゲン化アルキル,アルコール,エーテル,エポキシド,アミンの命名法について学習する.
・カルボニル化合物の命名法について学習する.
・生体分子の命名法について学習する.

2,3.電子構造と共有結合
・ 原子の電子配置について学習する.
・原子軌道について学習する.
・分子を作り上げているイオン結合,共有結合,配位結合,金属結合の特徴について学習する。
・ 原子の電気陰性度と共有結合の性質について学習する.
・混成軌道の概念と構造を学習する。
・カルボカチオン,カルボアニオン,カルボラジカルの構造を学習する。
・結合長,結合角について学習する。

4.酸と塩基
・酸,塩基の定義を学習する。
・酸・塩基反応を予測できるようになるため,pKa,pH,平衡などの酸と塩基の基礎を学習する.
・有機分子の構造とpKaの関係を学習する。

5.有機化合物の基礎
・ハロゲン化アルキル,アルコール,エーテル,アミンの分類と物理的性質を学習する。
・結合の種類と回転,反応性の関係について学習する。
・シクロヘキ サンの構造的特徴と配座異性体について学習する.

6.1?5の講義内容についての理解度確認
 
授業の詳細3 7,8. アルケンの反応
・反応がどのようにして起こっているかを分子の中の電子の動きで表す方法について学習する.
・アルケンへの臭化水素,水,臭素あるいは水素分子の付加を例に取り,アルケンの反応性と反応選択性に関する基礎的事項について学習する.
・反応の仕組みを理解する上で重要な用語である遷移状態,反応中間体について学習する.
・反応エネルギー図について学習する。
・化学結合の組み替えの妙を,付加反応,脱離反応,転位反応の例から学習する.
・炭素-炭素二重結合が交互につながった分子である共役ジエンへの臭化水素あるいは臭素の付加反応について学習し, 共鳴理論の基礎,速度論支配反応・動力学支配反応について理解する.

9.アルキンの反応
・アルキンへの臭化水素,水,臭素あるいは水素分子の付加を例に取り,アルキンの反応性と反応選択性に関する基礎的事項について学習する.
・アセチリドを用いる炭素-炭素結合生成反応について学習する.

10,11.立体化学
・立体化学の基礎的事項であるキラリティー,エナンチオマー,ジアステレオマー,メソ体などについて学習する.
・純粋なエナンチオマーの取得方法について学習する。
・反応と立体化学について学習する。

12.電子の非局在化
・ベンゼンの構造と共鳴混成体について学習する。
・非局在化電子が反応性およびpKaに及ぼす影響について学習する。

13,14.芳香族性
・芳香族化合物の特徴と芳香族求電子置換反応について学ぶ。

15. 8?14の講義内容についての理解度確認
 
授業の詳細4 成績評価
小テストおよび試験で目標の達成度を評価する
AA:達成目標をほぼ完全に理解し,説明ができる.
A:達成目標について十分理解し,説明ができる.
B:達成目標をほぼ理解し,説明ができる.
C:達成目標の理解はできている.
F:Cに定める到達度に達していない場合.

◇教科書:
ブルース著「有機化学概説第2版」大船泰史・香月勗・西郷和彦・富岡清監訳,化学同人

◇参考書:
ブルース著「有機化学(上),(下)第5版」大船泰史・香月勗・西郷和彦・富岡清監訳,化学同人
マクマリー著「有機化学概説第6版」,伊東椒・児玉三明訳, 東京化学同人
マクマリー著「有機化学(上),(中),(下)第7版」,伊東椒・児玉三明訳,東京化学同人

◇ 履修上の注意:
「基礎化学」の単位取得者あるいは同等の学力を有する者を受講対象者とする.

◇備考:
補助教材として HGS分子模型を使用する.

◇履修前の受講が望ましい科目:
「基礎化学」
 
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