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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?環境理工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 野外環境実習 
担当教員 村上 雅博,山下 慎吾,中村 勇兒,中根 英昭 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室   開講学期 1学期 
曜日・時限 時間外  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 【授業の目的 】
●本実習は、フィールド・サイエンスの原点である野外観測と基礎的な実験の方法およびデータの解析方法を学び、人間社会の多様性にかかわる生態学的な背景を考えることにより、身近な自然と水環境についての理解を体験的に深めることを目的とする。
 
授業の詳細2 【授業の進め方】

●本授業は、野外演習と講義(計8コマ)、2回のレポート作成、グループ・プレゼンテーションからなる。

●野外実習は前期の4月21日(土)と5月19日(土)に各1回、計2回実施する。実験設備と安全確保の問題から受講対象は「環境科学専攻」のみとし、学籍番号順に4グループ(各6〜8名程度)にわかれて演習と発表(プレゼン)を行う。

●レポートの課題名と様式(フォーマット)については、第1回目のガイダンスにて説明する。第1回目のレポートは4月26日(木)17:00まで、第2回目のレポートは5月25日(木)17:00までに各自作成のうえ環境理工学群(4F)レポートボックスに提出すること<レポートは第1回目と2回目の両方が提出されたケースのみを成績評価の対象とする>。
 
授業の詳細3 【達成目標】

1.自身と周囲の安全に気を配りながら自立的に行動し水環境分野の基礎的な観測・測定・分析を実行できる

2.水質と生物の相互作用に関わる観測項目の基礎概念と測定数値が示す範囲の意味を理解できる

3.今後の水環境の保全や浄化対策のための.自分なりのフィールド環境観測(モニタリング)計画案が検討で
き、他者と議論しながら戦略的な環境モニタリング計画の案を示すことができる
 
授業の詳細4 【授業計画(1回目)】4月21日(土)
(1)-1. ガイダンス
野外環境実習全体計画と水質調査・分析方法および安全管理に関する説明
(1)-2. 野外実習:湖沼(工科大池、鏡野公園池)と工科大下水処理水の水環境調査
★水質調査: 水温・pH・電気伝導度(EC)・溶存酸素 (DO) 量・化学的酸素要求量(COD)
★水界生物調査: 湖沼(池)の生物学的な水質指標としての底棲昆虫類のサンプリング・分類・観察
★KUT構内の中央池と鏡野公園の池および下水処理水の水質サンプリングと測定・分析を行い、富栄養化の
進む池の植物プランクトンの光合成と魚類のバイオマニピュレーション効果による水質環境変化(植物プ
ランクトン、透明度)のメカニズムとその意味を考え、現場で観測・測定したデータを記録・整理して観
測・測定結果(数値と範囲)の意味を考える<平均的な値か?特別な値か?→水質環境の特性>。
(1)-3. レポート(1)
第1回目にフィールドで観察・観測した結果を整理して、その意味について考察し、今後の工科大の水環境保全と再生を一例に、自分なりの環境モニタリング計画の案を含めてレポートにまとめる。レポートはOFFICEを使って作成し、プリント一部を4月26日(木)17:00までに環境理工学群(4F)レポートボックスに提出。

 
授業の詳細5 【授業計画(2回目)】5月19日(土)
(2)-1. 野外実習: 物部川・(旧)山田堰の河川環境調査
★水質調査: 水温・pH・電気伝導度(EC)・溶存酸素 (DO) 量・化学的酸素要求量(COD)
★水界生物調査: 河川の生物学的な水質指標としての底棲昆虫類のサンプリング・分類・観察
★フィールド実習(物部川:山田堰): @水理環境(水深、流速、流量)、A水質化学環境(水温、pH、
電気伝導度、溶存酸素量(DO))、B生物環境(魚類、底生動物、水生植物)の観察と測定を行い、現場で観
測・測定したデータを記録・整理しながら観測・測定結果(数値)の意味を考える<平均的な値か?特別な
値か?→水質環境の特性>。
(2)-2. 観測・測定データの整理と分析およびアセスメント
野外観測実験データの入力・整理と統計解析(Excel)の方法について学ぶ。同時に測定・分析結果の数値の意味を考え、現況の環境を総合的に評価するアセスメント能力を身につける。
☆観測・測定項目(水質と生物)と基礎概念<なぜ水質と生物を同時に観測・測定するのか?その意味は?>
☆水質と水生生物の多様性と相互作用の関係<植物プランクトンの光合成⇔[O2- CO2]、魚類 ⇔ O2>
☆フィールド観測・実験データの記録・整理・解析<水理系:水深・流速・流量、生物系:魚類・底棲昆虫
類・水草、水質化学系:水温・pH・電気伝導度(EC)・溶存酸素(DO)量
(2)-3. グループの討議とプレゼンテーション(発表)
今後の物部川の水環境モニタリング調査計画の案をグループで討議し<なぜモニタリングが必要か、その意味は、具体的にどのように取り組んで行けば良いのか?>、その結果をパワーポイント(10スライド程度)にまとめて発表する。各グループの発表時間は10分、質疑応答10分とする。
(2)-4. レポート(2)
物部川の水環境保全計画を一例に、将来の水環境モニタリング(調査)計画を、自分なりの視点(意味、目的、方法、期待される結果とその意義、等)を組み入れて作成する。レポートは上記(2)-3で作成したPPTを各位がレベルアップしたものを含めてWORDファイルに統一し、プリントアウトしたもの一部を5月25日(金)17:00 までに環境理工学群(4F)レポートボックスに提出。
 
授業の詳細6 【成績評価】
成績評価は、野外環境実習への具体的な取り組み★[積極性<1/3>]、★[レポート<1/3>]、および★[グループ発表<1/3>]をあわせて行う。ただし、第一回と第二回の演習の全てに参加し、計2回のレポートを提出した場合のみを成績評価の対象とする。
★[積極性]:2日間に亘る全日程に出席することが条件で、出席率が60%を下回らないこと(100%)。
★[レポート]:提出(60%)、水質項目の概念を理解(10%)、目的や方法の整合性(10%)、 水質と生物の
関係を理解(10%)、着眼点(10%)。
★[グループ発表]:議論に参加(60%)、内容の充実性(30%)、発表者(10%)。

 AA:[積極性][レポート][グループ発表]の合計の90%以上を獲得した場合
 A:[積極性][レポート][グループ発表]の合計の80%以上を獲得した場合
 B:[積極性][レポート][グループ発表]の合計の70%以上を獲得した場合
 C:[積極性][レポート][グループ発表]の合計の60%以上を獲得した場合
 
授業の詳細7 野外環境実習 (2012) 日程(スケジュール表)

●第1回目 [4月21日(土)]  09:00 高知工科大学・学生実験室(B154/B106) 集合

★1-1) 09:00-09:30 [@、A、B、Cグループ] <全員>
ガイダンスにおいて、全体計画、水環境の概況、野外調査法、実験・分析方法、安全管理等[村上・中村]についての基礎知識を習得する。

★1-2) 09:30-10:10 [@、A、B、Cグループ] <全員>
高知工科大学中央池の水質状況を観察してサンプルを採取し、水温・pH・電気伝導度(EC)を現地または実験室で測定(HORIBA-D50)しデータシートに記録する。DO瓶で採取したサンプルの溶存酸素(DO)量を薄膜法で測定(YSI-5000)し、植物性プランクトンと光合成の相互作用について考察する。

★1-3) 10:10-11:10
☆1-3-1) [@、Aグループ]
上記1-2)で採水した池の水のサンプルの化学的酸素要求量(COD)を過マンガン酸カリ滴定法にて測定する。
☆1-3-2) [B、Cグループ]
構内の下水処理水(四万十川方式三次処理水)の現地水質測定(水温・pH・電気伝導度(EC))と採水を行いデータシートに記録する。DO瓶で現地採取したサンプルの溶存酸素(DO)量を実験室にて薄膜法で測定する。

★1-4) 11:10-12:10
☆1-4-1) [B、Cグループ]
上記1-2)で採水した池の水のサンプルの化学的酸素要求量(COD)を測定する。
☆1-4-2) [@、Aグループ]
構内の下水処理水(四万十川方式三次処理水)の現地水質測定(水温・pH・電気伝導度(EC))と採水を行いデータシートに記録する。DO瓶で現地採取したサンプルの溶存酸素(DO)量を実験室にて薄膜法で測定する。
 
授業の詳細8 ★1-5) 13:10-14:40[@、A、B、Cグループ] <全員>
鏡野公園池にて、魚の種類と生息密度および池の構造(水深、底質、透明度)について観察し、水温・pH・電気伝導度(EC)を現地で測定した後に、池の水をボトルに採水し、底泥のサンプルをバケツに採取して実験室に持ち帰る。人工池の生態系(魚)とハビタットとバイオマニピュレーション<魚が多いと水質が悪化するか?>の関係を考察する。

★1-6) 14:50-16:20
☆1-6-1) [@、Aグループ]
鏡野公園池の底泥中の底棲動物(昆虫)を観察し、水中の動植物群(プランクトン)を含めて生物顕微鏡で観察して階層分類する。
☆1-6-2) [B、Cグループ]
1-5) で採水したボトルのサンプルとDO瓶で採取したサンプルの化学的酸素要求量(COD)と溶存酸素(DO)量を薄膜法で測定する。

★1-7) 16:30-18:00
☆1-7-1) [B、Cグループ]
鏡野公園池の底泥中の底棲動物(昆虫)を観察し、水中の動植物群(プランクトン)を含めて生物顕微鏡で観察して階層分類する。
☆1-7-2) [@、Aグループ]
1-5) で採水したボトルのサンプルとDO瓶で採取したサンプルの化学的酸素要求量(COD)と溶存酸素(DO)量を薄膜法で測定する。
 
授業の詳細9 ●第2回目 [5月19日(土)] 
[@、Aグループ] 物部川(旧)山田堰碑に集合
[B、Cグループ] 高知工科大学・学生実験室(B154) に集合
★2-1) 09:00-12:10
☆2-1-1) 09:00-10:10 [@、Aグループ]
物部川・山田堰において、河川の流速を測定し、水温・pH・電気伝導度(EC)を現地で測定して川の水を採水する。次に、底質の底生昆虫を採取して仮分類し実験室に持ち帰る。急流河川(清流)の生態系とハビタットの関係を考察し、水質(化学)指標と生態環境とハビタットを総合的に評価する方法を体験的に学ぶ。
☆2-1-2) 09:00-10:10 [B、Cグループ]
大学構内の地下水湧水の水質(水温、pH、電気伝導度(EC))を現地で測定した後にボトルとDO瓶に採水し、最後に湧水の流量を測定する。実験室にて溶存酸素(DO)量を測定して、それらの結果をデータシートに記録して地下水の水質特性について考察する。

★2-2) 10:40-11:50
☆2-2-1) 10:40-11:50 [B、Cグループ]
物部川・山田堰において、河川の流速を測定し、水温・pH・電気伝導度(EC)を現地で測定して川の水を採水する。次に、底質の底生昆虫を採取して仮分類し実験室に持ち帰る。急流河川(清流)の生態系とハビタットの関係を考察し、水質(化学)指標と生態環境とハビタットを総合的に評価する方法を体験的に学ぶ。
☆2-2-2) 10:40-11:50 [@、Aグループ]
大学構内の地下水湧水の水質(水温、pH、電気伝導度(EC))を現地で測定した後にボトルとDO瓶に採水し、最後に湧水の流量を測定する。実験室にて溶存酸素(DO)量を測定して、それらの結果をデータシートに記録して地下水の水質特性について考察する。
 
授業の詳細10 ★2-3) 13:10-14:40 [@、A、B、Cグループ] <全員> <学生実験室(B154) >
急流河川(清流)物部川の底棲動物(昆虫)と水中の動植物群(プランクトン)を生物顕微鏡で観察し分類する。水質を化学分析だけでなく生物指標とハビタットの考察を加えて総合的に環境を評価する。<<<最後に各グループが使用した調査機材の整理・整頓と実験室の後かたづけ>>>

★2-4) 14:50-15:50 [@、A、B、Cグループ] <全員> <B106教室>
ラップアップ(1): 水質と生物とハビタットの関係と生態環境評価[山下]および河川の物理環境(流量測定)評価[福永]に関する解説。

★2-5) 15:50-16:20 [@、A、B、Cグループ] <全員> <学生実験室(B154) >
ラップアップ(2):野外調査と室内実験の知見をもとに、物部川またはKUTキャンパスを例に、今後の水環境の保全や浄化対策に配慮した環境モニタリング計画についてグループディスカッションを行い要点と結論をパワーポイントにまとめる。

★2-6) 17:20-18:00 [@、A、B、Cグループ] <全員> <学生実験室(B154) >
ラップアップ(3): 最後に各グループによるモニタリング計画の発表を行う。
☆17:20-17:30 @グループ
☆17:30-17:40 Aグループ
☆17:40-17:50 Bグループ
☆17:50-18:00 Cグループ

★2-7) 18:00-18:15 [@、A、B、Cグループ] <全員> <学生実験室(B154) >
ラップアップ(4): 各グループが使用した調査機材の整理・整頓と実験室の後かたづけ <<<全員>>>

※:最後の「後かたづけ」は集中講義の最後の部分で重要な意味があり評価対象内です。立つ鳥跡を濁さず!<忘れることなかれ>

 


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