戻る
タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?環境理工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 生物材料概論 
担当教員 松元 信也 
対象学年 1年  クラス 学部:専門001 
講義室 B106  開講学期 1学期 
曜日・時限 火3,金3  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 「授業の目的」
  
現在の豊かな生活は石油,鉱物,農林水産物などの諸々の材料を加工することによって成り立っている. 本講では,それらのうち,生物が生産する物質に注目し,利用実例などを通して,それらの加工・応用上の特性や留意点などを理解する基礎的能力を習得する.

 「キーワード」
 生物材料、多様性、特性、加工応用、環境保全

「授業の進め方」
  
植物,微生物,水産物及び動物起源の糖質,脂質,タンパク質などの生物系材料に関し,それらの一般的性質と加工・応用特性について活用事例などを挙げて解説する.

「達成目標 」

再生産が可能で,環境に優しく,比較的安全,安心である等の特性を有する生物系材料の種類,性質,給源,加工・応用特性の概要を理解する.
 
授業の詳細2 「授業計画」
  
1.材料の分類と生物系材料の特性:生物とは,材料とは何かについて述べると共に,材料の一般的分類について解説する. 更に, "再生産が可能である"などの生物系材料の基本的特性を概説する.

2.植物由来の生物系材料(@澱粉質とその加工応用):植物由来の生物材料のうち,食品加工応用領域で重要な位置を占める澱粉質に関し,それを含む原料の種類,加熱時の挙動を中心とした加工応用特性等について解説する.

3.植物由来の生物系材料(A繊維質とその加工応用):生物系材料の中で最も量の多いセルロースなどの繊維質系多糖類の種類,加工・応用特性などについて解説する.

4.植物由来の生物系材料(B糖類の清涼飲料製造への利用):糖類の最大の特徴はその甘味である.ここでは清涼飲料に利用されている糖類の特徴,製造法の概要及びトピックス等について事例を挙げて解説する.

5.植物由来の生物系材料(C糖類の酒類製造への利用):人類の歴史と共に古い酒類の原料は糖類である.ここでは,糖類の酒類製造への利用状況などについて,伝統的酒類,ビール等を例に解説する.

6.植物由来の生物系材料(Dトウモロコシの総合利用):炭水化物,脂質,タンパク質,繊維質などの再生産可能な植物由来の生物系材料が幅広く活用展開されていることを理解する一助として,トウモロコシの総合利用システムを紹介解説する.

7.官能検査:生物系材料の中でも最も馴染みのあるグルコース,フラクトース,シュクロースの各糖類の甘味度及び味質を官能検査により評価する.

8.微生物由来の生物系材料(@微生物の食品産業領域での活躍):酵母,細菌,カビなどの微生物が調味料,健康食品,発酵食品などの食品産業領域で活躍している実態について例を挙げて解説する.

 
授業の詳細3 9.微生物由来の生物系材料(A微生物代謝産物の種類とその利用):有機酸,酵素,抗生物質などの微生物の代謝産物の種類,加工応用特性などについて,酵素のアルコール製造への利用事例を中心に解説する.

10.水産物由来の生物系材料の種類とその利用:テングサなどの海藻類,カニなどの甲殻類,及びイワシなどの魚類に含まれる糖質,脂質を中心に,それらの種類と加工・応用特性について事例を挙げて解説する.

11.動物由来の生物系材料の種類とその利用:代表的な動物由来の生物材料である牛乳中に含まれる蛋白質,脂質,糖質,酵素等について,それらの種類,加工・応用特性について事例を挙げて解説する.

12.保健機能食品と生物系材料:食品の新しい潮流である保健機能食品の概要を解説すると共に,"おなかの調子を整える食品"、"コレステロールが高めのかたの食品","血圧が高めの方の食品","ミネラルの吸収を助ける食品"などとして応用展開されている生物材料の利用事例を紹介解説する.

13.資源・環境問題と生物系材料:SOxやNOxの発生減少による大気環境の保全,及び化石燃料の採掘削減による資源保全などの観点から,再生産可能な生物系材料の特徴をフルに活用して,未利用もしくは産業廃棄物などのバイオマスからの微生物による燃料用アルコールやメタンガスへの変換が世界的規模で実用化されている.ここではその現状などについて解説する.また,実用段階に入りつつある農産物を原料とする生分解性プラスチックスについても紹介する.

14.生物材料の今後の展望とポイント振り返り:生物系材料の今後の展望について解説するとともに,レポート課題を中心に講義のポイントを振り返る.

15.達成目標に対する到達度を確認する。
 
授業の詳細4 「成績評価」

 課題レポートと試験の成績の合計点が60点以上を合格とする.点数配分はレポート20点,試験80点. なお,合格者の内,特に優れた成績を示したものはAA,優れた成績を示したものはA,良好と認められる成績を示したものはB,合格と認められる成績を示したものはCと表示する.

「テキスト」
 必要に応じて配付する。

 「参考書」
・食品学ー食品成分と機能性ー:久保田久枝・森光康次郎編(東京化学同人、2003) ISBN978-4-8079-1606-1に記述されている食品成分煮関する部分
・微生物とその利用:緒方靖哉編著(コロナ社、2000) ISBN978-4-339-07643-1に記述されている基礎的部分など

 「準備学習などについて」
 提示された課題に対するレポートは配布された資料などを参考に十分に吟味して作成し、関連する知識を含め、正確に理解すること。

 「備考」
 高校時代に生物を履修していない学生が履修しても特に問題はありません。
 
授業の詳細5  
授業の詳細6  
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
授業の詳細10  


Copyright (c) 2006 NTT DATA KYUSHU CORPORATION. All Rights Reserved.