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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?環境理工学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 物理化学(環境理工) 
担当教員 角 克宏 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 B106  開講学期 2学期 
曜日・時限 火4,金4  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
物理化学には大きく分けて二つの重要な分野がある。量子論と熱力学である。この二つを1つの講義で行う事は困難であるし、生命科学、化学、物質科学、環境科学などを専攻する学生にとっては、特に前者よりも後者の方がより重要であろう。したがって、本講義においては熱力学の法則を理解することにより、相平衡、溶液、種々の化学平衡を学習する。さらに、化学反応速度論を学び、熱力学の立場から理解する。

講義の進め方
  
 講義は基本的に図や写真はPowerPointのスライドを使って示し、ノートは板書する。

達成目標
1. 理想気体と現実気体の状態方程式や気体の分子運動論を理解する。
2. 熱力学第一法則を学習し,エンタルピーを理解する
3. 熱力学第二法則・第三法則を学習し、エントロピーについて理解する。
4. 自由エネルギーを学習し、相平衡を理解する。
5. 化学ポテンシャルを学習し、溶液を理解する。
6. 熱力学の立場から化学平衡を理解する。
7. 熱力学の立場から、化学電池を理解する。 
8. 反応次数、アレニウス式、遷移状態理論などの反応速度論を理解する。
 
授業の詳細2 講義計画
  
1-2. 気体の性質
 まず,本講義の目的,達成目標,講義内容の概論,および評価法を説明する。理想気体と実在気体、気体の分子運動論について学ぶ。

3-4. 熱力学第一法則
 熱力学第一法則を学び、気体の断熱過程、等温過程における気体のエネルギーの出入りを考える。また定積過程と定圧過程について理解し、エンタルピーという新しい熱力学関数、Hを定義することにより、一定圧力での化学反応の熱化学を理解する。また、ヘスの熱量和の法則について学び、生成エンタルピー、標準生成エンタルピー、さらに結合エネルギーなど、熱力学第一法則によって計算される種々の反応エンタルピーについて理解する。

5-7. 熱力学第二法則
 拡散現象を通してエントロピーの統計的定義式S=klnWを理解する。次にカルノーサイクルから得られるもうひとつのエントロピーの定義式dS=dq/Tを理解し、統計的定義式との関係を考える。また、化学反応が熱力学第二法則に従って自発的に起こることを理解するのに、ギブスの自由エネルギー、Gという熱力学状態関数を導入すると、より便利である。この自由エネルギーGに関して学習し、自由エネルギーと有効な仕事との関係を理解する。熱力学の法則を使って、相平衡を理解する。

8. 演習・予備講義
 講義が予定より延長したときのために予備講義時間を設ける。時間が余った場合には、演習時間にあてる。

9. 中間試験
 
授業の詳細3 10-11. 溶液
まず部分モル体積という概念を理解した後、自由エネルギーに関する部分モル量である化学ポテンシャルを理解する。混合の熱力学を使って、溶液を理解し、束一的性質や電解質溶液を理解する。

12. 化学平衡
 気体系、溶液系および不均一系の化学平衡を取り扱う。平衡定数に対する温度、圧力および触媒の影響を理解する。また、ルシャトリエの原理を熱理学の立場から理解する。

13. 電気化学
 熱力学的理解を基礎として、各種化学電池、標準酸化還元電位、ネルンストの式を学習する。化学電池の起電力を熱力学の立場から理解する。

14.-15 反応速度論1
 熱力学的支配と速度論的支配について学ぶ。反応速度論では、最も簡単な一次反応について学び、ついで二次反応について学習する。次いで、競争反応や逐次反応など複合反応を学ぶ。また素反応を学び反応機構を理解する。反応速度定数と温度の関係を示すアレニウス式を学び、これを衝突理論、遷移状態理論などを導入し理論的に理解する。

16. 期末試験
 
 
授業の詳細4 テキスト:生命科学系のための物理化学
 Raymond Chang 著
 岩澤康裕・北川禎三・濱口宏夫 訳
 東京化学同人
   ISBN4-8079-0645-3

(参考書1.) ブラディ 一般化学 (上)(下)J.E.Brady・G.E.Humiston 著、若山信行・一国雅巳・大島泰郎 訳(東京化学同人)
(参考書2.) アトキンス物理化学 上・下 R.W. Atkins 著、千原秀昭・中村亘男 訳(東京化学同人)


成績評価
中間試験と期末試験で評価する。
AA: 講義目標をほぼ達成している。
A: 講義目標を8割以上達成している。
B: 講義目標を7割以上達成している。
C: 講義目標を6割以上達成している。
F: 評価Cの理解に達していない。

履修上の注意
熱力学の理解のために、2年生第1クウォターにある【環境熱科学】(古沢)を履修しておくことが望ましい。演習では関数付き卓上計算機(関数電卓)を必ず持参すること。中間・期末試験では関数電卓の持込可能。 
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