科目名 |
数値計算法 |
担当教員 |
各指導教官 |
対象学年 |
2年,3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
C102 |
開講学期 |
2学期 |
曜日・時限 |
火2,金2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
|
備考 |
|
授業の詳細1 |
☆講義の目標と概要
数学の世界ではxやyといった変数を駆使し、また、ベクトルや行列、微分・積分といった数学的概念の表現を生かし、式を変形させながら解を求めていくのが一般的ですが、コンピュータにとって、このような数式を理解することは苦手です。では、コンピュータにどのように数学の解法を実行させるのか?という疑問に答えるための方法論を本講義「数値計算法」を通して学ぶことが出来ます。
数値計算法はあらゆるコンピュータサイエンスの分野に必要にとされる代表的な基礎科目であり、自動車、金融、コンピュータグラフィックスといった、一見、数学的要素と無関係のような分野であっても、本講義でとりあげる手法は、コンピュータが実行するプログラムでの計算の中核をなすアルゴリズムとして使われ続けているのが現実です。つまり、とても重要な基礎科目であり、コンピュータプログラムの開発に携わる限り知らなければならない基盤技術の一つであります。
数値計算法が目指すのは計算誤差の縮小と計算時間の短縮です。この2つに関してはコンピュータの構成上、避けては通れない苦難であります。特に、前者の計算誤差に関しては、多大な気配りが必要で、手法の選択を誤ると、人工衛星を軌道に乗せることもできず、自動車は正しく走らず、インターネットは不安定、といった不具合が頻発する世の中になってしまいます。このような事態を回避するためにも数値計算法を習得し、数学的な解導出を数値的に行う手法を学んでいくのが本講義の主眼となります。
本講義は「情報学群実験1・2」や情報学群専門科目などで行われるプログラミングに、数学の理論を活用するための準備でもあります。
本講義を履修することにより、 (1) コンピュータでの数値の扱いの特性を理解できるようになります。 (2) 数学的な思考が必要な問題を数値的に解く手法を身につけられます。 (3) 必要とされる精度で演算結果を得るための方式について理解できます。 (4) 数値的な解法を用いるプログラムを開発することが出来るようになります。 |
授業の詳細2 |
☆講義計画と目標
以下の項目を習得すべく、講義中に時間を調整しつつ、進行します。
1.数値計算とは何か? 数学で出来ることとコンピュータで出来る計算との関係を理解し、なぜ、数値計算法を学ぶのか理解でき、数値計算法が重要であるという問題意識を持つことが出来るようになる。
2.コンピュータでの数値表現:浮動小数点、誤差・桁落ち コンピュータでの数値表現と、それを用いて計算を行った際に発生する誤差や桁落ちといった数値的欠陥に関して理解し、説明をすることが出来るようになる。
3.連立一次方程式の解法(直説法):ガウス消去法、LU分解 ガウスの消去法、LU分解、を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
4.連立一次方程式の解法(直説法):ピボット付きLU分解、コレスキー分解、計算の複雑さ ピボットを考慮したLU分解、コレスキー分解を用いた解法を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。 計算の複雑さを理解し、コンピュータによる計算時間を見積もることが出来るようになる。
5.[演習] 誤差、桁落ち、連立一次方程式の直接解法と計算の複雑さの理解を深めるためのプログラミング演習を行う。
6.連立一次方程式の解法(反復法):CSRフォーマット、ヤコビ法 疎行列をコンピュータで効率よく表現する方法を理解できるようになる。 ヤコビ法を用いた解法の理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
7.連立一次方程式の解法(反復法):ガウス-ザイデル法、SOR法 ガウス-ザイデル法、SOR法を用いた解法の理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
8.[演習] 連立一次方程式の反復解法(ヤコビ法、ガウス-ザイデル法、SOR法)の理解を深めるためのプログラミング演習を行う。
9.非線形方程式の解法:二分法 二分法を用いた解法を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
10.非線形方程式の解法:ニュートン法 ニュートン法を用いた解法を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。 |
授業の詳細3 |
11.[演習] 連非線形方程式の解法から1つをとりあげ理解を深めるための演習を行う。
12.関数近似と補間:最小2乗近似による関数近似、ラグランジュ補間 最小2乗近似による関数近似、ラグランジュ補間を用いた解法を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
13.関数近似と補間:ニュートン補間 ニュートン補間を用いた解法を理解し、プログラムを作成することが出来るようになる。
14.[演習] 関数近似と補間のための解法から1つをとりあげ理解を深めるための演習を行う。
15.試験 試験はノート・教科書・計算機等考え得るすべての参考書・機材を持ち込み可。
16.答案解説 |
授業の詳細4 |
☆教科書
座学用: 『工学のための数値計算』,長谷川 武光 (著), 細田 陽介 (著), 吉田 俊之 (著) (数理工学社, 2008/08)ISBN: 4901683586
演習用: 『C言語による数値計算入門―解法・アルゴリズム・プログラム』,皆本 晃弥 (著) (サイエンス社, 2005/12)ISBN: 4781911145
|
授業の詳細5 |
☆成績評価: 試験50%、演習50%で、60%以上を合格とし、以下に示すように成績を割り当てる。
AA:90%以上 A:80〜89% B:70〜79% C:60〜69% F:60%未満
☆備考 事前の履修が望ましい科目=「数学1・4」 C言語でのプログラムを理解できることが望ましい。 |
授業の詳細6 |
|
授業の詳細7 |
|
授業の詳細8 |
|
授業の詳細9 |
|
授業の詳細10 |
|