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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?情報学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 信号理論基礎 
担当教員 M村 昌則 
対象学年 2年  クラス 学部:専門001 
講義室 A107  開講学期 1学期 
曜日・時限 月2,木2  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 【授業の目的】
 人は24時間を基本周期として生活している.時の経過を気にしながら行動し,次の行動に移る.人は時間と共に生きており「時間」という概念は直感的でわかりやすい.同様に,人は「空間」の中で生きており「空間」も「時間」と同程度にわかりやすい.しかし,情報に関連する技術を理解したり,新しい物を生み出したりする過程では,必ずしも「時間」や「空間」がわかりやすい最良の概念とは言えない.
 フーリエ級数及びフーリエ変換は,「時間」や「空間」の世界から「周波数」の世界への橋渡しをしてくれる.この授業では,情報技術の理解に必須となる情報信号を題材にして,「時間」や「空間」の世界と「周波数」の世界とで,情報信号の見え方がどのように違うか観察しこれを情報技術者の立場で理解する.試験終了直後の回の授業では,試験の解説も受ける.

【授業の概要と達成目標】
 (1) フーリエ級数で表現するということがどういうことか学び説明できるようになる.
 (2) 応用上重要ないくつかの信号のフーリエ級数表現を学び求められるようになる.
 (3) フーリエ変換・逆変換を求めるということがどういうことか学び説明できるようになる.
 (4) 応用上重要ないくつかの信号のフーリエ変換・逆変換を学び求められるようになる.
 (5) フーリエ変換の性質を学び新たな問題の計算に利用できる.
 (6) 単位インパルス関数を学び計算に利用できるようになる.
 
授業の詳細2 【授業計画】
フーリエ級数
1.導入
 この授業のねらいと進め方について説明を受ける.
 振幅・(角)周波数・位相で特徴づけられる正弦波及び余弦波についての復習及び復習を行う.

2.フーリエ級数表現
 周期信号のフーリエ級数表現を学ぶ.三角関数の基本公式から,正弦波・余弦波の直交性及び成分抽出を理解し,フーリエ係数を与える手法を学ぶ.

3.偶関数及び奇関数のフーリエ級数
 偶関数のフーリエ級数が余弦級数となり,奇関数のフーリエ級数が正弦級数となることを学ぶ.

4.単位インパルス関数と単位ステップ関数
 ディラックの単位インパルス関数を定義して,種々の性質を学ぶ.ヘビサイドの単位ステップ関数との関係についても学ぶ.

5.複素フーリエ級数1
 複素正弦波を定義し,信号の複素フーリエ級数表現を学ぶ.

6.複素フーリエ級数2
 複素フーリエ係数を与える手法を学ぶ.周期信号に対するパーシバルの定理を学ぶ.

7.演習
 いくつかの例題に取り組む.

8.1〜7回までのまとめ(習熟度確認)
 
授業の詳細3 9.フーリエ級数からフーリエ変換へ
 非周期信号のフーリエ変換・フーリエ逆変換を与える.非周期信号の周波数スペクトルが連続スペクトルとなることを学ぶ.

10.フーリエ変換の性質1
 フーリエ変換の線形性,伸縮性,時間推移,周波数推移等の性質を学ぶ.周波数推理定理に基づく変調理論の基礎を学ぶ.

11.フーリエ変換の性質2
 時間微分・積分した信号のフーリエ変換,たたみ込みとその性質を学ぶ.特殊信号のフーリエ変換を学ぶ.

12.フーリエ変換の性質3
 周期信号の周波数スペクトル(振幅スペクトル・位相スペクトル)が線スペクトルとなることを学ぶ.複素フーリエ係数の工学的意味を学ぶ.2つの信号の類似度の尺度となる相関関数(自己相関関数・相互相関関数)を学び,エネルギースペクトルを学ぶ.

13.演習
 いくつかの例題に取り組む.

14.9〜13回までのまとめ(習熟度確認)

15.この授業全体のまとめ

【演習】
1.正弦波や余弦波の時間領域表現と周波数領域表現に関する演習
2.フーリエ級数・複素フーリエ級数・それらの相互変換に関する演習
3.フーリエ変換及びフーリエ逆変換を求める演習
4.相関関数に関する演習
など.
 
授業の詳細4 【成績評価】
 授業中に行う小課題,及び2回の習熟度確認の結果から目標に対する到達度が判定され,以下の成績が与えられる.
◆AA:目標への到達度が90%以上であると認められた場合
◆A:目標への到達度が80%以上であると認められた場合
◆B:目標への到達度が70%以上であると認められた場合
◆C:目標への到達度が60%以上であると認められた場合
 ただし,Cの到達度に満たなかった場合でも,到達度がCの水準に近く,かつ,授業・演習への出席状況に優れる者には,レポート課題を与えその結果Cの到達度以上になったと認められれば,Cが与えられる.

【テキスト】
 『フーリエ解析』,H. P. Hsu 著・佐藤平八 訳(森北出版, 2005)ISBN4-627-93010-0

【参考書】
 『(基礎数学ワークブック No.8)フーリエ解析』,井上昌昭 著(高知工科大学)
 『数学8 (フーリエ解析) 2010年度版』,井上昌昭 著(高知工科大学)

【準備学習等についての具体的な指示】
 履修前提科目・事前の履修が望ましい科目:「数学1」「数学2」

【備考】
 情報学群 情報通信専攻・情報とメディア専攻・コンピュータサイエンス専攻 専門基礎科目
 連絡先:A棟422室
 オフィスアワー:毎週水曜9:00〜10:00
 
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