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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?情報学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 学習と推論 
担当教員 繁桝 博昭 
対象学年 3年  クラス 学部:専門001 
講義室 A106  開講学期 2学期 
曜日・時限 火5,金5  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 ■ 講義の目的
  
日々,生きていくなかで私達はさまざまことを学んでいる.自転車の乗り方,料理の仕方,パソコンや携帯電話の使い方,言語の習得や数学の解法など,例を挙げればきりがなく,“学習”は私たちの生活の全ての局面に関わっている.また,私たちを取巻く世界の出来事は多様でかつ時々刻々と変化しており,そこから必要な情報を全て一度に得ることはできず,不明な要素を推し量る“推論”なしには自身の判断・行動を前に進めることはできない.本講義では,生体(人間および動物)における “学習と推論” に関して,学習心理学,認知科学,神経生理学などの各分野の知見について解説する.近年の情報処理技術の躍進は著しいものの,それでもまだ生体の学習・推論の能力に遥かに及ばない側面を多く残す.本講義の内容に基づき,受講者が生体と機械の情報処理機構の違いを考察し,将来に向けて,新たな情報処理技術のアイディアの創案することを促していきたい.

■ 講義の進め方

本講義では,学習と推論に関する各トピックスについて人間・動物を対象とした実験から得られた知見を解説していく.また,認知科学的,神経生理学的な観測に基づく,概念モデルおよび数理モデルについても解説する.講義中あるいは演習の時間には随時小課題を課す.そこでは学んだ内容の理解度,到達度のチェックを行うとともに,講義内容について,受講者各自の日常生活での経験との関連性,これからの自身のスキルの向上への活用案,生体の情報処理と機械の情報処理との差異および共通性の考察,未来の情報処理技術への応用案についての記述を求める.受講者の独自性と創意に溢れる回答を期待している.

■ 達成目標

1. 生体 (人間および動物) の学習と推論に関する基礎的な知見を理解する.
2. 生体の学習と推論の理論モデルに関する基礎的な知見を理解する.
3. 1-2の内容を,勉学,趣味といった自身の日常生活での出来事に関連づけて理解する.
4. 1-2に基づき,新たな情報処理技術に向けたアイディアを提案することができる.
 
授業の詳細2 ■ 授業計画

1. 導入
本講義の概要について解説する.
2. 行動と認知の学習
学習について,行動理論と認知理論の考え方を比較・対照させつつ,その特色や長所・短所について学ぶ.
3. 技能学習(1)
学習の中でも特に動作や技術の習得について学ぶ.
4. 技能学習(2)
技能学習の理論,および運動以外の技能学習について学ぶ.
5. 問題解決と推理(1)
問題解決のプロセスについてさまざまなアプローチによる研究から概観する.
6. 問題解決と推理(2)
問題解決を行うさいに重要な役割を果たす,推理および創造性という心的機能について学ぶ.
7. 知覚における推論機構
知覚においてどのように推論が実現されているのか,最近の研究成果を紹介する.
8. 古典的条件付け(1)
パブロフの条件反射にはじまる古典的条件付け学習の基礎について学ぶ.
9. 古典的条件付け(2)
古典的条件付けの汎化,弁別,消去などについて学ぶ.
10. オペラント条件付け(1)
反射よりも高度な行動の変化をもたらすオペラント学習の基礎について学ぶ.
11. オペラント条件付け(2)
オペラント条件付けの汎化,弁別,消去などについて学ぶ.
12. 社会的学習(1)
他者の経験の見聞から身につける社会的学習について学ぶ.
13. 社会的学習(2)
社会的学習の理論について学ぶ.
14. 習熟度確認
これまでの講義内容についての習熟度確認を行う.
15. 習熟度確認の解説
14回目の講義でおこなった習熟度確認の課題について解説する.
 
授業の詳細3 ■ 達成目標

1. 生体 (人間および動物) の学習と推論に関する基礎的な知見を理解する.
2. 生体の学習と推論の理論モデルに関する基礎的な知見を理解する.
3. 1-2の内容を,勉学,趣味といった自身の日常生活での出来事に関連づけて理解する.
4. 1-2に基づき,新たな情報処理技術に向けたアイディアを提案することができる.

■ 成績評価

講義中に行う小課題(10%),3回の演習の課題(30%),習熟度確認の成績(60%)により総合的に評価する.

AA:課題の達成度および習熟度確認の成績が非常に高い場合
A:課題の達成度および習熟度確認験の成績が高い場合
B:課題の達成度および習熟度確認の成績が全体的に基準を超えている場合
C:課題の達成度および習熟度確認の成績が部分的に基準を超えている場合

■ 参考書

・「グラフィック学習心理学 行動と認知」山内光哉/春木豊 編著 (サイエンス社) ISBN-13: 978-4781909776
・「学習の心理 行動のメカニズムを探る」実森正子/中島定彦 著 (サイエンス社) ISBN-13: 978-4781909530
・「考えることの科学―推論の認知心理学への招待」市川伸一 著 (中公新書) ISBN-13: 978-4121013453

その他,適宜講義のなかで紹介していく.

■ 履修前の受講が望ましい科目:「知覚と認識」「感覚・神経生物学」「認知心理学」
 
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