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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?情報学群専門科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 卒業研究 
担当教員 坂本 明雄 
対象学年 4年  クラス 学部:専門202 
講義室   開講学期 通年 
曜日・時限 時間外  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 1.授業の目的と概要

 研究内容の提案から結果のまとめまで一貫した研究活動を通じて,研究・開発の進め方を学ぶとともに,輪講,演習,討議,実験,発表および考察検討を通じて,次の水準を習得することを目的とする。

(1)情報学群に関わる特定の分野の技術について,最先端の技術水準および技術課題を,情報と人間/情報とメディア/情報通信/コンピュータサイエンスの視点から要約して報告および記述できる。
(2)情報学群に関わる特定の分野の技術課題から,解決すべき具体的な目標を設定して,その解決目標の意義や解決の可能性がある方法論を要約して報告および記述できる。
(3)情報学群に関わる特定の分野の解決すべき具体的な目標課題に対する自身の研究状況を,自己分析あるいはグループ討議により論理的に整理でき,簡潔に報告することができる。
(4)情報学群に関わる特定の分野の解決すべき具体的な目標課題に対して恒常的に努力する技術者としての倫理を身に付ける。
(5)情報学群に関わる特定の分野の解決すべき具体的な目標課題に対する自身の研究の検証結果を,情報と人間/情報とメディア/情報通信/コンピュータサイエンスの視点から考察して簡潔に発表および記述できる。
 
授業の詳細2 ◎ 履修学生の側の視点では,以下の(A)〜(C)のようにこの授業を受講する目的をまとめることができる。

(A)卒業生としての実力を身につける
 情報分野における高い専門能力は,単に実験や授業で教科書に沿って専門を学んだだけで身に付くものではない。それらだけで単なる知識やテクニックは身に付いても「問題解決能力」が身に付かないからである。「問題解決能力」とは,今までに解決されてはいない新しい問題をさまざまな技術やシステム構築を通して解決することのできる能力のことである。ここで重要なのは「新しい問題」ということであって,教科書や参考書,ましてやマニュアルのどこを読んでも出ていないような問題を,自らの能力を総動員し必要な知識や技術を新たに学んで,試行錯誤の中から最適な解を見つけて解決する。しかも今後は他の技術者でも同様な問題を解決できるようにするために,解法を体系化して論文にまとめ,また多くの人の前で発表する,という一連の能力のことである。
 研究室に所属していない学生(1年生や2年生も含めて)では,そのような自分の技術者としての存在をかけて問題を解決するという経験を有していないことは明らかであり,教員側としては,『卒業研究』の経験を通じて,そのような高い能力を身につけさせることが学生諸君の卒業後の利益に繋がると考えている。
 
授業の詳細3 (B)専門分野によらず有効である
 情報学群では,このような「問題解決能力」の獲得は,今後高いレベルで能力を発揮する全ての人間にとって死活的に重要であると考える。ただし,これは研究室で取り扱った比較的狭い専門分野の研究成果そのものが,卒業後にそのまま役に立つ,という意味ではない。そうではなく,あらゆる局面において利用可能なこの「問題解決能力」を在学中に獲得することが,今後,技術者として非常に意味があることである,と言っているのである。よって,将来,情報以外の分野に進む場合であっても大変重要な科目である。
 このことから,情報学群では卒業研究関連科目である『卒業研究』や『プロジェクト研究』において,各学生の自主性を重んじ,それぞれの教員の専門分野における先端的なテーマで研究を実施している。それらには,前例もなければ,まして教科書などはない。自分で調べて自分で解決する,あるいはチームで解決する,という真に創造的な活動である。
 『卒業研究』や『プロジェクト研究』において論文を最終的に完成させ,研究発表を行った学生の能力は,研究開始時と比較して飛躍的に増大することは過去の事例から明らかである。それは我々教員が感じるだけでなく,卒業生諸君が一様に感じていることでもある。我々は研究を終えた学生に感謝されることはあっても,非難されたことはない。研究活動によって目標を達成すれば,人生における意義は誠に大きいものであり,大学院や企業での活動に直ちに(専門知識としてではなく)その経験を生かすことができるものである。
 
授業の詳細4 (C)卒業生の質の保証をする
 情報学群では,高い専門水準の学生を卒業させることを目標とし,それに向けてさまざまな努力を行っている。その結果,卒業生は社会に高く評価されている。そのような先輩の努力が,後輩(在学生)の諸君に他の同様な大学と比較しても高い就職率や希望通りの就職の成功率,また高い進学率をもたらすという循環を今まで続けてきた。そのことは,企業や大学院が「高知工科大学 情報学群」の卒業生(あるいは卒業見込み学生)に対する期待の高さを意味している。つまり情報学群の学生を採用しておけばこれくらいのことは簡単にやってくれるだろうという期待のあらわれであり,これが社会的な信用というものである。在学生の諸君もそれを意識的にあるいは無意識的に利用することによって,自分にとってよりよい就職や進学が可能となる。
 このように「高知工科大学 情報学群」の卒業生の水準を高く維持することが大切であり,それに相応しい能力を全ての学生が獲得できるように「卒業研究関連科目」の充実を図ってきた。現在では,学生諸君の希望や進路に合わせて『卒業研究』と『プロジェクト研究』という柔軟な教育プログラムになっている。
 我々が危惧するのは,これら「卒業研究関連科目」を履修しない,あるいは途中で放棄した学生の能力が,他の卒業生と比較したときに著しく不足してしまう可能性である。大学に来ない,研究室に来ない,ということで,そこで学んだこと以上の“修行”を学外でしていればよいのであるが,ほとんど全ての事例においては,研究室で過ごす時間がテレビゲームや(職業訓練には全くつながらないような単純労働の)アルバイトなどに置き換わっただけで,人生に有用な何らかの能力の獲得には費やされていない。
 よって,めんどうだから研究室には入らない,ということは「高知工科大学 情報学群」の教育水準に対する信用を失墜させ,他の卒業生へ迷惑を与える行為であり,許されないと考えている。我々は,社会の要請に応える意味でもそのような能力の獲得を学生諸君にぜひ期待したいと考えているし,どうしてもダメ(『卒業研究』または『プロジェクト研究』のいずれも単位取得できないという意味)なのであれば卒業資格を与えないというのも残念であるがやむを得ないと考えている。
 
授業の詳細5 2.授業目標

 情報学群が提供するカリキュラムの定める全ての目標が授業目標となる。以下には,情報学群および各専攻のカリキュラム・ポリシー[教育理念・目標]を記載する。

[情報学群の理念・目標]

 私たちを取り巻く情報環境は,コンピュータによる情報処理技術やネットワーク技術を活用した高度な情報システムの普及によって,急激に変化しています。 それに伴い,誰もが情報化の恩恵を安心して受けられる環境の提供が急務となっています。このような革命的な転換の時代に対応できる技術者には,しなやかで人に優しい情報システムへの深い理解と同時に,情報に関わる技術の開発とその応用を推進できる能力が求められます。

 情報学群では,柔軟で大胆な発想を育てることに主眼を置き,人に優しい情報環境を新たに創造できる人材や,情報を有益に活用できる人材を養成する教育プログラムを提供します。これを通して,情報技術が人間・社会と共生し発展できる社会を目指し,人と情報との関係や情報システムのあるべき姿をよく理解した上で問題発見・問題解決できる人材を育成します。

 
授業の詳細6 [各専攻の理念・目標]

『情報と人間専攻』
 これからの知的で高度な情報システムをデザインするための,人間の優れた知的能力の解明と,コンピュータによるその実現のため,知識の表現と利用,推論と学習,認識と理解,人と協調するシステムなどの教育・研究を通じて,人に優しい未来の高度な情報通信技術を有効に活用できる人材を育成します。

『情報とメディア専攻』
 CGや映像などのデザイン,コンピュータやネットワークで情報メディアを扱う技術,メディアを通して,情報システムのあり方を学びます。ディジタルメディアエンジニア,映像制作関連,Webクリエータ,ソフトウェア開発など情報メディアを扱う幅広い分野で活躍できる人材の育成を目指します。

『情報通信専攻』
 情報通信をより高品質で快適に行える新世代ネットワークシステムや,携帯電話などをはじめとした通信の性能を飛躍的に向上させる通信方式など,コンピュータネットワークに関する教育・研究を通じて情報通信の未来を担う人材を育成します。

『コンピュータサイエンス専攻』
 ハードウェアとソフトウェアの両面から情報通信技術について深く理解し,あらゆる情報通信分野の中心で活躍できる人材を養成します。情報工学を体系的に学ぶことで,これからの技術の急激な進歩にも柔軟に対応でき,将来の情報システムの発展に寄与できる,真の情報通信技術者を目指します。

 
授業の詳細7 3.授業の進め方

(1)卒業研究の内容
(一般的な国立大学等における)従来からの意味での「卒業研究(論文)」とは,4年生において専門担当教員の研究室に所属し,その教員の指導のもとに研究を行い,それを卒業研究として学士論文にまとめ,提出し,その内容から研究論文が認定されると卒業研究科目の単位配当が行われる,というものである。
しかし,高知工科大学では,特に大学院進学者に対しては,狭い分野の研究テーマを教員とともに実施させることよりも,幅広い内容で教育のための研究を行うことを主眼としている。その意味では,従来の卒業研究とは異なっており,むしろ「課題研究」と称した方がよいとも思われる。それぞれの学生に対してどのようなタイプの研究活動をさせていくかは,学生とその研究室の指導教員とが相談の上で決定する。
つまり,学群全体で統一的な行動をとっているということでもない。しかし,卒業研究活動の科目名が『卒業研究』である以上,従来型の卒業研究を実施する学生(主として学部で就職する学生)と課題研究を行う学生(主として大学院へ進学する学生)の両方に対して,区別なく『卒業研究』の単位を配当するという形になっている。そのため,情報学群では,研究の方法や内容によらず一括して「卒業研究」と称しているが,実際の内容は指導教員ごとにあるいは学生ごとに異なると考えて欲しい。
 
授業の詳細8 (2)3年生からの研究室配属について
3年生開始時に取得単位数がある基準を超えていれば,3年次から卒業研究活動を開始する「卒業研究予備配属」や「卒業研究研修配属」ができる。ただし,卒業研究関連科目の履修や単位取得が3年次からできるわけではない。あくまでも研究活動を開始するだけである。3年次から卒業研究予備・研修配属されている学生は,4年生開始時に卒業研究着手条件の基準単位および他の条件を満足していれば,正式に卒業研究関連科目の履修が認められる。
ただし,卒業研究研修配属条件については,その年次の総学生数と研究施設との関係などを考慮し,その年次独自の緩和措置や変更措置が取られることがある。また,ある特定の研究室に空きがある場合などには,基準単位数以下の学生を例外的に配属することもある。
この卒業研究予備配属および卒業研究研修配属は3年生を対象としているので,条件を満たしたとしても4年生以上の配属は,原則行わない(但し,病気などの事情は考慮するし,研究室指導教員の強い推薦があれば特例として認めることがある)。
卒業研究予備・研修配属での学生に対する課題については,担当教員に一任されており,4年次からの卒業研究のタイプ(卒業研究論文活動あるいはプロジェクト研究課題研究活動)を考慮に入れた活動をする場合とそうでない場合の両方がありうる。
 いずれにせよ,研修配属の主な目的は,就職や大学院進学へ向けて自立した社会人としての自覚をもってもらうことである。したがって,雑用的な仕事が割りあたることもあるし,教員の専門分野とは異なる仕事が行われることもある。また3年生の間は,関連分野の学習や輪講などの活動が主になる研究室もあるし,実際の研究活動を始めるところもある。疑問があれば,配属前にその研究室の指導教員に聞いておくこと。
 
授業の詳細9  
授業の詳細10  


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