科目名 |
環境経営(マネジメント) |
担当教員 |
渡邊 法美 |
対象学年 |
3年 |
クラス |
学部:専門001 |
講義室 |
K202 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
水2 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
【授業の目的 】まず,水・廃棄物・地球温暖化・エネルギーと いった主要な環境問題の基本的な論点を多角的に検討し理解する.そこで得た知識に基づいて,地域の自然環境を総合的に経営することを目指す「環境経営」と いう概念について検討する.最後に,高知県の物部川流域に焦点を当てて,その環境経営の現状と将来像を検討すること試みる. 【授業の進め方】 授業は2部から構成される。 第一部では,水・廃棄物・地球温暖化・エネルギーといった主要な環境問題の基本的な論点を多角的に検討し理解する.各問題の最先端の技術的・科学的知見の一端を学ぶとともに,各問題を解決するための「姿勢」についても検討する. 第二部では,まず,環境経営という概念を理解するとともに,それが地域の真の発展のためには有益であることを理解する.最後に,高知県の物部川流域に焦点を当てて,その環境経営の現状と将来像を検討すること試みる.
【達成目標】 1. 主要な環境問題の基本的な論点を理解する. 2. 環境経営という概念を理解する. 3. 物部川流域の環境経営の現状を理解する. 4. その将来像の方向性を論じることができる.
【講義日程】 第 1講 自然環境とは−人間と自然環境との関わり 第 2講 環境問題とは−日本の環境問題の歴史、地球環境問題の本質 第 3講 上水道システム 第 4講 汚水処理システム 第 5講 廃棄物問題−環境経営とは 第 6講 地球温暖化問題(1) 第 7講 地球温暖化問題(2) 第 8講 エネルギー問題(1) 第 9講 エネルギー問題(2) 第10講 エネルギー問題(3) 第11講 流域経営の現状と課題 第12講 物部川の環境経営(1)−物部川流域と人々のくらしの変遷 第13講 物部川の環境経営(2)−各主体のリスク(不安)とリターン(期待)の分析 第14講 物部川の環境経営(3)−物部川環境経営の将来像 第15講 第1講から第15講までのまとめ
期末試験 |
授業の詳細2 |
【授業計画】 第一部:主要な環境問題の基本的な論点を多角的に検討し理解する. 1. 自然環境とは−人間と自然環境との関わりを概括する.次に「環境とは何か」を多角的に検討した上で,私たちは自然環境とどう向き合うべきかを検討する. 2. 環境問題とは−日本の環境問題の歴史と地球環境問題の本質を理解する. 3-4. 上水道・汚水処理システム−水問題の概要を理解し,上下水道施設の構成と機能について概説する. 5. 廃棄物問題−廃棄物問題の現状と課題を概説する.ここまでの講義を通して、環境経営の留意点を議論する。 6-7. 地球温暖化問題(1)(2)−アル・ゴア氏の「不都合な真実」が上映・出版されて以来,地球温暖化問題はより身近な環境問題となった.地球温暖化問題の原 因と被害,ならびに排出権取引の現状など低炭素社会への移行方法を概括する.一方,地球温暖化問題の存在は疑わしいとの説もある.両者の主張を比較することによって,地球温暖化問題の論点を多角的に検討・理解することを試みる. 8-9. エネルギー問題(1)(2)−地球温暖化問題の議論が活発になるにつれて,原子力発電やバイオマスに大きな期待が寄せられている.原子力発電に関しては, 地球温暖化問題解決のための有力な手段の一つであるものの,高レベル性廃棄物処分場が整備されていないこと,臨界事故の危険性があること,発電所の誘致は 長期的な地域振興に必ずしもつながらないなどの問題点も指摘されている.原子力発電に対する賛否の論点を多角的に検討・理解することを試みる.バイオマス についても同様の検討を行う. 10. エネルギー問題(3)−原発反対派が恐れていた事故が発生してしまった.福島原発問題の原因、影響、解決策を討議する. 11. 流域経営の現状と課題−世界で最も進んでいると思われる流域管理の一つと言われているEU水枠組み指令等、国内外におけるその実践例を紹介する。 |
授業の詳細3 |
第二部:環境経営を理解する 12. 物部川の環境経営(1)−物部川流域の人々のくらしの変遷:人々は戦後どのように川と向き合ってきたのか,それは何によって変わり、変えられたのか,その結果川はどう変わっていったのかを概括する. 13. 物部川の環境経営(2)−各主体の不安(リスク)と期待(リターン)の分析:川の水を使用する様々な主体,例えば農業者,水力発電関係者,そして水中生物,は水の利用に関してそれぞれ不安や期待を持っている.例えば,水中生物は,水が豊かに流れる川で泳ぎたいという期待を持ちつつ,人間に多くの水を取られてしまい川が干上がってしまうのではないかとの不安も持っていると思われる.各主体は,水利用に関してどのような不安と期待を持っているのか?各主体の不安を小さくしつつ期待を大きくするような手法はないかをリスクマネジメントの視点に基づいて分析・検討する. 14. 物部川の環境経営(3)−環境経営とは:「環境経営」とは,地域の自然環境を総合的に経営することを目指す概念である.類似する考え方として、流域管理(Watershed Management)などの概念・手法を理解する.次に,物部川を対象として,経営の4つの機能:planning(計画), organizing(組織化), leading(動機付け), controlling(制御)に着目し,各機能が具体的にどのように実現されてきたかを理解する.最後に,物部川環境経営の将来像を検討する. 15. 第1講から第15講までのまとめ
【成績評価】 試験(40%),課題レポート(含出席状況)(60%)の結果を総合して評価する. 成績評価は以下のように行う。 ◆AA:特に優れた成績を示したもの ◆A :優れた成績を示したもの ◆B :良好と認められる成績を示したもの ◆C :合格と認められる成績を示したもの ◆F :不合格 【参考図書】 物部川漁業共同組合 「物部川 史上最悪の危機の克服をめざして」、2006 協働→参加のまちづくり市民研究会編「私のだいじな場所」第二版、 NPO法人市民活動情報センター・ハンズオン埼玉発行、2006 富山和子「環境問題とは何か」PHP新書
【留意事項】講義内容は変更することがあります。 |
授業の詳細4 |
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授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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