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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?大学院 共通科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 分子と人間 
担当教員 榎本 惠一,石本 美智,角 克宏,小廣 和哉,西脇 永敏 
対象学年 1年,2年  クラス 大学院:共通001 
講義室 B107  開講学期 1学期 
曜日・時限 水1  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 ◆担当教員名: 榎本恵一(E),角 克宏(S),小廣和哉 (K),石本美智(I),西脇永敏(N)
◆講義目的:技術系の学生向けに3部で構成したテーマについて講義し,幅広い科学技術への関心を高める.
◆講義の進め方:講義形式で行う.

◆講義目標:
地球上の生命の営みには,酸素(O2)や二酸化炭素(CO2) のような単純な分子から,複雑な生体内高分子(DNA) に至るまで,多様な分子が関わっている.さらに,近代科学の発展の中で,人工的に創りだされた合成高分子を初めとし,有機分子で構成される医薬品や農薬等の物質は,現代人の日常生活と切り離すことは出来ない.本講義では,これら様々な分子と人間の営みとの関係に焦点をあてる.特に,生体機能に携わる多彩な分子の役割についての理解を計り,人工合成された分子の有用性とその自然環境及び生体内環境への負荷性について考察する.
 
授業の詳細2 ◆講義計画:
【第1部】地球・生命とその分子

1.天然にある毒(N)
「合成した化合物は危険であり、天然の化合物は安全である」と思っている人が多い。しかし、実際には人工のものでも安全なものは多くあるし、天然のものでも危険であることが多い。そこで、本講では、天然にある毒を取り上げ、生物間でそれがどのように使われているのかを学習する。

2.光と生命 クロロフィル(S)
  光は地球上のすべての生命エネルギーの源である.その光エネルギーを化学エネルギーにかえる仕組み(光合成)をクロロフィルという分子にスポットを当てて議論する.また,この仕組みを人工的に模倣する試みについていくつかの例を学ぶ.

3.超臨界水を用いる環境新技術(K)
 水を加圧しながら加熱すると374℃,218気圧で臨界点に達する.この温度・圧力を超 えた領域に存在する水を超臨界水と呼び,通常の水とは非常に異なる,低極性,低粘 度,高浸透性,大きいイオン積などの物理的性質を示す.これらの特異な物性を巧みに応用する化学反応の例や,環境新技術について学習する.
 
授業の詳細3 【第2部】化学物質とそのリスク
4.環境化学物質とは(E)
  我々人間が意図してあるいは意図せずに作り出した化学物質が環境中に放出され,それが人間を含めた生物に長期的な影響を与えている.環境化学物質とその特徴について知る.

5.リスクアセスメント1:リスクの認識と定義(I)
リスクアセスメントとは, 物質の摂取量と危険性について暴露量を使って定量的に危険の度合い(リスク)を求めることである. リスクについての社会認識と科学的な基準を比較する.

6.リスクアセスメント2:リスクの定量化(I)
まず,物質の有害性の判定と摂取量の反応の査定について学ぶ. 次に,暴露量の査定と危険性の特徴について知る. 最後に,発癌性物質と非発癌性物質についてDose-response 査定の解説後,具体例について計算する.

7.リスクアセスメント3:リスクマネージメント(I)
リスクマネージメントの観点から,有機食品,健康食品,サプリメント,特定保健用食品,メラミン混入事件など食品中の化学物質のリスクについて学ぶ.
 
授業の詳細4 【第3部】分子とその性質
8.医薬の話(N)
これまでに数多くの医薬品が開発されており、市販されている。しかし、医薬品がどのように発見、開発されているのかは意外と知られていない。そこで、過去に開発された代表的な薬を取り上げ、その開発プロセスについて学習する。

9.一酸化窒素(NO)とその作用 (E)
  アルフレッド・ノーベルが発明したダイナマイトの原料であるニトログリセリンが狭心症の治療に有効であることはよく知られている.しかし,それが一酸化窒素を発生することによって効くことが明らかにされたのはつい近年のことである.生理活性物質としての一酸化窒素の発見とその作用について学ぶ.

10.高分子化合物と人間生活(S)
 天然高分子はすでに昔から食物・繊維などに利用されており,合成高分子は今や人間生活において極めて関係深い分子群の1つとなっている.いくつかの高分子を例に挙げ,その化学構造と性質の関係を知り,それがどのように人間生活に役立っているかについて理解する.
 
授業の詳細5 【第4部】21世紀の社会と分子
11.プラスチックの分別とリサイクル(K)
日々の生活はプラスチックの上に成り立っていると言っても過言ではない.一例として,生活に必要な,衣料,道具,住宅建材,自動車やコンピュータの部品,さらには人工臓器(コンタクトレンズ,眼内レンズ,腎臓,皮膚,血管)など,まさに「暮らしと命」を支えている素材である.これらのプラスチックが生活を便利に豊かにしたのは事実であるが,一方,大量に生産されるプラスチックがその安定性のため自然界では分解されにくくいつまでも環境中にとどまる,いわゆる,「環境問題」を引き起 こしていることも事実である.そこで,環境問題の第一歩として,1)プラスチックにはいろいろな種類があること,2)性質の差を利用して分別可能であることを学び,3)これらをもとに廃棄とリサイクルについて考えることを目的とする.

12.農薬の話(N)
合成化合物で環境に悪い、あるいは人体に悪い代表として挙げられるのが農薬である。それは農薬の歴史によるものであるが、今なお誤解されている場合の方が多い。そこで、農薬の安全性について述べるとともに環境について考える。

13.ポストゲノムの生命科学(E)
2000 年にヒトのゲノムDNAの全配列が決定されてから,それまで生命現象から分子へ,分子からDNAへと進められてきた研究の流れが180 度転回した. 個人のDNA情報からの診断や治療,ヒトの細胞を用いた再生医療などがその代表である.ポストゲノム時代の生命科学の流れを追う.

14.ナノテクノロジーの世界(S)
 ナノテクノロジーは21世紀のキーテクノロジーであり,エレクトロニクス,情報通信,バイオ,エネルギーなど,広範囲な分野での発展が期待されている.このうち,カーボンナノチューブ,フラーレン,デンドリマーなどのナノ物質に関する最新の研究を知る.

15.これまでの講義内容について理解度確認を行う。
 
授業の詳細6 ◆テキスト: 使用しない.
◆参考書: 『Molecules』,P.W. Atkins, W.H. (Freeman and Company)
『ほんとうの「食の安全」を考える』 畝山智香子 DOJIN 選書
◆成績評価: 出席(20点)と理解度確認(80点)を総合して評価する.理解度確認はノート及び配布資料の持込み可.
◆レポート課題:
◆ 備  考:
 
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