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タイトル「2012年度シラバス」、フォルダ「2012年度シラバス?大学院 専門領域科目
シラバスの詳細は以下となります。
科目名 実用金属材料学 
担当教員 門馬 義雄 
対象学年 1年,2年,3年  クラス 院:専門001 
講義室   開講学期 1学期 
曜日・時限 時間外  単位区分 選択 
授業形態 一般講義  単位数
準備事項  
備考  
授業の詳細1 講義の目的
金属材料は各種構造物や機器の部材として、古来から、広く用いられている。本講では鉄鋼及び非鉄金属合金について、その製造から利用を経て廃棄に至るプロセスを概観しながら、それぞれの金属材料の応用に必要とされている特性を化学組成や微細組織の制御により、どのように発現させているかを学ぶ。具体的な例としては、炭素鋼、鋳鉄、低合金鋼、ステンレス鋼、超合金、アルミニュウム合金、チタン合金などをとりあげ、それぞれの製造・加工・応用について述べる.また、金属材料の環境負荷評価に基づくエコマテリアルの視点からの研究開発の動向についても考察する.この講義は,実社会において,製造業における部材製造・材料開発や材料応用および関連する業種での活躍を目指す学生を対象としたものである.
 
授業の詳細2
講義の進め方
  
教員による解説と話題提供を中心とするが、一部、院生による金属材料のリサーチ・トピックスの紹介を含める.

達成目標
金属材料の利用に関する基本的な知識と技術的課題に関する視野の獲得.環境調和型材料技術の現状と展望.

  

 
授業の詳細3 講義計画
  
第1回 講義内容の俯瞰、金属材料の分類
    各種金属材料がどんな箇所にどの程度、 使用されているかや金属材料
のマテリアルフローなどを概説する.金属材料の種類とおおまかな特徴を
述べ、特性・コスト・入手性・環境負荷などの因子をどのようにして最適化
するかを学ぶ.
第2回 金属材料の基礎
    固溶体及び析出硬化合金の状態図、鉄-炭素系状態図から炭素鋼に
おける熱処理と相変態を中心に鉄鋼材料の特性を変化させる技術と
その材料科学的な背景を講義する. また鋼のリサイクル性質についても
言及する.
第3回 鉄鋼材料T−炭素鋼
    最も代表的な鉄鋼材料である炭素鋼の製法・特性を述べる.機械的
    な特性ばかりでなく対環境性や電磁気特性についても学ぶ.
第4回 鉄鋼材料U−低合金鋼
    炭素鋼をベースにNi, Cr, Mo などの合金元素を少量添加し、加工熱
    処理などにより、大幅に特性改善をはかった材料が低合金鋼である.
    このクラスの材料はエコマテリアルの観点からも優れている.
第5回 鉄鋼材料U−ステンレス鋼
    低炭素鋼にかなりの量の NiやCrを添加して耐蝕および耐熱性を大幅
    に向上させたものがステンレス鋼である.ファイルェライト系、オー
    ステナイト系および2相ステンレス鋼の製法と特性を学ぶ.
第6回 超合金
    ガスタービンやジェットエンジンの心臓部に使われてスーパー
    アロイは極限的な材料特性を発揮させるために、高度な材料プロセス
    により製造されている.高温で過酷な環境に耐えるのに必要な材料
    特性の発現メカニズムを考える. 
第7回 鋳物及び鋳造合金
    歴史的に人類が最初に利用した金属材料は鋳物であった.今日でも
    生産コストの面から鋳造合金が主役を閉めている分野がある.
第8回 金属材料の環境劣化(腐食防食)
    酸素や水素は金属の表面から内部に入り込み、化合物を生成して、
    材料特性を著しく劣化させることがある.そのメカニズムと対策に
    ついて学習する.
 
授業の詳細4 第9回 金属材料の溶接と溶接材料
    長大橋、高層ビル、圧力容器などの構造物は、溶接あるいは接合と
呼ばれる技術で組み立てられている.同種および異種の金属材料を
接合させるための技術と、そのために用いられている材料について学ぶ.
第10回 アルミニュウムとマグネシュウム合金
    軽金属と呼ばれる、これらの合金は微量の金属間化合物を析出分散
    させることにより劇的に強度を上昇させることができる.航空宇宙
    分野の基本材料として非金属系の複合材料と競合している.
第11回 チタン合金
    チタンは地球上に比較的大量に存在する金属で軽量、高強度の合金
    を作る.一般的には脆いチタン合金を成分調整と組織制御により、
    延性向上を目指している研究開発について解説する.
第12回 エネルギー分野の金属材料
    蓄電池、原子力、水素貯蔵(燃料電池)、地熱発電、風力発電などで
    利用されている金属材料の多様性を学ぶ.
第13回 先端金属材料
    対摩耗、彫塑性、形状記憶、超電導など、いわゆる先端材料の分野
    で活躍している金属材料の具体例を採り上げて、他の材料との対比
    を検討する. また、レアメタルと呼ばれる金属について、概説する。
第14回 金属材料のエコマテリアル性
    金属材料が鉱石から精錬・溶解・加工を経て実用に供された後に再利用・
    リサイクルされる課程を学ぶ.鉄鋼やアルミ合金のように、高度にリサイクル
されているものと、そうでない材料との違いを学ぶ.
第15回 期末試験

 
授業の詳細5 テキスト:使わない、プリントを随時配布

参考書: 
1) 西川精一「金属工学入門」、アグネ技術センター(2001)、
ISBN4-900041-92-0, \6,000
2) 「入門・金属材料の組織と性質―材料を生かす熱処理と組織制御」、
日本熱処理技術協会
3) 鈴木朝夫編「金属材料活用辞典」、産業調査会(2000)\29,800
4) 大和久重雄「鉄鋼材料選択のポイント」、日本規格協会(1992)
5) 高橋恒夫「新版 非鉄金属材料選択のポイント」、日本規格協会(1994)ISBN4-542-30363-2 \3,495
6) 田中良平編「ステンレス鋼の選び方・使い方」、日本規格協会(1994)ISBN4-542-30370-5, \4,500
7) 谷野 満・鈴木 茂「鉄鋼材料の科学」内田老鶴圃(2001)
ISBN4-7536-5615-2 \3,800
8) JISハンドブック鉄鋼TU、非鉄、熱処理、溶接など、日本規格協会
9) M. Ashby: Materials Selection in Mechanical Design, Fourth Edition, Butterworth-Heinemann (2010)

 
授業の詳細6 成績評価: 4回の課題(50%)と期末試験(50%)

履修上の注意:
履修前に下記のMatNaviの利用者登録を行うこと
MatNavi:  http://mits.nims.go.jp/
http://metallicmaterials.nims.go.jp/
 
授業の詳細7  
授業の詳細8  
授業の詳細9  
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