科目名 |
材料と加工 |
担当教員 |
大塚 幸男,竹内 彰敏 |
対象学年 |
1年,2年 |
クラス |
院:専門001 |
講義室 |
A112 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火5,金5 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的
機械の性能やコストは製造段階だけで決まるものではなく,設計段階で決まる部分が大きい.そこでは, 正しい材料の知識と高度な生産技術の理解が重要となる.すなわち、機械設計者自身が材料や加工プロセスの メリット、デメリットを十分に理解、把握し、それらを駆使して設計を進めることが、高性能、高付加価値、 低コストな新しい機械の創造につながる。
この講義の前半(担当:竹内彰敏)では,物質の構造や合金化,平衡状態と相変態等,材料物性に関わ る基礎的事項を学習する. 後半(担当:大塚幸男)は,高精度で高品質な加工技術の中でも,特に最近、自動車、航空機、電気機器等の 軽量化、大量生産等の有力な工法となっているダイカスト工法について学ぶ.
授業の進め方 前半は,まず,物質中の原子の結合や結晶構造の基礎と,そこでの原子の移動や合金化による強化法に ついて学び,次に,合金の複雑な状態図から分かる組織や材料特性について理解を深める.
後半は、ダイカスト工法について、まず、そのプロセスの概要、アルミニウム・マグネシウム合金等 の基礎知識を学ぶ、次に、その高精度高品質な薄肉ネットシェイプのダイカスト品を生産するための 金型設計、方案設計、熱流れ解析シミュレーション法について学ぶ。
授業の目標
1. 物質の構造や原子の拡散についての基礎知識を得る. 2. 結晶の欠陥と強さ,合金化による強化法につき学習する. 3. 平衡状態図の読み方ならびに相変態についての基礎を学ぶ. 4.アルミ合金の状態図やその材料特性について理解する. 4.ダイカスト工法に使われる材料や金型について基礎知識を習得する. 5.熱や流れの解析シミュレーション技術について理解する
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授業の詳細2 |
授業計画
1.物質の構造:どんな種類の原子がどのように配列しているか,すなわち物質の構造によってその 諸特性が決まる.原子間の結合の種類,結晶の構造,結晶に存在する欠陥について学ぶと共に,結晶 構造をとらない,非晶質についても学習する. 2.材料中の原子の拡散:例えば,銅の表面にニッケルをメッキして高温に長時間保持すると,ニッ ケル原子と銅原子が次第に混ざり合う.このような原子の流れが拡散であり,ここでは,拡散に対す るフックの法則や拡散係数,拡散の経路について学習する. 3.〜4.材料の強さと強化法:塑性変形に対する金属材料の抵抗を積極的に増加させれば,材料の 強度を増すことができる.ここでは,結晶の欠陥と強さ,合金化による強化法について学ぶ. 5.〜6.材料の平衡状態と相変化:合金の複雑な状態図が読めれば,合金組織が容易に想像でき, 材料特性との関連も理解し易くなる.ここでは,平衡状態と相律,平衡状態図について学ぶとともに, 自由エネルギーや相変化などの金属物理的な面にも少し踏み込んで学習する. 7.習熟度確認(前半) 8.予備日
9、自動車の材料と加工プロセスの基礎知識 @自動車の材料と軽量化について A各種加工プロセス(鋳造、鍛造、プレス、樹脂、機械加工、塗装、、) 10、鋳造プロセス @鋳鉄とアルミ材料について Aアルミダイカストプロセスについて 11、アルミ材料について @アルミ材料基礎(基礎、凝固、状態図、ミクロ組織、熱処理) Aアルミダイカスト製品について 12−13、プロセス解析シミュレーション @熱伝導解析の基礎 A凝固、流れのシミュレーション 14、アルミダイカストプロセスについて @最近の新技術(新製品、新プロセスの紹介) 真空ダイカスト法、半溶融・半凝固鋳造法など A軽量化自動車への将来展開 オールアルミ、ハイテンスチール、カーボンファイバー 15、習熟度確認(後半) |
授業の詳細3 |
成績評価
試験を受けた学生に対して,演習と試験を総合して次の基準で成績を評価する. 授業の目標の各項目を十分に達成し,基本的な技術課題を解決する力を身に付けている-----AA 授業の目標の各項目を十分に達成できている-----A 授業の目標のうち、1〜2項目ならびに4〜5項目についておおむね達成できている-----B 授業の目標のうち、1〜2項目ならびに4〜5項目について必要最低限の理解ができている-----C 上記のCの基準に到達できていない-----F
その他
テキスト:前後半とも授業資料は講義の際に配布する. 履修上の注意:履修前に学部の『形状創出加工学1』,『知能機械システムデザイン1』,『知能機械 システムデザイン2』,『材料・強度設計』を履修しておくことが望ましい. |
授業の詳細4 |
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授業の詳細5 |
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授業の詳細6 |
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授業の詳細7 |
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授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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