科目名 |
固体力学特論 |
担当教員 |
楠川 量啓,高坂 達郎 |
対象学年 |
1年,2年 |
クラス |
院:専門001 |
講義室 |
A112 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
月5,木5 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
授業の目的 機械や構造物の設計では固体力学をはじめとする種々の力学に関する知識が重要となる.本科目では固体力学をさらに深く理解することを目的とし,学部の固体力学では学ばなかった軸対称変形問題などの考え方を身につける.また,応力やひずみを一般的に考えることで線形弾性論の基礎について学ぶ.さらに,応力集中問題や塑性問題など,現実の設計で重要となる問題について学ぶ. |
授業の詳細2 |
授業の概要 キーワード:円筒,円板,軸対称曲げ,弾性論,降伏条件 前半では,はりの複雑な問題として非対称曲げを受けるはりおよび組合せはりを解説した後,内圧を受ける円筒や円板の曲げなど軸対称変形を受ける部材の応力や変形を考察する。後半では弾性体における応力とひずみをより一般的に捉え,これらの間に成り立つ関係を考察する。これにより平衡方程式,適合条件式,および構成式を導く。次に応力集中問題や簡単な応力状態での弾塑性変形,組合せ応力状態での降伏開始条件など破壊力学,塑性力学の基本事項について解説する。 |
授業の詳細3 |
達成目標 厚肉円筒および平板の応力解析における基本的考え方を理解する. 弾性体に関する平衡方程式,適合条件式,構成式を理解する. ひずみテンソル,応力テンソルの座標変換,および主応力・主ひずみについて理解する. 応力拡大係数の意味を理解する. 二軸応力下での降伏条件を求めることができる. |
授業の詳細4 |
授業計画 1.非対称曲げ 科目の概要を説明する。 はりにおいて曲げが生じる面が対称軸と一致しない,あるいは主軸まわり以外の曲げを受けるような場合を非対称曲げという。ここでは,曲げモーメントを成分に分解することで,前者の非対称曲げを考察する。 2.組合せはり 機械的性質の異なる材料を接合,一体化したはりを組合せはりという。鉄筋コンクリートはりなどはその典型例であるが,このような組合せはりにおける曲げ応力,ひずみ等について解説し,ひずみが連続,応力が不連続となる組合せはりの応力,たわみ計算を理解してもらう。 3−5.厚肉円筒 高い圧力が作用するパイプなどは厚肉円筒として解析することが必要となる。この場合,応力の分布は軸対称であるが円筒内部から外部に向かって変化する。このような厚肉円筒の応力計算方法を解説する。またその応用例として焼きばめの問題を解く。 6−7.円板の曲げ 平板に外力が作用する場合の応力解析は一般に容易ではないが,形状や外力が軸対称となる場合はある仮定のもと解析が簡単となる。その一例として軸対称曲げを受ける円板について解析方法を説明し,平板問題を取り扱うための基礎を学んでもらう。 |
授業の詳細5 |
8.応力 点で定義される応力について,成分を考えることで応力テンソルを導入する。応力ベクトルと応力テンソルの違いについて考え,微小要素についての釣り合いを考えることで応力の平衡方程式を導く。 9.応力の座標変換 応力テンソルの座標変換と主応力,応力不変量などについて学ぶ。 10.ひずみ 平面内での線分要素の変形からひずみを定義し,応力と同様にひずみ成分とひずみテンソル,ひずみの座標変換を考察する。さらに変位成分とひずみ成分の数が違うことから,対応性を保つために必要な拘束条件を考え,ひずみの適合条件式を導く。 11.構成方程式 応力成分とひずみ成分の間の一般的フックの法則である構成式を導く。また,異方性材料と等方性材料の違いについても学ぶ.さらに熱ひずみと機械ひずみの違いについて学ぶ. 12. 応力集中問題 円孔まわりやき裂近傍の応力集中問題を考え,応力集中係数と応力拡大係数の意味を学び,それらを考慮した設計方法について考える. 13.塑性範囲での応力とひずみ 金属材料が弾性限度を超えるような外力を受けると降伏が生じ塑性変形する。このような状況下での材料の力学的挙動として応力-ひずみ関係や,単純な引張り圧縮荷重下での不静定問題の弾塑性モデルなどを紹介する。 14.降伏開始条件 一般的な組合せ荷重下で,塑性変形が起こり始めるときの応力成分の満たす条件を降伏条件という。ここでは二軸応力下において降伏条件がどのように表されるかトレスカの条件とミーゼスの条件を解説する。 15.まとめ(14回の授業内容について習熟度を確認する) |
授業の詳細6 |
成績評価:課題提出物,期末試験の結果を次の基準で評価する. AA:講義した内容を踏まえて発展問題(応力とひずみのテンソル,平板など)が解ける. A :講義して内容を十分理解した上で,釣合いから各種問題(軸対称,複雑なはりなど)を解くことができる B:基本的な問題(降伏条件,非対称曲げ,主応力の導出など)が解ける. C:課題のほとんどを提出し,釣合い,塑性変形など基本的事項を理解している. |
授業の詳細7 |
参考書: 『標準 材料の力学』邉吾一,藤井透,川田宏行編(日刊工業新聞社,2001)ISBN 4-526-04719-8,\3,200 (学部「物体の変形」,「固体力学1・2」のテキスト) 『弾性力学』 村上敬宜 著 (養賢堂,1990)ISBN 4-8425-0121-9 『工業塑性力学』益田森治,室田忠雄 著(養賢堂,1980) ISBN 4-8425-0112-X |
授業の詳細8 |
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授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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