科目名 |
制御工学特論 |
担当教員 |
竹田 史章,岡 宏一 |
対象学年 |
1年,2年 |
クラス |
院:専門001 |
講義室 |
A112 |
開講学期 |
1学期 |
曜日・時限 |
火4,金4 |
単位区分 |
選択 |
授業形態 |
一般講義 |
単位数 |
2 |
準備事項 |
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備考 |
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授業の詳細1 |
「講義の目的」 1.前半の授業は学部で学んだ制御工学の授業の発展として制御系の設計と2自由度制御計について学ぶ。制御計の設計は、周波数応答に基づく設計法を学ぶ。周波数領域での制御指針がどのようなものかを理解した上で、それを実現するためのコントローラを決定できるようにする。また2自由度制御を学ぶことにより、フィードフォワードとフィードバックの役割を理解し、ロバスト制御につい ても学習する。 (キーワード:制御系設計、2自由度制御)
2.ロボットを含めたマシンの知能化制御を前提とし、各種センサ情報の知能情報処理の意義とそれに対応する種々の信号処理の基本的なアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワークなど)の習得を行い、ロボットの具体的な知能化制御ならびに自律化のための基礎知識・理解の習得を目的とする。また、これらを通じて従来の産業用ロボットに多く見られる単なるプレイバック動作と比較しながら、外界のセンサ情報を知的に処理したロボットの行動或いは動作精度を反映することの重要性も具体例を通じて修得する。 (キーワード:知能化制御、知能化アルゴリズム、知能ロボット、自律性) |
授業の詳細2 |
「講義の進め方」 前半では制御計を設計するための方法とロバスト制御を学ぶ。具体的には、PID補償、位相進み補償、位相遅れ補償、2自由度制御系の設計が行えるようにする。その概念と理論の理解度を高めるために、演習などを行うようにする。また設計を行うためにノートパソコンを利用する。 後半では、マシンの知能化のための各種データ処理およびアルゴリズムを基礎概念と応用事例を基に解説し、具体的事例としてロボットを題材とし、知能情報処理技術の基礎とマシンの自律性について言及する。特に、知能情報処理アルゴリズムとしては、ニューラルネットワークとする。 また、本講義は授業のスタイルで行なうが、理解度を高めるために、知能ロボットに関する写真やビデオや動画を多数使用する。前半を岡担当、後半を竹田担当とし、評価はそれぞれの講義の区切りで行うものとする。 |
授業の詳細3 |
「達成目標」 1.開ループ伝達関数の周波数応答と閉ループ伝達関数の関係を理解する。 2.PIDチューニングとは何をしているか、ループ整形とはとは何かを理解し、制御系を設計できる。 3.2自由度制御系の特徴を理解し、ロバスト制御の概念がわかる。 4.ニューラルネットワークによる学習の仕組みを理解し、ロボットへの導入の基礎理解が得られる。 5.ニューラルネットワークによるロボットの知能化・自律化のための基礎概念が得られる。 6.ニューラルネットワークの学習によるロボットの動特性時系列変動に対する適応性の効果を理解できる。 |
授業の詳細4 |
「授業計画」 1.レギュレータ問題とサーボ問題 レギュレータとサーボはどのような違うのかを説明し、閉ループ伝達関数に基づく性能について解説る。 2.PID補償による制御系設計 PID補償の有効性について説明し、PIDチューニング法による制御系の設計方法について学習する。 3.位相遅れ補償 ループ整形の概念ついて説明し、それに基づいた設計法として位相遅れ補償について解説する。具体的にどのように制御系を設計すればよいかについても学ぶ。 4.位相進み補償 位相進み補償について、その補償器の特徴について解説し、どのように設計すればよいかを学ぶ。 5.位相進みー遅れ補償 ループ整形の概念をもう一度復習し、その整形法をすべて含んだ位相進みー遅れ補償による制御系の設計方法について学ぶ。 6.2自由度制御系 2自由度制御系とはどのようなものかについて学習し、ロバスト制御の自由パラメータについて解説する。 7.前半の習熟度確認 60点(基本内容50点、 応用問題10点) |
授業の詳細5 |
8−9.ニューラルネットワークの基礎 ニューラルネットワークの動作原理を説明し、パターン認識、マシンコントロールに応用する際の基本的な考え方を解説する。また、ネットワーク構成方法のバラエティと各種構成法に関する長所・短所を解説し、マシンラーニングにおける収束の問題についても言及する。 10−11.バックプロパゲーション法に代表される学習アルゴリズムの紹介と確率的最急降下法による学習メカニズムについての基礎を解説する。また、ニューラルネットワークによるオンラインラーニングにおける手法の導入において注意するべき点についてマニュプレータタイプのロボットを対象にして言及する。 12.非線形特性が大きなウエイトを占める制御対象(人工筋肉、垂直多関節マニュプレータなど)に対しニューラルネットワークの非線形コントローラとしての優位性を述べると共に、これまでのニューラルネットワークによるロボット制御研究の歴史と現状について解説する。 13.実用事例 ロボットの視覚情報を例にとり、ニューラルネットワークによる学習システムのメカニズムと汎化能力による外界情報の変動に対するロバスト性を学習する。 14.後半の習熟度確認 60点(基本内容50点、 応用問題10点)
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授業の詳細6 |
「成績評価」 成績は前半、後半の成績を総合して下記のとおり評価する。 A A:100点以上 A: 80点以上99点以下 B: 70点以上79点以下 C: 60点以上69点以下
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授業の詳細7 |
◇テキスト 前半は教科書としては特に指定しないが,できるだけ参考書を1冊.
後半では適宜必要資料を配布する。
◇参 考 書 『フィードバック制御入門 システム制御工学シリーズ3』杉江俊治,藤田政之 著,(コロナ社, 1999) ISBN 4-339-03303-0
『新版 現代制御工学』土谷武士,江上正 著(産業図書株式会社,2000)ISBN:4782855486
『図解雑学ロボット』,新井建生(ナツメ社)ISBN4-8163-3916-7 \1350 ビデオ教材を使用する.
◇履修の前提となる科目: なし
◇事前に履修をしておくのが望ましい科目: 機械数学、メカトロニクス、人工知能入門 制御工学T、ロボット工学概論,コンピュータ制御 ◇同時に履修をすることを推奨する科目:なし |
授業の詳細8 |
「オフィスアワー」 水曜日2限、A474、連絡先:takedaft@pop.kochi-tech.ac.jp(竹田) 常時、A429、連絡先:oka.koichi@pop.kochi-tech.ac.jp(岡) |
授業の詳細9 |
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授業の詳細10 |
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