科学研究費補助金基盤研究(S)
「西アジア死海地溝帯におけるネアンデルタールと現生人類交替劇の総合的解明」
|

Page08

|
■研究計画(3)
旧人ネアンデルタールと新人ホモ・サピエンスの頭蓋・脳
[研究目的]
交替劇論争の最大の舞台のひとつ西アジア死海地溝帯にかつて生存していた旧人ネアンデルタール、新人の祖先プロト・ホモ・サピエンス、新人ホモ・サピエンスの化石人骨資料を用いて頭蓋の精密復元、同時に、かつてその中に存在した脳の仮想復元に取り組み、頭蓋・脳の形態特徴を定量化し、両者の頭蓋・脳の形態差を検証する方法理論の確立に取り組む。なお、当研究にはChristoph Zollikofer、Marcia Ponce de Leon、Yoel Rak、Erella Hoversが共同研究者として参画する。
[2005-2006年度計画]
1)化石人骨所在調査
測定化石資料の選定のために、西アジア・ヨーロッパ・ロシア・ウクライナ諸地域の旧人ネアンデルタール・新人ホモ・サピエンス出土遺跡を網羅的に調査考証し、資料の保存状態・年代・共伴遺物・研究バックグランド・所蔵機関等をデータベース化し、本研究課題に有用な資料を選定する。同作業結果は、本プロジェクトのひとつである「化石人骨データベース」の基礎データとなる。
2)測定化石人骨資料の選定
測定化石資料は、旧人ネアンデルタール:アムッド(イスラエル);ケバラ(イスラエル);デデリエ(シリア)、新人プロトクロマニョン:カフゼー(イスラエル)を予定し、条件の整った資料から随時現地で計測する。
3)化石頭蓋CT計測・データ処理・三次元復元・評価
上記化石資料の計測・データ処理・三次元復元に取り組む。データ処理は東京大学大学院理学系研究科人類学教室、同先端科学技術研究センターで行う。なお、平行してスイス、チューリッヒ大学のマルチメディア研究所においてもデータ処理・三次元復元を行い、復元結果の比較検討を実施する。復元結果の評価及び解釈については海外研究者、主として化石人類学者に評価を仰ぐ。
4)頭蓋・脳実体モデルの創成
復元される頭蓋・脳の三次元データを用いて光造形実体モデルを創成する。当作業は株式会社インクスで実施する。
|
|
高知工科大学・総合研究所 博物資源工学センター / 〒782-8502 高知県香美市土佐山田町宮ノ口185
Tel:0887-57-2760 Fax:0887-57-2777
© Mission PaleoX
|
|