Lesson2
自己PRとは
自分の魅力を印象的に表現し、自分を売り込むための効果的な自己PRを考えましょう。
1自己PRとは
モノを売り込むときのポイントは、商品の特徴とその商品を買うことで得られるメリットを伝えることだといわれています。自己PRも同様で、「商品の特徴=あなたのこれまでの成果」と「商品を買うメリット=入社後のあなたがどんな成果を挙げるか」という2点が不可欠です。エントリーから面接試験まで、就職活動において自分をアピ-ルするチャンスは何度もあります。このチャンスに自分らしさを売り込んでいくことを常に心掛けましょう。
2自分の強みをまとめる
自己分析をしっかりしたつもりでも、いざ自己PRをまとめようとすると、うまくいかないものです。下記のポイントに留意して、自分らしい自己PRになるようまとめましょう。
1具体的なエピソードを持ち出そう
単に「責任感がある」というだけでは説得力がないばかりか、ほかの学生との差別化も図れません。自分のPRポイントを裏付けるエピソードを用意し、「実際にあなたがとった行動」について具体的にまとめましょう。
最近の採用選考の場では、「入社後に何ができそうか」よりも「学生時代、実際に何をしてきたか」という実績を重視する傾向が強くなっています。
2話の核を絞ろう
OB・OG訪問、エントリーシート、面接など、さまざまな局面で自己PRが求められますが、いずれの場合でも話の核をつくることが大切です。自分を良く見せようと欲張って、PRポイントを盛り込みすぎたり、オーバーに表現したりすると、あまり良い評価につながりません。それよりも、何か一つキラリと光るものに絞って話を展開したほうが、確実に相手に伝わり、印象に残るものです。
3志望企業の求める人材像につなげよう
志望業界や志望企業に応じて自己PRを変えることも必要です。その企業の求める人材像や募集職種と自分のPRポイントとを、うまくつなげるようにまとめましょう。ただし、企業の求める人材像に無理に合わせようとして偽りの自分をPRするのは考えものです。たとえそのまま内定をもらっても、入社後のミスマッチにより早期退職につながることにもなりかねません。
4自分自身の言葉で表現しよう
大きな声で「これだ」といえるPRポイントがないと思う場合は、表現の仕方やまとめ方を工夫します。例えば、何か目を引くキャッチフレーズのようなものを自己PRの中に組み入れるなど、自分自身の言葉で自分の長所、強みを表現するようにしましょう。
マニュアルどおりではない表現をすることが印象に残り、個性ある自己PRにつながります。
3自分の「売り込み方」は
自分で見つける
あなたという人はあなた以外のほかの誰でもありません。自分にしかできない「売り込み方」がきっとあります。そのために、まず自分を知ること、そして企業を知ることが大切です。自分のどのような点が売り込めるのかを考えましょう。さらに、志望する就職先によって、その売り込み方を変える必要があります。例えば、「さわやかで明るい」という長所も、自分自身のエピソ-ドを通じて伝えるのか、好きな言葉やモット-を言うことで理解してもらうのか、志望企業の職種や事業内容にどう生かせるかを語るのか…など、表現はさまざま。一言で魅力といっても、その表現方法はたくさんあるのです。
自己PR
の例
私のアピールポイントは二つあります。
一つ目は向上心です。私は中学時代からテニスをやっていました。高校入学時は、よりレベルの高いライバルと競い合うことで自分の技術と能力を向上させたいと考え、全国優勝を目指している高校のテニス部に入部しました。入部してからは、放課後の4時から6時までの合同練習に加えて、夜8時までの自主練習を課し、自分の限界に挑戦してきました。その結果、個人の部では全国ベスト8まで上りつめることができました。優勝とまではいきませんでしたが、その技術と経験が認められ、現在では所属しているテニスクラブで小学生相手にコーチをしています。
もう一つはチームワークを大事にしていることです。現在コーチをしているテニスクラブは500名を超える組織です。500名もの大きな組織で、強いチームをつくるためには、チームワークが非常に重要です。私はコーチと子どもの関係はもちろん、コーチと保護者が協力し合える関係も必要だと思っています。具体的には、コーチの仲間に呼びかけ、指導方針を手紙にして月に一度配布したり、保護者対象の懇親会を開いたりするなどして、日ごろからコミュニケーションを取れる機会をつくりました。自分たちの考え方をいろいろな方法で何度も伝え続けることにより、徐々に保護者の方々にご理解を頂けるようになり、練習後に子どもと一緒になってコート整備をしてくれるなど、協力的な良い雰囲気のチームづくりができました。
面接官から一言アドバイス
自分のPRポイントについて、複数である必要はありませんが、具体的なエピソードを交えて分かりやすく表現されています。コーチという役割の中で、常に目的意識を持って行動し、結果を残してきたことが、相手に伝わります。この経験を今後にどう生かしていくかということが盛り込めると、さらに内容が充実します。実際にあなたがとった行動をより深く掘り下げておくと、質疑応答のときに落ち着いて答えられます。

Check Point
偽りの自分はすぐ見抜かれる
自分を本当の自分以上に見せるために嘘をついても、何もプラスにはなりません。面接官はあなたの話す内容の説得力と真実味を見ています。面接官は一日に何十人もの学生を相手にしている「人を見る」プロですから、あなたがついた嘘や、その場限りの対応などはすぐに見抜かれてしまいます。質問の内容が分からなければ、素直に分からないことを伝えましょう。自己PRをするときも、今の自分の長所と短所を見極め、自分自身の言葉を使ってあなたらしさを出すようにしましょう。
