Lesson24

エントリーシートの
書き方

自分をうまくプレゼンテーションできるシートを作成しましょう。

1エントリーシートを書くうえでのポイント

エントリーシートで出題される質問は、大きく6つのテーマに分かれます。

自己PR・学生生活

  • ●あなたの強みを具体的なエピソードを挙げて説明してください。
  • ●学生生活の中で、あなたが最も力を入れたこと、またそこから得たものについて記入してください。
  • ●最も伝えたい一つの事柄に絞り込んで書く。
  • ●抽象的な表現を避け、具体例を挙げながら表現する。
  • ●理由付けをしっかりして論理的に書く。

志望動機

  • ●当社を志望される理由についてお書きください。
  • ●当社でチャレンジしてみたいことをお書きください。
  • ●希望職種とその理由、またやってみたいことをお書きください。
  • ●業界だけでなく、志望企業についてしっかり研究しているということをアピールする。
  • ●「やってみたいこと」は、できるだけ具体的に書く。

企業とのマッチング

  • ●当社の求める人材像は「○○を持った人」です。あなたが○○を発揮したエピソードを教えてください。
  • ●今まで学んできたことを、当社でどのように生かしたいと考えていますか。
  • ●志望企業がどのような人材を求めているのかを把握しておく。
  • ●志望企業の事業内容・仕事内容にうまく関連付けるように書く。

職業観・価値観

  • ●あなたにとって「働く」とはどういうことか教えてください。
  • ●10年後の「ありたい自分」「なりたい自分」についてお書きください。
  • ●自分の職業観・価値観を、うまく志望企業に結び付けるように書く。
  • ●将来に対してやる気や意欲が感じられる文面にする。

学業

  • ●ゼミ・研究室での取り組みとその成果について、教えてください。
  • ●志望企業の事業内容・仕事内容との関連性を念頭に置いて書く。

課題・提案

  • ●当社商品を一つ挙げ、その強みと課題を書いてください。
  • ●当社の○○事業における新商品(サービス)を提案してください。
  • ●志望企業が置かれている環境をよく踏まえて書く。
  • ●オリジナリティーの感じられる内容にする。

2上手にまとめるために

いざ書き始めてみると、思ったよりもうまくまとまらなくて困ってしまうこともあるでしょう。そんなときは、下記のチェック項目を確認したうえで再度組み立て直してみてください。

Check1

文章が散漫になっていませんか?

話の要点を一つに絞る。

あれもこれもと欲張りすぎて、いろいろな要素を盛り込んではいませんか? 結局どれも中途半端にしか伝わらないということになると台無しです。限られたスペースで読み手に強く印象付けるには、話の要点を一つに絞って文章を組み立てたほうがよいでしょう。

Check2

文章に説得力はありますか?

具体的な話を盛り込む。

説得力がないのは、読み手に実感をもって伝わらないからです。抽象的な言葉(「多くの」「さまざまな」「つらい」「積極的に」など)ばかりを並べても真実味がありません。訴えたいポイントを証明する具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。

※数字や客観的な評価を盛り込むと説得力のある具体的な文章になります。

1,000名の集客を目指して、3カ月間も準備しました。結果は800名でしたが、学生主催のイベントとしてはこれまでで最大の集客数でした。

×たくさんのお客さまを呼べるよう、積極的に働きかけました。

Check3

特別な「何か」を求めていませんか?

あなたらしさを表現する。

人とは違う特別な経験が必要だと思っていませんか? 大切なのは「何をやったか」ではなく、あなた自身の意思や価値観、興味、能力を伝えることです。エピソードはそのための道具にすぎません。うまくまとめられない場合は、エピソードを次の6つの視点でまとめるとよいでしょう。

①何をやったか ②なぜそうしたか ③どのように取り組んだか ④結果(評価)はどうだったか ⑤学んだものや得たものは何か ⑥この経験を今後にどう生かすか

Check4

読み手の関心を引くキーワードがありますか?

面接の材料という前提で書く。

多くの企業の場合、エントリーシートをもとに面接を進めていきます。採用担当者が「これについて面接で聞きたい」と思うようなキーワードを入れておくと、「一度会ってみたい」という気持ちにもつながります。最も訴えたい事柄は、表現にひと工夫して、読み手に興味を持ってもらえるよう心掛けましょう。

Check5

シート全体でまとまっていますか?

トータルに見て仕上げる。

一つひとつの質問に対する答えをまとめたら、一度全体を通して読み返してみましょう。そこで、あなたという人格がイメージとして浮かんでくるようならよいでしょう。質問の回答内容によって食い違いがあったり、考えに一貫性がなかったりすると、自己分析不足やつくりごとの回答と思われてしまいます。

Check Point

Message from JINJI

企業はここをチェックしている

エントリーシートのチェック方法は企業によって多少異なるでしょうが、当社の場合は、主に下記のような点に留意して読んでいます。【流通・人事】

〈全体〉

  • ・回答項目に抜けがないか(注意力を見る)。
  • ・文字が丁寧に書けているか(上手かどうかではない)。
  • ・誤字脱字がないか(基本的な姿勢)。

〈自己PR〉

  • ・単に事象を述べているだけでなく、ちゃんとPRになっているか。
  • ・その人らしさ、個性を感じさせる内容か。

〈志望動機〉

  • ・業界への志望動機だけでなく、当社への志望動機になっているか。
  • ・業界、当社をよく研究できているか。

〈何がしたいか〉

  • ・無難にまとまっているものよりも、想像力や発想力を感じさせるものを評価。
  • ・業界研究、企業研究がしっかり生かせているか。

〈文字量〉

  • ・制限文字数に収まっているか。
  • ・制限文字数の9割以上の記入があるか(少なすぎると熱意が感じられない)。

Message from OB・OG

提出前に他人の目でチェック

エントリーシートは全部で12社ほど提出しました。すべて提出前に先輩や親に読んでもらい、悪いところを修正していきました。

自分ではどんなによく書けたつもりでも、いざ他人が読むと、考えもしなかった視点から悪いところを指摘されます。そこを修正していく作業は、単に文章の組み立てを変えるということではなく、自己分析までさかのぼることになります。そうすることで、自己分析もより深く掘り下げることができました。

皆さん、選考過程で相手にするのは、もちろん自分自身ではなく他人です。自分一人で納得しているのではなく、事前に他人の意見に耳を傾け、修正すべきところは修正したうえで本番に臨むようにしてください。

3エントリーシートを書く

実際にエントリーシートを書くにあたっては次のような点に注意しましょう。またシートをコピーしたものに下書きをし、ほかの人に読んでもらって悪いところを直してから清書するようにしましょう。

良い例

注意事項

  • 読みやすい字でていねいに書く。
  • わかりやすく整理して書くとともに、カッコ内で詳しく説明すると良い。
  • 何か一つ、目標に向かってやってきたことを示すようにする。また、ありがちなテーマで書く場合は、表現を工夫することで目新しく感じさせるようにする。
  • 読み手に「おっ?」と思わせるような、オリジナリティの感じられる言葉を入れておくと、読んでいて印象に残るし、「面接で聞いてみたい」という気にさせる。
  • 強調したいフレーズは、「 」でくくる。
  • 数字など具体性のある情報を入れると、より説得力が出る。
  • その経験のなかから、何を学んだかを書く。
  • 結論を最初に述べることで、論旨が明確になる。
  • 必ずセールスポイントを裏付ける具体的なエピソードを書く。それが相手の共感を呼ぶ。
  • 成果にあたる記述を忘れない。
  • 最後は社会人になってからのことに関連づけるといい。
  • 質問項目と回答内容によっては、箇条書きでまとめた方がわかりやすい場合もある。
  • 自分のセールスポイントを適性としてアピールする

悪い例

注意事項

  • 記載漏れの項目がないように。
  • ただ列記するだけでは読み手側に与える印象も薄い。
  • この出題に対する回答で最も多いのがアルバイトをテーマにしたもの。他の学生と差別化するためには、個性的なエピソードを盛り込むべき。
  • 誤字・脱字は厳禁。よく見直すとともに、少しでも怪しいと思った漢字は辞書で確認すること。
  • 「バイト」ではなく「アルバイト」と書く。
  • ひとつのセンテンスは短めに。長すぎると文意がうまく伝わらないし、表現力もないと判断される。
  • どう工夫したのか、その中身が書かれていないため、読み手に臨場感をもって伝わらない。具体的なエピソードを入れるようにすれば、説得力が増す。
  • 抽象的な表現は表面的に感じられる。また、得たものをいくつも列挙するのは、よほど説得力のある論旨を展開しない限りやめた方がいい。すべてが中途半端にしか伝わらない。
  • 強引に入社後の業務と結びつけない。
  • 考え方によってはマイナス要素を含んでいるとも言えるセールスポイントの場合は、そのマイナス要素を跳ね返してプラス要素を強く主張する論旨が必要。テーマ選びは慎重に。
  • 「私(わたし)的・僕的」「とか・みたいな」「~系」などの表現は使わない。
  • 文末が前文と同じで重複した表現となっている。
  • 結論が、書き出しのセールスポイントとずれている。しっかりと自己分析をし、その成果をエントリーシートに出すようにしよう。
  • 前置きが長い。文章の組み立て方を工夫することで、読み手への伝わり方に大きな違いが出る。
  • エントリーシート全体を通して、「です・ます」もしくは「だ・である」のいずれかで統一。混在させない。
  • 中途半端に話を広げるのは散漫な印象を与え、結局、話の核が見えなくなることもあるので注意。
  • 結論が、出された質問の回答になっていない。
  • どこの会社でも通用するような表現は、マニュアル本を受け売りしている印象を与えるため避ける。また、会社案内パンフレットに載っている内容をそのまま引用するのも良くない。あくまでも自分の言葉で書くこと。
  • 「力を入れたこと」や「企業選択の重視点」の回答内容と、合致していない。自己分析の結果を、企業研究や志望動機とうまく結びつけられていないのが原因。

Check Point

Check Point 1

面接で聞かれても大丈夫か

企業側はエントリーシートをもとに面接を行います。記載内容について突っ込んだ質問をされても答えられるようにしておきましょう。マニュアル本の引用や過度の誇張など、追及されて返答に困るような書き方は禁物です。

Check Point 2

まとまった時間をとろう

エントリーシートの記入には思った以上に時間がかかるものです。ひとつの質問に対して数時間も悩んでしまうこともあります。「この日はエントリーシートを書く日」とあらかじめ決めて、まとまった時間のなかで集中して書くようにしましょう。

Check Point 3

こんな質問もあるう

エントリーシートは企業が独自に作成しているため、例で挙げている以外にもさまざまな質問が出されます。過去に出題されたものをまとめましたので、参考にしてください。

  • ・あなた自身にキャッチフレーズをつけてください。
  • ・当社の商品である○○の新しい商品名を考えてください。
  • ・あなたを自由に表現してください(A4判1枚分スペース)。
  • ・小中学生の頃、周りの仲間や先生とあなたの関係は、どのようなものでしたか。
  • ・これまでの経験で一番の失敗は何ですか?それをどうやって克服しましたか。
  • ・下の空白を真っ白なキャンバスだと考え、入社後やってみたいことやあなたの夢など、自由に描いてください。
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