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情報学群

任教授

准教授
任 向實
REN,Xiangshi

あのビル・ゲイツ氏が期待を寄せる新技術

 任向實先生の研究室。学生がペンを持ち、タブレットコンピュータの前に座っている。「これが、私たちが開発している新しいペン入力のシステムです」と任先生。ペン入力は、パソコンと人とをつなぐ、いわゆるヒューマンインタフェースのツールとしては、ごく一般的なものだ。一体どこが画期的なのか?

 学生がペンでグルグルと右回りの渦巻きを書く。すると画面がどんどん下にスクロールする。微妙にペン先を動かすと、画面上のある対象から別の対象に、まるでレーザービームのように矢印が移動し、つかまえたい対象を指定する。マウスを使った操作で言えば、マウスを手で数センチ移動させ、つかまえたい対象の上に矢印を合わせてクリックし「指定」するという作業を、ほんのわずかな指先の動きで行えるのだ。

 「現在、パソコンのインタフェースとして使われているペン入力は、マウスのシステムをそのままペンに移行させただけのものです。私は、ペンというツールの特性を生かし、これまでにない、新しいインタフェースの仕組みを構築したい、と考えているのです」。ビル・ゲイツ氏のマイクロソフト社が最も力を入れている次世代戦略の柱の一つ、「これまでにないペン入力のシステムで、パソコンをもっと簡単に使いこなせるようにする」というプロジェクトの一翼を任先生たちが担っているのだ。

ユビキタス時代を実現するための中核技術

 「実は、ペン1本で全操作できるパソコンは昔からの夢でした」と任先生は言う。「1945年、情報工学の巨人の一人であるアメリカのバナーバー・ブッシュ教授が提唱したパーソナルコンピュータのイメージは、ペンとノートを使うように、人がコンピュータを操作するというものでした。ところが、その後技術が進み、パーソナルコンピュータが現実のものとなる段階で入力システムとして採用されたのは、マウスでした。でも実はマウスの発明者、エンゲルバート博士も、当初はペンタブレットを採用したいと考えていたのです。ペンでものを書く、というやり方は、人類が長年慣れ親しんできたものですからね。しかし、当時のコンピュータの脆弱(ぜいじゃく)な処理能力では、ペンによる繊細な(情報量の多い)入力システムに対応できなかったのです」。

 ここ数年で、すっかり市民権を得た「ユビキタス」という言葉。ユビキタス・コンピューティングの本質は、一般的に思われているような、情報家電が身の回りにあふれるようになることではなく、コンピュータと人との垣根が消え、人が、コンピュータを操作しているのを意識しないこと、つまり、限りなくコンピュータが人の意識から消えてしまうことだ、と任先生は言う。

 「今はまだ、コンピュータを使うために、キータイプの練習をしなければなりません。練習など不要、まるで、紙と鉛筆でメモをとったり考えをまとめたりするように、コンピュータ操作を全く意識しないでタスク(仕事)に専念できるようにすること。これが実現してはじめて、本当のユビキタス社会がやってくる、と私は思うのです」。

コンピュータ小史

1946年/ペンシルバニア大学で世界最初のコンピュータENIAC(エニアック)が完成。1952年/IBM社が初の商用のプログラム内蔵式コンピュータIBM701を発売。1975年/ビル・ ゲイツがMicrosoft社を設立。1977年/アップルコンピュータ社が、パーソナルコンピュータAppleIIを発売。1991年/リーナス・トーバルズがLinuxを発表。最初のWebサイトがCERNによって開設される。1995年/マイクロソフト社がWindows95を発売。1997年/チェス専用スーパーコンピュータディープ・ブルーがチェス世界チャンピオンガルリ・カスパロフに勝利。

 

 
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