Lesson28
筆記試験・適性検査
一般常識や論作文などの勉強も怠りなく。貴重な選考資料です。
1筆記試験の現状
筆記試験は、採用選考を行う企業のほぼ100%で実施されます。ペーパーテストだけでなく、Webを利用したテストもあります。企業が試験を課す目的としては、学生が一定のレベルに到達しているか判断するための資料、また面接時の基礎資料にされます。特に人気企業では、エントリーシートとともに筆記試験が大量の応募者を効率的に選考する材料として使われています。
2筆記試験の分類と種類
検査の種類 | 検査の内容と対策 |
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能力適性検査 | 論理的思考力や数量的処理力が備わっているかを判断するための検査で、主に国語のような言語系能力と、数学や理科のような非言語系能力の2分野から構成されています。代表的なものとしては、SPI3や玉手箱があります。 中学レベルの難易度ですが、短時間に大量の問題を解かなければならず、一問あたりにかけられる時間は限られています。また、SPI3や玉手箱の他にも様々な種類があり、その種類ごとに出題傾向が異なります。対策本などを利用して、問題に慣れておくことが大切です。 |
知識検査 | 社会人としての見識があるかどうかを判断される検査であり、国語、数学、英語、社会などあらゆる分野から出題されます。種類として一般常識、時事問題、専門知識(英語、情報処理など)があり、その企業が独自に作成しているケースが多く見られます。この検査は業界ごとの特徴がよく出る傾向があります。 |
職適性検査 | 組織への適応力や、性格からくる行動パターン、やる気の有無、性格の傾向など、仕事に対する性格上の適性や態度・興味を見るものです。内田クレペリン検査、玉手箱(OPQ)などがあります。 職適性検査は、「どう答えれば、得点が高くなるのか」を考慮して回答するものではありません。また、その評価は企業によっても職種によっても異なります。自分と仕事のミスマッチを避ける意味でも、ありのままの自分で、素直に回答するようにしましょう。 |
3筆記試験の対策
能力適性検査は中学レベルの国語、数学、理科の問題を解ける力があれば十分こなせますが、応用力や限られた時間内での解答が求められますので、問題集などで解き方のこつを身に付けておくとよいでしょう。また、日ごろから新聞を読む習慣を付け、社会で話題になっていることは何かなど、絶えずアンテナを張り巡らすことも重要です。特に、志望業界に関係する記事などについては論作文で出題されることがあります。文章として記述できなければならないのは当然ですが、口頭でも伝えられるよう準備しておきましょう。

4適性検査の種類
適性検査の目的は、職務・業務に関する遂行能力や、興味、性格的な適応性を推し量ることです。応募者が持つ内面的な能力や性格を的確に把握しながら、採用後の配属部署を決めるときの基礎資料とされます。SPI3(Synthetic Personality Inventory)は、全国で多くの企業が導入しており、採用試験で出合う可能性が高い適性検査です。そのほか、「YG(矢田部-ギルフォード)性格検査」、「内田クレペリン検査」、「玉手箱(OPQ)」などがあります。

SPI3
基礎能力検査と性格タイプ検査があり、基礎能力と性格適性を評価
YG性格検査:質問紙法
120の質問項目に答えさせ、神経質・劣等感・活動性など12の性格特性を表示
内田クレペリン検査:作業検査法
一定時間、連続的な加算作業を課し、作業経過と結果から性格適性を診断
※質問紙法……多くの質問項目を与え、結果を統計的に処理、性格を測定する方法
※作業検査法…具体的な作業を与え、作業経過や結果から性格を測定する方法
玉手箱(OPQ):Web回答
1つの設問に4つの選択肢があり、その中から最も近いものと最も遠いものを選ぶ形式
●社会の変化に合わせ、新たな検査が開発されている
社会状況の変化やグローバル化等により、企業活動の現場は複雑化しています。こうした中、潜在的な特性を把握し、その職務適性を探るにあたり、「ストレス耐性」に注目する企業が増えています。
●適性検査には、慣れが一番
客観的な評価として使われている適性検査は、難易度は高くないものの、量の多さと制限時間の短さで冷静さを失うことが多いようです。これもまた企業側の狙いで、冷静さを失うような状況下での基礎能力の有無を見ているのです。事前に問題集で慣れておきましょう。
●面接時の大事な資料
適性検査には素直に感じたままを回答すること。検査のときに自分を偽ったり優秀に見せようとしても、面接時にガラッと印象が違うとマイナス材料になります。
Check Point
筆記試験の受験形式
筆記試験の受験形式には、主に3つのタイプがあります。
1つ目は従来どおりの企業で受けるタイプです。基本的にペーパーテストで内容はその企業独自のものが多く、遠隔地の受験生などは一次面接と同時に受けることもあります。
2つ目は最近増えてきた、パソコンを介してWeb上で受けるタイプ。エントリーした企業から送られてくるIDを使って自宅で受けるタイプの試験です。
3つ目がテストセンターで受けるタイプ。全国に何カ所かある特定の会場でパソコンを使用して行われます。試験の内容は業者によって作成された共通のものですので、一度受ければほかの企業にも同じ結果を送信することができます。
日程は予約制ですが、受験できる期限があらかじめ決められているため、エントリーシートの提出などが遅れると受験できる日にちが限られてきますので注意しましょう。