Lesson11

業界を研究しよう

志望業界を絞り込む前に、いろいろな業界を幅広く研究しましょう。

1業界研究・企業研究の
進め方

(1)あなたは何に関心があるのかを再確認しよう

業界研究を始める前に必要となるのが「あなたは何に関心があるのか」ということ。これは自己分析の結果から導き出すものです。まずは、あなたが関心を持っているモノ・コトに関連する業界から研究をスタートするとよいでしょう。

(2)産業界における業界のポジションを知ろう

例えば「環境関連志望」「食品関連志望」などと一口にいっても、そこにはたくさんの業界・企業が含まれることになります。産業界全体のモノやお金の流れをつかみ、その中で自分の関心ある業界がどういったポジションにあるのかをしっかり把握することが大切です。

食品関連を志望する希望香奈江の場合

Point

食品に関係する仕事に就きたいと思っていても、「食品」というモノの流れのどこに携わるかで業界も変わってきます。

それぞれの違いをしっかりつかんで自分の求めている仕事がどこにあるかを見極めましょう。

(3)業界における企業のポジションを知ろう

一つの業界の中にも、たくさんの企業があります。それぞれの企業の得意分野、シェア、規模、つながり、歴史などを比較しながら、業界における企業のポジションを分析しましょう。その結果から、より自分に合った企業がどこなのかが見えてくるはずです。

(4)その業界の「これまで」と「これから」を知ろう

産業界は常に動いています。今現在の姿だけを見ていては先が見えてきません。市場規模、業界内トップ企業の変遷、他業界からの参入など、その業界が過去5 ~ 10年間どのように動いてきたのかを調べましょう。そのうえで、これから先どのような展望が持てるかを考えてみましょう。

(5)業界以外の軸から企業研究をしてみよう

「業界」も、企業を絞る一つの軸にすぎません。ほかにも企業を絞る軸はたくさんあります。もしもあなたが「人柄で勝負する営業」という仕事に関心があるなら、業界を問わず、その軸で企業を探していけばいいのです。ただやみくもに企業を当たるのではなく、自分なりの軸を持つようにしましょう。

2どんな業界があるのか

業界の分類方法はいろいろありますが、一例として下記にまとめてみましたので、これを参考に産業界全体の業界分布をイメージしてください。最近では、業界の垣根を超えた相互参入が激しいので、視野を広く持って企業を見ていくようにしましょう。

メーカー 建設系 建設・プラントエンジニアリング・住宅
素材系 紙・パルプ・化学・ゴム・ガラス・セメント・セラミックス・鉄鋼・非鉄金属・金属製品
機械系 機械・電子・電機・自動車・輸送用機器・精密機器・医療用機器
生活系 水産・食品・医薬品・医療関連・化粧品・文具・事務機・楽器・スポーツ・ゲーム・アミューズメント機器
その他 農業・林業・鉱業・印刷・パッケージ・建材
商社 総合商社・専門商社
流通 百貨店・チェーンストア・生協・専門店
金融 銀行・信用金庫・労働金庫・信用組合・信販・クレジット・ファイナンス・ベンチャーキャピタル・事業者金融・消費者金融・リース・レンタル・保険・証券・投資信託・投資顧問・商品先物取引
情報・通信 情報処理・ソフトウエア・通信・マスコミ
サービス フードサービス・ホテル・旅行・レジャー・各種サービス・調査・コンサルタント・教育・運輸・倉庫・エネルギー・不動産
官公庁ほか 官公庁・農協・その他団体

3身近な人に取材をする

業界研究のための情報源は、身の回りにもあるものです。身近な人に取材してみましょう。社会におけるその業界の役割、業界におけるその企業のポジション、あるいは取引先業界についてなど、実際にそこに身を置いている人から、生の情報を入手することができます。本音で話してもらえるでしょうから、企業の人事担当者には直接聞けないようなことも含め、何でも質問してみましょう。またこうした、マスメディアからは得られない生きた情報は、志望動機に盛り込むことで、ほかの学生との差別化にもつながります。

取材のポイント

  • その業界の現状と将来性
  • その業界の課題
  • その企業の事業内容
  • 業界におけるその企業のポジション
  • 入社動機
  • 現在の職種と仕事内容
  • 仕事のやりがい
  • これからの夢
  • その企業の良いところと悪いところ

Check Point

B to B(Business to Business)の
業界・企業に注目しよう

企業を対象とした取引を行うビジネスを、B to B(Business to Business)と呼び、最終消費者を対象とするビジネスをB to C(Business to Consumer)と呼びます。学生の皆さんが日常生活やCM等で知っている企業は圧倒的にB to Cですが、B to Bの企業は素材や部品、システムやサービスなど非常に幅広く、実は身近な製品に深く関係しています。

日本の技術力は世界でも非常に優れているといわれていますが、この技術力を支えているのが、素材や部品をはじめとする生産財や産業財、つまり、B to Bの業界なのです。B to Bの業界には、学生の皆さんにとって知名度は低くても、世界に誇れる優良企業がたくさんあります。学生同士の浅薄な知識で判断せず、B to Bの業界をしっかりと研究し、積極的に応募してみましょう。

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