Lesson12

企業を研究しよう

勤務条件や社風は、企業選びの重要なポイントです。
自分に合った企業を見つけましょう。

1企業のさまざまな「顔」を知る

企業の情報を得ることは、その企業が自分に合うかどうかの判断をするだけでなく、複数の企業を比較検討する際の材料にもなります。

沿革を調べると、その企業のことだけでなく、業界の成り立ちなども分かります。また、経営者の考え方には、その企業の価値観が色濃く反映されます。人間と同じように企業にもいろいろな顔があります。事業としての顔、働く場としての顔。これらを知ることで、企業を総合的に見ることができ、より正確な判断をすることができるのです。

事業での顔は企業のホームページや会社案内、『日経会社情報』、『会社四季報』などから調べることができます。OB・OG訪問や会社説明会などでは、働く場としての顔を知ることができます。どちらの顔を調べるにしても、自ら積極的に動き、自分にとって必要な情報が何かを把握することが大切です。

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経営理念

事業を展開していくうえで基本となる考え方のこと。この経営理念に共感できなければ、企業の進む方向性と自分の価値観が合わないというミスマッチを招く可能性があります。

事業内容

企業というものは多くの事業を手掛けているものです。その中でも、どれが中核事業なのか確認しておきましょう。また、各企業の売上高とそれぞれの事業が占めている割合も把握しておきましょう。

沿革

企業の成長過程を確認することができます。どの時期にどの分野に力を注いで現在に至るのか、企業の歴史を知ることで、今後の事業の方向性を探ることも可能です。

社員数

社員数と表示されている場合は、正社員数を指していますが、従業員数の場合は契約社員やアルバイトを含んでいることもあります。男女比や平均年齢も調べておくとよいでしょう。

2給与と条件の見方

給与の総支給額には、基本給にプラスしてさまざまな手当が含まれています。企業によって呼称は異なりますが、通勤手当をはじめ、住宅手当や役職手当、時間外労働(いわゆる残業)手当など、基本給以外にも支給項目があります。

初任給が高すぎる場合は、その理由を確かめておきましょう。基本給が低いにもかかわらず固定給が高い企業では、初任給の中に住宅手当や残業手当が含まれていることがあるからです。しかし、昇給、ボーナス、退職金など、すべての基準になるのは「基本給」です。総支給額だけではなく、その内訳もきちんと確認しておきましょう。

条件面にも注意が必要です。例えば、有給休暇の日数が多く設定されていても、実はとても業務が忙しく、取得できる機会が少ないため有給休暇消化率が低い企業もあるのです。金額や制度だけで判断すると、入社後に勤務実態を知って落胆し、ひいては早期に離職することにもなりかねません。

3社風とは

社風は企業選びの大切なポイントです。どんなに知名度が高く財務体質が優れていても、その企業の価値観を受け入れることができなければ居心地が悪くなるものです。社風とは経営陣の考え方や社員の意識が表れる、いわば組織全体の性格のようなものです。あなた自身の職業観・人生観を確立させて、フィーリングの合う企業を選びましょう。

社風や人から企業を絞る

「面会した社員や人事の方の人柄に引かれて」入社を決意する学生は少なくありません。企業の社風は、そこに勤めている社員の雰囲気からも伝わってくるものです。業種や職種だけではなく、社風や人といった視点から企業を絞り込んでいく就職活動のやり方もあるのです。

4社風を知るには

社風は、会社説明会のときにも確認できますが、より本音に近い情報を得られるのはOB・OG訪問です。OB・OGの人柄や印象だけで企業を判断せず、企業の実態を聞き取りましょう。仕事の進め方、社内の雰囲気、就業規則、残業時間など入手した情報をまとめていきます。

ただし、どの企業にもいくらかのマイナス要素はあるものです。それだけでその企業が悪いと決めてしまうのではなく、別の視点からも調べて総合的に企業を判断するように心掛けましょう。

Check Point

Check Point 1

ランチタイムを狙え

ランチタイムにオフィス街へ行ってみるのも有効です。本音のおしゃべりを耳にするかもしれません。もちろんそれがすべてではありませんが、参考にはなるでしょう。

Check Point 2

いろいろな部署のOB・OGを訪問する

できるだけ多くの人の話を聞いて、自分で素直に感じたことを総括してメモや企業分析ノートなどに書いておきましょう。また、世代の異なるOB・OGに会うと、企業を縦に見ることができます。

Check Point 3

初任給の「後」も要チェック

初任給だけでなく、できれば給与体系や30歳モデル賃金もチェックしましょう。最近では成果主義をとり入れている企業も増えています。キャリアを重ねていったときに、自分の働きに対する報酬の水準を知ることは、将来のライフプランを立てるうえで非常に重要なことです。

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