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“世の中は動いている”と考えることで、
人生が豊かに!

長年、海岸工学の第一人者として国家レベルの海岸防災に携わってきた磯部学長は、東京大学副学長などを歴任後、2013年4月に高知工科大学の副学長に就任。2015年4月からは4代目学長として敏腕を振るっている。特に学長に就任した当時は高知県立大学と法人を統合した新体制で再出発したばかりで、新しい永国寺キャンパスでは経済・マネジメント学群の授業が始まるなど、これまでになかった新しい環境での教育や運営が求められた。

永国寺キャンパス外観と授業風景

そんな一見困難に見える局面も、常に変化し思い通りにはならない自然というものを相手に研究してきた磯部学長にとっては想定内のできごとだったようだ。「若い人たちは“世の中はもうでき上がってしまっていて、動かないものだ”と考えがちですが、実際は常に動いています。“動いていること”を前提にすることで、“どう動かせばいいのか”“自分はどう関わるべきか”という発想が生まれてきます」。この前向きな発想があれば、どのような課題に直面しても主体的に解決策が見出せるだけでなく、専門分野の研究の深化に加え、専門外のことにも興味が広がり、自然と人生が豊かになるという。

“世の中は動いている”と考える磯部学長にとって、高知工科大学の目標である「大学のあるべき姿を常に追求し、世界一流の大学をめざす」は、理に適ったものに違いない。

高知工科大学 開学20周年記念祝賀会にて

そんな磯部学長は「教員はもちろん職員も学生も含め、得意技を持った人が集う多様性のある大学を目指したい。その中で学生には、一生を通じて糧になるような学問を身に付けて欲しいですね」と語る。

その言葉どおりさまざまな得意技を持った人たちが高知工科大学には集まっている。彼ら一人ひとりの力を引き出すことこそ、磯部学長の得意技だ。磯部学長の未来予想図には、高知工科大学がさらに輝く姿がはっきりと描かれている。

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