西村モデルでの交通流図(1)
そこで西村模型の交通流図をみてみる。この例では R = 0.4 で制限速度はまた U = 4 である。以前と同様に低密度から高密度までの4つの例を示してある。
ぱっと見ると標準模型の場合と余り変わらないようでもあるが、特に中間的な値の密度の二例 ρ=0.25 と ρ=0.50 に注目してみると、以前と同じ「色の濃い」渋滞と並んで「色の薄い」渋滞列が現れているのが観察できる。 細かく見るとわかるのだが、色の濃い方は車がびっしり詰まって車の停止した「完全渋滞」なのに対して、薄い方は車の間に一セルずつ空いた集団が1ステップに1セルずつ進む「ノロノロ渋滞」である事がわかる。 誰しも経験があるように、現実の交通ではこのようなノロノロ渋滞も完全渋滞と同様に頻繁に見られるものである。後知恵で考えれば、標準模型でこれが観測されなかったのは、モデルの単純すぎる為の限界だったのであろう。