ロトカ=ウォルテラ方程式の詳細その二
競合者
ここもまた式が出てきます。どうしてもいやな人は、もう一回飛ばしてください。今度はシマウマとライオンにかえて、ライオンとズールー族を考えてみましょう。あっ、これだとどうも人間と動物を同列に扱うようで、さしさわりありそうですから(本当を言うとズールー族ならライオンに例えられて誇らしく感じたでしょうが)、仮想的にジャガー x とライオン y のいる草原としてみます。それぞれの出生率を B 、 D とすると
dx/dt = B x 、 dy/dt = D y
は前と同じですが、今度は餌となるシマウマは十分いて、その結果ジャガーもライオンも、自分だけが捕食者なら一定のプラスの増加率 b 、 d が保証されてるとします。(生育環境劣化因子はそれぞれ a 、 c とします)ところがさらに両者とも相手がいると襲撃による妨害を受けるので、結局
B = b - a x - R y 、 D = d - c y - S x
と書けます。 R がライオンの襲撃強度、 S はジャガーの襲撃強度です。前と同様に最初の微分の入った式にこの二つを入れると
dx/dt = b x - a x2 - R x y
dy/dt = d y - c y2 - S x y
となります。これが競合2種のロトカ=ヴォルテラ方程式です。
数値解
これらの方程式に従って、x と y がどんな風に発展するかを見ればいいのですが、一番手っ取り早いのはコンピューターに解かせちゃう事です。下の図が数値計算の例です。図の横軸が x で縦軸が y です。
左が「餌・捕食者」の場合で右が「競合者」の場合です。左は安定した値に吸収され、右だと x = 0 か y = 0 にしか安定した位置がありません。つまり左の系では x y は安定に共存、右ではどちらかが絶滅です。 |