安定な不動点、不安定な不動点
不良中年のうちで数学なれてない人は、もういい加減飽きたと思いますが、ここまで来ちゃったから、最後のテクニカルな障壁に挑戦してみましょう。説明不足なので多分判ってる人以外判らないです。つらいひとは読まなくても大丈夫です。また飛ばしてください。
また、一般的な M = 2 種族のロトカ=ヴォルテラ方程式にもどります。
dx1/dt = b1 x1 + a11 x12 + a12 x1 x2
dx2/dt = b2 x2 + a21 x1 x2 + a22 x22
この方程式の X1 = 0 でも X2 = 0 でもない不動点 (X1, X2) は次の式
0 = b1 + a11 X1 + a12 X2
0 = b2 + a21 X1 + a22 X2
で与えられましたが、いま x1(t), x2(t) が、これに近い値だとどうでしょう。ためしに
x1 = X1 + u
x2 + X2 + v
とかいてみて、元のロトカ=ヴォルテラにいれてみます。u(t), v(t) は小さいので2乗とかはみんな無視すると
du/dt = a11 X1 u + a12 X1 v
dv/dt = a21 X2 u + a22 X2 v
これは線形写像ですが aij や Xi の値次第で、時間が経って t が大きくなるときの振る舞いにいくつかのタイプがあります。いまこの話に重要な2つのタイプをあげると
(1)吸収渦巻き型:線形写像の固有値2つとも負のとき(ビエー!)
u(t) --> 0, v(t) --> 0 振動しつつ減少。不動点の周囲は吸収渦巻き。
(2)双曲型:線形写像の固有値2つとも正のとき(ギューン!)
u(t) -->∞, v(t) --> ∞ 発散。不動点に近づいても必ず弾かれる。
前に図でみると、「餌・捕食者」の例は(1)で「競合者」の例は(2)です。
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