係数変化型ロトカ=ヴォルテラ方程式その二
襲撃強度の函数としての競合者の人口
式が出てくると困る人は、また飛ばしてください。
前の章と全く同様な考えを競合者系にあてはめてみます。
dx/dt = b x - a x2 - R x y dy/dt = d y - c y2 - S x y
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ですが、この解は R および S が十分小さいと右図のような安定な不動点 (X,Y) があります。いま X が R を、 Y が S を自分の都合の良いように調整するとすれば、 dX/dt=0、dy/dt = 0 ですから、 X[R,S] ならびに Y[R,S] は次の式で与えられます。
0 = b - a X[R,S] - R Y[R,S]
0 = d - c Y[R,S] - S X[R,S]
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これを図にしたのが下の左もので、これをみると X は R を、 Y は S を大きくする方が得ですが、双方ともそれをやると、系が不安定になり、どちらか一方の絶滅につながります。
共通の支配者に服する競合者の人口
こんどは両競合者が共通の捕食者 Z を持つとします。
dx/dt = b x - a x2 - R x y - U x z
dy/dt = d y - c y2 - S x y - V y z
dz/dt = -h z +f U x z + f V y z
この不動点 (X、Y、Z) でおのおのが自分のする攻撃性を( X が R を、Y が S を、そして Z が V および U を)調整できると考えます。Z[V,U] が
dZ[U,V]/dU |U*,V* =dZ[U,V]/dV |U*,V* = 0
で指定される効率点 U*= U*(R,S)、V*= V*(R,S)に到達すると考えると、最終的に X[R,S] ならびに Y[R,S] が与えられますが、その一例が上の右の図です。これをみると、この場合は X は R を、 Y は S を小さくする方が得すから、双方とも攻撃性を抑制して系が安定状態に落ち着きます。
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