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2012.1.10お知らせ
観測ロケット実験の実施について(1月10日更新)
高知工科大学システム工学群 山本真行研究室が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、北海道大学と共同で開発した搭載機器および地上観測装置を用いた宇宙実験が行われます。
JAXA観測ロケットS-520-26号機はJAXA内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)から打ち上げられる予定で、現在、同観測所内および宿毛、室戸の各観測点にて本学学生が参加して最終の準備作業中です。
今回の宇宙実験は、地球と宇宙の境界領域である地上約80km〜300kmの熱圏と呼ばれる領域の大気を調査するもので、同ロケットの下降時に計3回、リチウムという元素を高温蒸気として放出し、その発光雲(太陽光を受けて赤く光る)を地上光学観測点(内之浦、宿毛、室戸の3地点)から撮影し、その動きを追いかけて遥か上空の希薄な大気における風の振る舞いを調べます。
同研究室は2007年9月2日の夕方にも同様の実験を共同実施し、「宇宙花火」実験として観察を呼びかけた結果、多くの方に見ていただくことができました。
2回目の「宇宙花火」となる今回の実験は明け方のため、朝まだ暗いうちからの観察が必要ですが、天候等の条件がよければ、高知県内ではほぼ南方向の低空に、赤く光る雲が肉眼でもご覧いただける予定です(西日本地域の広い領域から観察可能です)。
同ロケットには、JAXA、北海道大学、高知工科大学の他、東北大学、東海大学、富山県立大学、京都大学も参加しており、カナダ、アメリカの研究機関からも複数の研究者が来日して国際共同実験として実施されます。
それぞれ希薄大気中の様々な物理量の計測データを取得し、総合比較する宇宙実験となります。
高知工科大学では、国立天文台、金沢大学、名古屋大学の協力を得て、12月19日に実施されたS-310-40号機と合わせて計2機のロケット実験期間中に、音波データの取得を行っており、宮崎大学、鹿児島高専、錦江湾高校の協力を得てセンサを設置し、進めております。
(関連リンク)
宇宙航空研究開発機構
■実験について■
【実験日時】
2012年1月12日(木)以降 (1月10日更新)
(上記リンクで最新情報を更新していますので、ご確認ください)
【実験の目的】
熱圏中性大気とプラズマの結合過程解明:
熱圏下部における中性大気とプラズマ(電離大気)の運動を観測し、両者の結合過程を実験的に実証する。
【実験概要】
熱圏下部(高度約80〜300km)を飛翔する観測ロケットにより中性大気、プラズマ、電場と磁場の直接観測を行うことによって、中性-電離大気間のエネルギー交換を含む物理過程に関する更なる理解を目指す。中性大気の運動はロケットからリチウムを放出し、その発光雲(太陽光を受けて赤く光る)の時間的な変化を地上から観測する。
【観測ロケットS-520-26号機の概要】
全長 8.0m
全重量 2.2t
搭載機器重量 120kg
到達高度 290km
水平距離 600km
【参加研究機関】
JAXA、北海道大学、東北大学、東海大学、富山県立大学、京都大学、高知工科大学が中心となって搭載機器の開発を行い、研究グループには、米国、カナダの研究者が参加
【打上げ条件】
早朝かつ、以下の3つの条件が満たされていること。
(1)目的とする現象(電離圏に電子密度の擾乱)が発生している
(2)地上観測点(3箇所)においてロケット飛翔方向に雲がない
(3)ロケットの保安や飛行に影響を与えない天候
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