2016.6.17お知らせ

ココプラ主催の研究シーズ発表会で田島准教授が発表しました

 6月15日、ココプラ(高知県産学管民連携センター)主催の「第5回シーズ・研究者紹介」に、システム工学群の 田島 昌樹 准教授が登壇し、「建築・住宅の室内環境〜温暖な気候ほど、室内には問題が!〜」と題した研究内容を発表しました。

ココプラ(高知県産学管民連携センター)

  田島准教授は冒頭、高知県の気候について「夏は暑く、冬は暖かい温暖な気候である。しかも夏は平均気温日本一の沖縄よりも蒸し暑く、冬は東京よりも寒い。その背景には、高知県特有の湿度が高く、風速が低く、日射量が多い事が起因している」と実測調査結果をもとに説明しました。

 「殆どの人は生活の約9割を室内で過ごすので、室内環境が健康に与える影響は深刻である。高知県は、空気が綺麗なため、夜間の赤外線放出により昼夜の温暖の差が大きいにも拘らず、窓を開け放つ習慣があり、室内環境は二酸化炭素濃度は低いものの、昼夜、居間とトイレの温暖の差が大きく、健康上、かなり問題がある」と指摘しました。

 また、ビルの室内環境についても「一見快適な温度の低い北側がエアコンが止まることにより、湿度が高くなりがちで、具合が悪くなる危険性がある。白熱灯などで温め、エアコンを動かす等の工夫が必要である」とその危険性を説明し、室内環境基準で温度と相対湿度が重要であることを解説しました。

 加えて、定期的な換気も必要で「指標0.5(1時間に空間の半分の空気が入れ替わる換気条件)で病気発症率が4割近く減る。快適と思われても、室内環境の安全性は目に見えない要素で低くなっている場合があり、快適と安全は両立しない」と、換気の重要性についても分かりやすく解説しました。

 当日会場には地元の高校生や建築関係者などが参加し、講演後の質疑応答では、建築関係者から断熱材などの専門的な事柄や、エアコンの正しい使い方など、様々な視点での質疑応答が活発に交わされました。
会場からの「扇風機でひと夏を過ごすのはどうか」との質問に、田島准教授が「省エネと節約は違う。省エネは、少ないエネルギーで最大の効果を生むこと。節約は、ただ我慢をしているだけ。エアコンを温度高めに常時運転する省エネで快適に過ごす方が、扇風機で健康を損ね、作業効率が悪くなるより絶対にいい」と、室内環境の快適化の重要性を強調した明快な回答に、会場の参加者は一様に、頷きながらメモを取り、熱心に聞き入っていました。

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