2016.9. 6お知らせ

山﨑客員研究員の研究成果が「総合学術誌、米国科学アカデミー紀要」に掲載されました

客員研究員の山﨑 朋人さんの研究成果をまとめた論文が、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (米国科学アカデミー紀要, 5-Year impact factor=10.285)に受理され、オンライン発表されました。

 山﨑さんは、平成27年度末まで本学の環境理工学群・助教に従事。本研究成果は、スタンフォード大学やネブラスカ州立大学との共同研究で行われ、環境理工学群 細胞分子遺伝研究室の大濱 武 教授指導のもと、山﨑さんは筆頭著者および責任著者として全体を統括し、発表するに至ったものです。

 山﨑客員研究員のコメント:「タンパク質をコードしない小さなRNA分子(マイクロRNA)は遺伝子の発現を細かく制御する重要なRNAです。最近の研究では、生物はマイクロRNAを細胞の中で数百種類以上も生産し、それぞれのマイクロRNAを量的・質的に微調整することで遺伝子発現を綿密に制御して、体の形を正常に作り出したり、様々な環境の変化に細胞レベルで適応したりしていることが分かってきています。  今回、我々のグループは多細胞の動植物ではなく、現存する多細胞生物の共通祖先に似た特徴を持つ単細胞生物クラミドモナスのマイクロRNAに注目して研究を行い、ほぼ全てのマイクロRNAの量的変化を制御するマスターレギュレーター、DUS16遺伝子を世界で初めて発見しました。  今回の研究は、これまで不明であった、進化の流れ的に遠い単細胞生物と多細胞動植物の間で共通する、つまりマイクロRNA生産メカニズムの基本原理の解明に迫る重要な発見であり、将来的には、マイクロRNAの異常が原因となるがんなど病気や、植物の育成不全のメカニズム解明にもつながる成果だと考えています」

(図:細胞核内に局在して働くDUS16遺伝子を可視化した顕微鏡写真。緑がDUS16、紫が葉緑体)

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