2011.4.12お知らせ

篠森敬三教授が文部科学大臣表彰を受賞しました

篠森敬三教授(情報学群)が、平成23年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰を下記のとおり受賞いたしました。

篠森敬三教授(情報学群)

科学技術賞【開発部門】
我が国の社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象として表彰

受賞業績名:「カラーユニバーサルデザインのための色弱模擬フィルタの開発」

受賞者:
    国立大学法人豊橋技術科学大学 情報・知能工学系教授
    (公立大学法人高知工科大学 情報学群客員教授)                   中内茂樹
    公立大学法人高知工科大学 情報学群教授           篠森敬三
    伊藤光学工業株式会社 取締役 技術部ジェネラルマネージャー 加藤裕久   

概要
日本人男性の約5%を占める色弱(色覚異常)者は特定の色組合せの識別が困難である。こうした色覚特性の違いによらず、誰に対しても色の混同が生じない配色設計(カラーユニバーサルデザイン:CUD)は急務とされているが、色弱者が感じているこうした不便さを正常色覚者が直観的に理解しにくいことがCUDの普及・推進にとって障壁となっていた。
本開発では、色覚を支える3種の錐体視細胞のうち一種が欠損した場合(2色覚)に生ずる知覚的な色の混同を一般色覚者が体感・発見するために、光学的な分光修飾により色弱特性を再現するフィルタを設計・実現し、眼鏡型およびルーペ型のCUDツールとして平成19年に世界に先駆けて製品化した。
本開発により、場所を選ばずにリアリティーの高い色弱模擬体験が可能となり、リアルタイムに問題となる配色を見つけられるようになった。現在では、民間企業や行政機関等における印刷物、公共サインや教科書等の配色チェック、CUD啓発セミナー等で広く利用されている。
本成果は、色覚特性の多様性を体感し、問題となる配色への気づきを促進する世界初のツールとして画期的であり、CUDの普及・推進に大きく寄与している。

「色弱模擬フィルタについて」
http://www.variantor.com/jp/

科学技術分野の文部科学大臣表彰
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする(文部科学省HPより)

【関連リンク】
平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

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