2022.11.18地域・一般 / 地域貢献 / 学生生活 / 研究 / 研究者・企業

菊池 豊教授らの研究グループが世界で初めて次世代言語ElixirによるIoTノードとクラウドとの連携技術による産業システムへの応用に成功

地域連携機構の菊池 豊特任教授と株式会社シティネットは、次世代言語Elixirを応用した工業制御用のIoT※1ノードとクラウド連携技術を開発し、発電所の制御システムの一部に実装しました。

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工場等の産業設備における制御システムの技術と、クラウド※2技術の背景はかなり異なっています。このため、制御で用いる従来型のITシステムでは発展が著しいクラウド等の最新のICT技術の導入が困難でした。
そこで研究グループは、次世代言語と目されるElixir言語に注目し、Elixir言語が動作し産業用途の環境に耐えられるIoTノードを開発しました。さらにこのIoTノードがクラウドと連携するソフトウェア技術を構築しました。これはクラウド技術と産業制御の融合を可能とするものです。
この技術を昨年度末に竣工した長野県野沢温泉村のまくね川小水力発電所における制御システムの一部に実装しました。これにより、水力発電所の制御システムのクラウド連携を、従来に比較して短い開発期間で実装できることを実証しました。

今後、研究グループは、これらの技術をより汎用的・実用的にするために、IoTノードとクラウドに加えて Local 5G 網を用いた統合的な制御システムプラットフォームの研究開発を行っています。これにより、IoTノードとクラウド等を高度に融合した高信頼性・高可用性を持つ産業システムの構築を可能にしていきます。

菊池教授は「Elixir言語はまだマイナーな言語ですが大きな可能性を秘めています。主にWeb サーバ向けとされてきたElixir言語を今回の成果で産業用にも十分利用可能なことを示すことができました。今後の展開が楽しみです」と語りました。

※本研究成果は、平成31年度高知県産学官連携産業創出研究推進事業によって得られました。

※1 IoT: Internet of Things
人間のコミュニケーションだけでなく、モノをインターネットに接続する次世代ネットワークパラダイム。

※2 クラウド (コンピューティング): Cloud (Computing)
データストレージや計算資源を、エンドユーザが設備を直接運用することなしに、必要なときに必要な量をネットワーク経由で利用できるシステムやサービスをさす。

※3 Elixir (エリクサー)言語: 現在主流のオブジェクト指向型言語に代わる次世代のプログラミング言語

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