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- 曲 勇作講師の研究がJST創発的研究支援事業に採択されました
理工学群の曲 勇作講師が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「2024年度 創発的研究支援事業」に採択されました。
この事業は、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出をめざす「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的で多様な研究を最大10年間にわたり長期的に支援するものです。今年度の支援事業には、応募総数2,262件のうち、246件が採択され、四国の研究機関では2件、高知県の研究機関では唯一、本学が採択となりました。
文部科学省の報道発表はこちらから
曲講師が採択された研究課題は、「低温固相結晶化技術による酸化物エレクトロニクスの創成」です。
本研究の目的は、高移動度かつ高信頼性を兼ね備えた金属酸化物半導体トランジスタの創出にあります。
IoT、AI、5Gが急速に普及するビッグデータ社会において、半導体デバイスの高性能化および低消費電力化はこれまで以上に強く求められています。次世代半導体材料として注目される金属酸化物半導体は、従来のシリコン半導体と比べて低消費電力かつ低温プロセスで合成可能という特長を有しています。
しかし一方で、金属酸化物半導体は結晶性の制御が難しく、シリコンと比べて電流駆動能力に劣るという課題がありました。
この課題に対し、曲講師らは「低温固相結晶化技術」を見出し、高品質な金属酸化物半導体薄膜を形成することで、電流駆動能力の飛躍的な向上に成功しました。
本研究では、結晶性金属酸化物半導体の基礎学理の構築を通じて酸化物エレクトロニクスの新たな展開を目指すとともに、高移動度・高信頼性を実現する酸化物トランジスタの基盤技術を確立し、次世代ディスプレイ、LSI、メモリデバイスなどへの応用可能性を実証していきます。
研究者コメント
「このたびの採択を大変光栄に思っております。これまで研究を支えてくださった皆さまに心より感謝申し上げます。金属酸化物半導体が持つ可能性を最大限に引き出し、社会に役立つ技術の創出を目指してまいります。また、本事業を通じて築かれる研究者同士のネットワークから新たな着想を得て、さらに発展的な研究へとつなげていきたいと考えています」
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