2025.12.10在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究

矢野 圭悟さんが「第48回フッ素化学討論会」で優秀ポスター賞を受賞

11月13・14日に愛知県で行われた「第48回フッ素化学討論会」において、矢野 圭悟さん(博士後期課程 基盤工学コース1年/指導教員:機能性高分子化学研究室 林 正太郎教授)が優秀ポスター賞を受賞しました。

同賞は、55件のポスター発表の中から、優れた発表と認められた4件に贈られました。

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今回、矢野さんの発表したポスターのタイトルは「フッ素を鍵とした超分子構造設計に基づく二次元弾性分子結晶の開発」です。

矢野さんらは、これまでの研究で、優れた柔軟性と光・電気特性を併せ持つ二次元弾性分子結晶の作製に成功しています。この分子結晶を工業用材料へ応用するためには、常に同じクオリティでの作製が求められ、矢野さんは、その再現性を高めるためのメカニズムを追究しました。

結晶は、分子同士が互いに引きつけ合う力により一つの形を形成しています。この相互作用が強すぎると結晶が硬くなりすぎて曲がらず、弱すぎると結合が解けて結晶が脆く崩れてしまいます。
そこで、矢野さんは、強い相互作用と弱い相互作用が共存する構造に着目し、新たに2種類の分子結晶を設計しました。その結果、これらの結晶は二方向への変形が可能な二次元弾性を示しました。さらに、この設計において、官能基としてのフッ素が極めて重要な役割を果たすことを明らかにしました。

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受賞を受けて、矢野さんは「今回初めて、自分の研究分野とは異なる学会に参加させていただきました。半導体薄膜や有機合成など自分とは異なる研究分野を専門とする研究者、さまざまな業界の方々が集まる中で、フッ素を使った新規有機材料の開発を評価していただけたことを大変嬉しく思います。さまざまな角度からの質問があり、新鮮な議論ができました。曲がる結晶を作ることができたので、今後は、それらが社会実装されるように、結晶の光・電気特性の性能を高めるような研究をしたいです」と話しました。

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