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- 島田 啓資さんが「2025年日本化学会中国四国支部大会 香川大会」で学生優秀発表…
11月23・24日に開催された「2025年日本化学会中国四国支部大会 香川大会」において、島田 啓資さん(修士課程 理工学コース1年/指導教員:機能性高分子化学研究室 林 正太郎教授)が、学生優秀発表表彰(Chemistry Letters Young Researcher Award)を受賞しました。
同賞は、一般口頭発表を行った学生107名のうち、とくに優れた発表であると認められた3名に贈られました。

今回、島田さんが発表したのは「分子内ハロゲンーハロゲン相互作用を志向したねじれD-A型π共役分子」についてです。
塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)といったハロゲン原子には、σ(シグマ)ホールと呼ばれる電子が相対的に少なく、正に帯電しているように振る舞う電子不足領域が存在します。これに由来してハロゲン原子は、他原子との間でハロゲン結合を示すことが知られています。このハロゲン結合は主に分子間の相互作用として注目されており、分子配向の制御や、医薬品の開発などで用いられてきました。
島田さんは、このハロゲン結合を"分子間"ではなく、"分子内部"で起こすことにより、これまでにない新しい性質や機能の創出をめざして研究を行いました。分子内においてハロゲン結合を作ることを目的とした分子を設計し、実際に分子の合成を行ったところ、分子内部でのハロゲン結合により構造が大きくねじれるように湾曲していることが示されました。
発表では、このような特異な分子の形がどのように生じるか、またそのメカニズムについての考察を述べました。

受賞を受けて、島田さんは「今回は、様々な分野の研究者が集まった大会だったので、そこで認められたということは、わかりやすい発表が行えたと自信になりました。研究を進めるにあたり、様々な視点でアドバイスをくれた林研究室の皆さんに感謝いたします。今後は、ねじれのダイナミクスの解明や、分子内相互作用に由来する新たな機能をめざし、研究していきたいです」と喜びと抱負を語りました。
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