- トップページ
- 地域イノベーション共創機構
- 研究室紹介
- インフラの共創ユニット
- 地域交通研究室
地域交通研究室
少子高齢化に直面する地方が抱える交通諸問題に対して、最新の研究成果や地域との連携による実務的な取り組みの成果を活用し、未来の移動手段を実現するための研究を行う。
ローカルで進化する公共交通
地域における人口の減少は、公共交通の減便や路線廃止を招いており、過疎地域の高齢者は買い物や通勤などの日常生活の先行きに大きな不安を抱えています。そのような背景の中で、公共交通の再構築を図ることは、地域社会の未来にとって重要なテーマです。
当研究室では、MaaS(Mobility as a Service)の考え方に基づき、乗客のみなさまや運行事業者のみなさまにとってシームレスな地域モビリティの構築を目指します。地域の基盤としての公共交通に求められるサービス構築の方法論をさらに追及します。例えば、公共交通事業者や自治体が運行している公共交通運行管理のDX化や地域で取得されているデータに基づく運行計画の策定や移動特性に基づく新たな公共交通サービスの提案等、地域での公共交通確保のために必要な技術開発やその支援を進めます。誰もが気軽に利用できる持続可能な公共交通の運行を地域と協働しながら実現します。
メリハリのある都市内道路網の形成を目指して
現在の一般道路においては、歩行者や自転車の通行が多くなる生活道路でも国道や県道等の幹線道路と同じような自動車の平均速度が観測されており、通学路を含む生活道路では安全が必ずしも確保できていません。特に地方都市では、ほとんどの道路区間の主役が自動車であるため、街中での人流によるにぎわいの形成も進んでいない状況が続いています。そのために、特にこれからの地方都市では、通学路や生活道路においては歩行者や自転車が主役となり、幹線道路では自動車が主役となるような道路の使われ方にメリハリを持たせた道路網の形成・整備が必要です。都市内において、より速くより遠くへ行ける幹線道路網と歩行者や自転車が楽しく安全に通行できる生活道路網の組合せを最適化するための方法論の構築を目指します。
当研究室で行う公共交通や道路交通に関する研究・取組みを加速させ、地域社会基盤としてのモビリティに求められるシステム・計画的側面をさらに追及し、地域モビリティのあり方を地域のモビリティに関わる皆さんと連携しながら考究します。
- 研究室長からのメッセージ
- 地域交通研究室では、地域交通に関する課題解決のために自治体や交通事業者と連携しながら取り組みを進めてきました。例えば公共交通分野では、地域の実情に応じてオーダーメイドしながら構築したデマンド交通の予約システム(土佐清水市)や、コミュニティバスの乗降カウントシステム(香南市、佐川町、四万十町)の導入による公共交通運行支援を地元のみなさまと連携して取り組んでいます。また道路交通の分野では、観光シーズンにおける懸念される交通渋滞の改善のために交通流シミュレーションを活用した道路交通施策の検討(香美市)や、通学路における交通安全施策の検討(四万十市)等に取り組んできました。今後も、高知の公共交通基盤の中心として研究室を盛り立てていきます。