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国土情報処理工学研究室
四国の地理情報を集積し、新しい応用局面を開拓する
地理情報システムとリモートセンシングという基盤技術の上に、さまざまな情報を重ね合わせて新しい地域政策立案のツールとする。
地理情報システム(GIS)の可能性
GIS(Geographic Information System)は近年急速に進化し、今では社会基盤を構成する不可欠の技術となっています。2007(平成19)年度には地理空間情報活用推進基本法が制定され、地図表現と結びつくありとあらゆる情報をデジタル地図の緯度経度データと共に一元的に集約する動きが加速されています。
とくに衛星によるリモートセンシングや航空写真などの面的なカバー領域は地球全域におよび、また、赤外線による植物活性の評価など、可視光以外の周波数帯域においても全地球的な情報蓄積が進んでいます。 しかし、これらの面的情報蓄積が可能な自然・工学的事象とは異なる、社会的・文化的な事象や、もしくは自然事象でも地道な実地踏査を要する課題については、地図表現そのものが容易でないため、これらを社会基盤情報として活用するにはまだ道のりは遠いのです。
この研究室では、四国広域および高知県全域を主たる対象に、従来蓄積してきた地質地形情報を土台に、植物資源情報や、さらには社会・文化的な情報までを重ね合わせて、産業政策や防災施策などにも適用可能な社会基盤情報を生み出すことを目指します。
当面の研究内容
- 2012年(平成24)年度総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)による「『救荒植物(災害時食糧備蓄となる植物)』栽培適地評価システムと森林資源をリアルタイムに公開する地域基盤情報システムの研究開発」(代表:高木方隆、共同者:渡邊高志)の研究成果をベースに、経時データの蓄積分析を行います。
- 2013(平成25)-2017(平成29)年度文科省科研費基盤研究(A)「地理情報システム利用によるレアプランツのインベントリーと有用性・安全性の評価」(代表:渡邊高志、共同者:高木方隆)により、ネパール、ミャンマー、ソロモンの植物資源の地理情報システム上での集積と分析を行います。
- 2014(平成26)-2016(平成28)年度文科省科研費基盤研究(B)「新アグロフォレストリーのための森林・有用植物資源の賦存量の評価・予測モデルの構築」(代表:高木方隆、共同者:渡邊高志)により、低高度空撮レイヤーでのデータ収集と解析を行います。
- 2017(平成 29)-2019(平成 31) 年度文科省科研費基盤研究(B)「アグロフォレストリーのための統合ボクセルモデルの構築」(代表:高木方隆,古沢浩)により、地表と地中を含めた自然環境データをボクセルモデルによって表現し、里山の未来を予測できるシステムを構築します。
- 研究室長から
- 衛星リモートセンシングの高精度化が私自身の研究テーマです。この研究活動によって、これまで四国を対象に、非常に多くの衛星画像と様々な地理情報が、本研究室に集積されてきました。これらデータは、現代社会の様々な課題の本質を浮き彫りにし、解決のための施策を検討することが出来ます。今後、心豊かな社会の持続的な発展を目指し、応用研究を展開していきます。