地域共生センター

地域の幸せを見つめ、持続的に安心して暮らせる地域社会の実現を目指す

過疎、高齢化などの逆境の中で、地域の暮らしや文化の価値を再発見するとともに、新たな価値の創造と、次の世代の育成、持続可能な地域社会の継承に向けた試みに挑戦する。

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地元からの地域モデルづくり

大学が立地する物部川流域は、古代からの基層文化の上に近代にいたる歴史・文化が重層しています。いっぽう過疎、高齢化という地方共通の課題も積層し、文化の喪失、コミュニティの消滅などの危機に直面しています。その中で、あらためて大学がどのように地域に寄与して、地域住民が主体となって地域社会を再構築し、次の世代に誇れる故郷を継承していくのか、実践的な社会貢献モデルを探究します。
地域社会の一員でもある大学として、当センターではボトムアップ・アプローチを重視し、地域住民の意識の誘導、試行的な実践活動およびその科学的な評価などの具体策を重ね、その中から県内他地域や、我が国広域に波及するような成功事例を示します。

次世代への継承

地域を再構築するためには、なによりも次の担い手を育成することが重要です。地域や学校などと連携し、まち全体が次世代の育成が図られるような環境モデルを探求します。家庭・学校・地域をつなぐ子供たちの新たな育成モデルの構築や、児童・生徒、大学生が地域の方々と共に文化体験を再現共有するなどの「学びの場」を創出します。そのほか、地域の環境を活かした多様な学習プログラムの提供を試みます。

また、教育心理学や教育学、教育工学などの最新の知見も動員して長期縦断的な調査を実施します。これにより、一過性のイベントに終始することない持続的な学習プログラムの構築と、継続的な評価を重ね、10年後の成果を見据えた活動を展開します。

センター長から
大学の社会貢献が、研究や教育に次ぐ第三の役割と法律の上で規定されたのは、今からわずか10年前のことであり、いまだ本格的な理論体系も確立していません。さらに地域貢献となると、地方それぞれの固有の事情もあり、各地の大学が手探りをしている段階です。したがって、前例や横並びにとらわれずに、高知工科大学独自の道を拓いていきたいと思います。