2019.9.17研究 / 研究者・企業

稲見准教授らの論文がAdvanced in Engineering 社のホームページに掲載

9月10日、稲見 栄一 准教授(システム工学群)らの研究論文が、工学的に注目すべき成果として、カナダのリサーチ会社Advances in Engineering社(以下AIE社)のホームページに掲載されました。

AIE社では、主な学術雑誌から、優れた研究成果を毎週20報選考して(採択率は0.1%以下)、自社ホームページで紹介しています。今回、海外の第三者機関から注目された事で、本研究成果が実用的・応用的に重要であることが客観的に示されました。

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AIE社が注目したのは、稲見准教授が法政大学の石垣隆正教授, 緒方啓典教授と共同で発表した論文で、タイトルは「Sol-gel processed niobium oxide thin-film for a scaffold layer in perovskite solar cells (ゾル-ゲル法による酸化ニオブ下地層薄膜の作製とペロブスカイト太陽電池への適用可能性)」です。

近年、ペロブスカイト型太陽電池(PSC)は、安価・軽量・フレキシブル、さらに既存のシリコン系太陽電池に迫るエネルギー変換効率を示すことから、世界的に広く研究がなされています。現在、PSCのさらなる高性能化へ向けて、酸化ニオブ薄膜がペロブスカイト層(光を吸収する層)の足場(下地層)として注目されています。しかし、作製にはマグネトロンスパッタリング法などの大掛かりな装置を要するため、製造コストやエネルギー収支の点で課題がありました。本論文では、安価で容易なゾル-ゲル法により、酸化ニオブ薄膜を作製し、それが下地層としても優れた性質を示すことを実証しました。今後、この酸化ニオブ下地層の研究を進めることで、PSCのさらなる高性能化と併せて、製造コストやエネルギー収支の問題も大きく改善されると期待できます。

論文情報

雑誌名:Thin Solid Films, vol.674 (2019) pp.7-11

論文タイトル:Sol-gel processed niobium oxide thin-film for a scaffold layer in perovskite solar cells

著者:Eiichi Inami, Takamasa Ishigaki, Hironori Ogata

DOI:10.1016/j.tsf.2019.01.043.

AIE掲載ページはこちらから

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