2021.10.27学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

稲見 栄一准教授の研究論文が学術誌のサプリメンタリーカバーとして採用

稲見 栄一准教授(システム工学群)が、長岡科学技術大学の勝部 大樹助教、横浜国立大学の大野 真也准教授、原子力機構の吉越 章隆研究主幹、および大阪大学の阿部 真之教授と共同で発表した論文について、10月26日、American Chemical Society (ACS)が発行する「Langmuir」(2021年37号)のサプリメンタリーカバーとして採用されました。

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掲載された論文のタイトルは「Oxidation of anatase TiO2(001) surface using supersonic seeded oxygen molecular beam(超音速酸素分子線を照射したアナターゼ型 TiO2(001)表面のX線光電子分光測定)」です。

光触媒は、太陽光や蛍光灯の光を当てるだけで化学反応を促進して、殺菌・抗菌作用、超親水性などの優れた機能を発現する先進的な環境エネルギー材料です。光触媒では、内在する欠陥が光触媒活性と密接に関わるため、それら欠陥の構造や性質を十分に理解して制御できるようになると、より高効率な光触媒を実現できると考えられます。当グループでは、代表的な光触媒である酸化チタンの欠陥(酸素欠陥)が、超音速の酸素分子(超音速酸素分子線)を当てることで消失し、表面(及び表面付近)の構造が修復されることを明らかにしました。本結果は、超音速酸素分子線が酸素欠損の量を制御する有効な手段であることを実証しています。今後、この方法を応用すると、光触媒の高効率化と併せて省エネルギーな環境清浄化技術の発展に貢献できると期待できます。

※酸素欠陥:結晶中に本来あるべき酸素原子が抜けた孔(空孔)。

論文はこちらからご覧いただけます。
サプリメンタリーカバーについてはこちらからご覧いただけます。

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