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日本遺伝学会で久世 陸さんがBest Paper賞を受賞

令和3年9月8~10日、オンライン開催された「日本遺伝学会第93回大会」において、久世 陸さん(大学院修士課程 生命科学コース 2年)がBest Paper賞を受賞しました。本賞は、優れた研究を褒賞することで意欲あふれる研究を奨励し、遺伝学会の明日を築く人々を鼓舞し、遺伝学の発展に資することを願って設けられた賞であり、同会における一般演題109件の発表のうち、優れた講演と審査された11件に与えられました。本結果から、次年度開催される日本遺伝学会第94回大会でのプレナリー講演に招待されました。

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久世さんの発表したテーマは「染色体異数性の急性期に共通して見出されるミトコンドリア変化」です。
生物を形作る全ての遺伝情報は複数の染色体によって担われています。染色体の数は生物種ごとに厳密に規定されており、誤って染色体数に変化が生じることを染色体異数性といいます。染色体異数性が生じると異数化した染色体に応じた悪影響が細胞に引き起こされるという考えが一般的です。本研究では、染色体異数性が生じて間もない頃の細胞は、どの染色体が異数化するかに関わらず共通して細胞内の核外にあるミトコンドリア形態に変化が生じることを明らかにしました。この結果は、染色体を内包している核とミトコンドリアの間でこれまで知られていなかった情報交換が行われている可能性を示唆しています。この研究が進むと、固形がんなどの染色体異数性と深く関わる疾患に対する新たな治療法の確立への糸口となる可能性があります。

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受賞を受け、久世さんは「Best Paper賞を受賞することができ大変光栄です。日々ご指導いただいている石井 浩二郎教授(環境理工学群)と染色体機能制御研究室の皆様に深く感謝しています。今回の結果に満足することなく、さらに大きな発見ができるように邁進していきたいと思います」と語ってくれました。

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