2023.12. 1在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

矢野 圭悟さんが有機結晶シンポジウムでポスター賞を受賞

11月2・3日に開催された「第31回有機結晶シンポジウム」で、矢野 圭悟さん(大学院修士課程化学コース 1年・愛媛県立大州高等学校出身)が優秀ポスター賞を受賞しました。

同賞は、ポスター発表を行った約90名のうち、優れた発表を行った5名に授与されました。

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矢野さんが発表したテーマは、「超分子シントン法によるフッ素とDA構造に注目した弾性分子結晶の創製」です。

現存する分子結晶のほとんどは、外部応力に対して非常に脆く、機能性材料として有用ではありません。そこで、矢野さんらは、フレキシブル有機デバイスとしての利用を可能にするため、分子結晶に優れた柔軟性と光・電気特性を付与することをめざしました。これまでに、機能性高分子化学研究室(指導教員:林 正太郎准教授)では、結晶内のπ-πスタッキング構造が弾性に寄与することを見出しており、今回はπ共役系分子にフッ素とDA構造を導入した、DA型フッ素化π共役系分子を設計しました。当該分子から作製した分子結晶は、応力負荷に対して2つ以上の曲げ方向を持つことに加え、高い量子収率で黄色発光を示し、優れた柔軟性と発光性を両立することを確認しました。

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受賞を受け、矢野さんは「ご指導いただいた林准教授と松尾 匠助教、サポートしてくれた研究室のメンバーに感謝しています。また、この研究を進めるのに必要だった機械特性測定装置をご提供くださった東北大学の芥川 智行教授にも、この場を借りてお礼申し上げます。本研究分野は、前例が少なく、メカニズムの解明や最適となる分子構造を設計することに苦労しました。今後は、更に共役系を拡張した分子を設計することで、より半導体性に優れた結晶を作るなど、フレキシブル有機デバイスへの応用を見据えた研究をしたいです」と感謝と抱負を語りました。

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