2024.2.13地域・一般 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

關 信彦特任教授がBALI CSR Award 2023にて表彰されました

2023年12月8日にインドネシア中央銀行で行われた「BALI CSR Award 2023」において、データ&イノベーション学教室の關 信彦特任教授が、日本の国会に相当するインドネシアの地域代表者評議会より「日本におけるバリの知識人」としての認定を受け、賞状を授与されました。

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關特任教授は、「東京で暮らすとココロが苦しいのはなぜか?」という疑問を抱き、この問いに対する答えを求め、資源消費型社会から環境共生型システムへの移行方法を模索。経済学や記号論、生態学、システム理論、サイバネティクス、構造論などの学際的アプローチを取り入れていく中で、「生物としての人間の理想的な環境が『暑からず寒からず、働かざれども食うに困らず』だとすれば、その環境下の社会は、理想的な社会ではなかったとしても、20世紀末の都市の課題を解決するヒントを示唆するかもしれない」という仮説を立て、1983年からバリ島において、「伝統的なバリの村落共同体におけるスバックシステムと意思決定システムとの関係」に関する研究を続けてきました。

スバックとは、バリ島の伝統的な分散型水利システムのことで、通常の水利機能により三期作を可能としているだけでなく、バリ人の宇宙観や価値観に大きな影響を与えています。慣習法により運営され、1000年以上の歴史を持つその歴史的価値と文化的重要性から2012年にユネスコ世界文化遺産へ登録されました。

今回の賞は、世界遺産登録の30年近くも前から環境共生型社会としてバリ島の村落共同体の運営システムの重要性を見出し先駆的な研究を行っていた点や、バリの文化に対して敬意を払いながら興味を持って接してきたことに対する感謝、今春からデータ&イノベーション学群が開かれることへの祝福を表して授与されたものです。

關特任教授は「現地の研究者によると、バリでは、世界遺産登録後も地元には経済的な還元がなく、若者が都市部へ流出しているそうです。高知県も、豊かな自然や長い歴史など多くの魅力を持ちながら少子高齢化が進んでいる点で、バリと同質の問題を抱えています。地球は否応なしにデジタル化の道を進んでいます。バリの大学との共同研究も視野に入れながら、複雑な地域の課題を解決すべく、データに基づく社会変革のアプローチを目指します」と語りました。

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