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- 川原村教授が科学技術分野の文部科学大臣表彰を受賞
令和8年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰において、川原村 敏幸教授(システム工学群 材料革新サスティナブルテクノロジー研究室/総合研究所 マテリアル研究領域 ミスト成膜先端技術研究室長)が、科学技術賞 [研究部門]を受賞し、4月15日に同省で表彰式が行われました。
科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞[研究部門]:
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えるとともに、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の水準の向上に寄与することを目的としています。
科学技術賞[研究部門]は、我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った者を対象としており、令和8年度は、237件の応募のうち、47件(56名)が受賞しました。
受賞業績名:
低環境負荷の次世代成膜技術ミストCVD法の研究
受賞者:
西中 浩之(京都工芸繊維大学電気電子工学系 教授)
川原村 敏幸(高知工科大学 システム工学群/総合研究所 教授)
藤田 静雄(京都大学 名誉教授)
概要:
酸化物半導体における薄膜化技術は「高品質だが環境負荷が大きい」か「低環境負荷だが品質が低い」かというトレードオフが避けられず、また、装置ごとに原料の選択肢が限られるなどの課題があり、簡易で柔軟性の高い新規成膜手法の確立が求められていました。今回受賞の研究成果はその壁を世界で初めて克服したものです。
この「ミストCVD法」は、水溶液を超音波で微細な霧状にして大気中で成膜するシンプルな方法でありながら、高エネルギー消費の高真空法に匹敵する高性能な結晶を実現する点が特徴です。さらに装置の低コスト化と量産への適用も進み、すでに企業で商用化されるなど社会実装が実現しています。
このことから、製造エネルギーの大幅削減と環境負荷低減を実現するとともに、材料開発の高度化と産業競争力強化を通じて持続可能な産業発展および国民生活の向上に寄与することが期待されます。
川原村教授は原理の解明と装置開発に関する研究において、ライデンフロスト効果※に基づく成膜機構を提唱し、材料多様性と量産対応性を向上させ、この革新技術の実用化を大きく前進させることに貢献しました。

(写真左:川原村教授 右:西中教授)
- 川原村教授 コメント
- 今回は、西中先生、藤田先生と共にいただいた賞です。
まさに当時学生であった西中先生と築き上げてきた技術・研究であり、この3名で受賞できたことを本当に嬉しく思っています。
京都工芸繊維大学の皆さまが西中先生を推挙してくださったこと、
西中先生からお声がけしてくださったこと、
ミストCVDという技術・研究そのものが黎明期から成長期を経て発展期に移行しつつある時期
など、多くの恵みのおかげで、受賞できたとも言えます。
本当にたくさんの方々に支えていただいたことで続けてこられた研究であり、
今回の受賞は、これまでご指導・ご支援くださった皆さまのお力添えや
研究室で一緒に悩み、議論し、新しいことに挑戦してきた学生の皆さんの協力の賜物です。
心より感謝申し上げます。
研究はまだ道半ばで、挑戦したいことも尽きません。
今回の受賞を励みに、もっと面白い成果を出せるよう、
学理の探求と社会への貢献を目指して、ますます精進したいと思います。
※ライデンフロスト効果...
液体の沸点よりも高温の個体表面にその液体が接触した際、液体が蒸発した薄い蒸気の層が、個体と接する部分の熱伝導を阻害することで、液体が瞬時に蒸発することを妨げる。例えば、熱したフライパンに水滴を落としたときに確認できる。
関連リンク) [最先端研究] (高知工科大学webサイト内)
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