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学生3名が日本建築学会 四国支部研究発表会で「若手優秀発表賞」を受賞

鋼・コンクリート構造学研究室(指導教員:鈴木 卓准教授)の学生2名と、建築・都市環境工学研究室(指導教員:佐藤 理人准教授)の学生1名が、3月7日に開催された日本建築学会「第26回 四国支部研究発表会」で若手優秀発表賞を受賞しました。
同賞は、対象となった37件の研究発表のうち、とくに優れた発表と認められた4件に授与されました。

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別所 和真さん (修士課程 建築・都市デザインコース 1年(当時))
指導教員:鋼・コンクリート構造学研究室 鈴木 卓准教授
発表テーマ「5階建てRC造フレーム振動台実験の時刻歴応答解析」

近年、大地震が発生した直後に建物の損傷度合いを即時に評価する技術が期待されています。建物の損傷をシミュレーションする手法として、地震記録と構造解析モデルを用いて建物の揺れ方を調べる「時刻歴応答解析」があります。別所さんは、世界最大級の振動台施設「E-ディフェンス」で行われた5階建て鉄筋コンクリート造建物の振動台実験を対象に、従来における構造解析モデルの課題の洗い出しと信頼性の高いモデルの提案を行いました。

今回、別所さんたちの提案では、梁の強度算定において梁に取りつく床のコンクリートと鉄筋に着目しました。これらの揺れに対する負担を丁寧に考慮することで、建物全体の強度が再現できることを明らかにしました。

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受賞を受けて、別所さんは「このような素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思います。今までの努力が評価されたことは大きな自信となり、今後の研究へのモチベーションにもつながりました。研究を進めるにあたり、ご指導いただいた鈴木先生ならびに共同研究者である飛島建設株式会社の阿部様、佐藤様には貴重なご助言や発表練習など、多くのご支援をいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。現在は、地震発生時の加速度記録などをもとに、建物の損傷度を即時に評価するための研究に取り組んでいます。本研究が少しでも社会の役に立てるよう、これからも努力を重ねていきたいと思います。」と語りました。

東村 匠馬さん(システム工学群 建築・都市デザイン専攻 4年(当時)/高知県立高知北高等学校出身)
指導教員:鋼・コンクリート構造学研究室 鈴木 卓准教授
発表テーマ「大貫通孔を有する RC 造基礎梁の構造性能に関する基礎研究(その7)貫通孔の上下弦材が非対称な基礎梁の静的載荷実験」

建物の地下には、建物の基礎同士をつなぐ「基礎梁」という部材があります。鉄筋コンクリート造の基礎梁には設備点検で人が通ったり配管を通したりするための大きな「貫通孔」が開けられる場合があります。これまで貫通孔は「梁の真ん中付近に開けること」が推奨されてきました。しかし、実際の設計では配管計画の都合などにより貫通孔を真ん中から移動させなければならない場合があります。

東村さんは貫通孔の位置が「梁の壊れ方や強度」にどう影響するかを調査するために1/3縮尺の基礎梁を用いた「構造実験」を実施しました。実験は基礎梁を装置に固定して油圧ジャッキで地震力を加える方法で行いました。実験では「貫通孔の位置を梁の下側に移動」など、梁の非対称性を変数に設定しました。実験から、地震力の向きと貫通孔の位置によりコンクリートのひび割れ方などが異なることを明らかにしました。

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受賞を受けて、東村さんは「この度は栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり、熱心にご指導いただいた鈴木先生や先輩方、そして実験に協力してくれた同期の皆さんに心より感謝申し上げます。また、共同研究者の矢作建設工業株式会社の田口様、深津様、伊藤様には数多くの有益なご助言をいただきました。この場をお借りして深く感謝いたします。現在は、貫通孔の位置、大きさ、数が基礎梁の構造性能に与える影響を研究しております。大学院進学後も本研究を継続し、設計の自由度向上に貢献できるよう研究に励んでまいります」と語りました。

川端 光貴さん(システム工学群 建築・都市デザイン専攻 4年(当時)/高松市立高松第一高等学校出身)
指導教員:建築・都市環境工学研究室 佐藤 理人准教授
発表テーマ「保健所を対象とした災害時の夏季温熱環境改善手法の評価」

巨大地震などの災害時、保健所は地域の医療機関との連携調整を担う中核施設として極めて重要な役割を担います。しかし、夏に災害が発生し、停電によって空調設備が使えなくなった場合、迅速な医療支援に支障をきたす恐れがあります。そこで川端さんは、電気に頼らずに建物の工夫だけで暑さを和らげる「パッシブデザイン」に着目し、その効果を実証しました。

行ったのは、香美市の中央東福祉保健所の実際の会議室を使った実測調査です。

川端さんは、同じ広さの2つの会議室を用意し、片方の窓の外側に「日よけシート(日射遮蔽シート)」を設置。もう一方は何もせず、室温や日差しによる熱の入り方の違いを詳細に記録しました。その結果、日よけシートがある部屋は、ない部屋に比べて最高室温が約2℃低く抑えられました。さらに、窓から室内に侵入する熱の量を約62%も削減できることを突き止めました。

一方で、日よけシートのみでは、真夏の猛暑下では限界があり、電気が使えない環境では、日よけと他の対策(換気など)を組み合わせることが、医療拠点の機能を維持するために不可欠であると結論付けました。

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受賞を受けて「本研究では、災害時における医療対策支部の機能維持を目的に、パッシブ手法に着目しその中でも日射遮蔽を中心とした室内の温熱環境改善効果の評価を行いました。建築学会で評価していただけたことに正直驚きつつもとても嬉しく思っています。また、発表を通してご意見もいただき勉強になりました。ご指導いただいた先生方をはじめ、多くの方々の支えがあったからこその賞だと感じています。今後も、本研究で扱った日射遮蔽手法を含むパッシブデザインの検討を継続し、より医療対策支部に活かせる研究を目指して取り組んでいきたいと思います」と語りました。

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