2026.5.19在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究

樋野 優人さんが日本化学会「イノベーション共創講演賞」を受賞しました

博士後期課程 基盤工学コース3年(発表当時2年)の樋野 優人さん(指導教員:機能性高分子化学研究室 林 正太郎教授)が3月に開催された日本化学会 第106春季年会において「イノベーション共創講演賞」を受賞し、5月19日、蝶野 成臣学長を通じ、表彰状と副賞が授与されました。

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同賞は、産業界の審査員が審査を行い、産業に対する寄与が期待される基礎的または応用的な概念やアイデア、実験手法などが含まれる発表であり、発表者の研究に対する主体性や貢献度が優れ、かつ今後の研究活動の一層の発展を期待されるものに対して贈られるものです。

今回は、審査希望のあった48件の発表のうち、樋野さんを含む3名が選出されました。審査には年齢制限がなく、教員や研究員と並び、学生が受賞したことは快挙といえます。

受賞した研究テーマは「弱光駆動と光反応中間状態の可視化へ:アントラセン誘導体結晶における"光-熱"二重応答制御」。

これまで樋野さんは、アントラセン[4+4]光環化付加反応(*1)において、光と熱という2つの刺激によって反応の開始・停止などを自在に制御する"二重制御システム"を構築し、反応速度を大幅に遅らせることで、中間状態を世界で初めて直接可視化することに成功しました。【詳しくはこちら

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今回はさらに、計算化学により分子間相互作用を評価する試みも発表し、光アクチュエータや接着材料への応用を志向したアントラセンに関わる研究において、その学術性の高さと独自性が高く評価され、受賞に至りました。

受賞を受けて樋野さんは「この度は、イノベーション共創講演賞という大変栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本発表は、既に論文として報告した成果に加え、計算化学を用いた検証も行い、光反応中間状態を可視化できる結晶構造がどのように形成されるのかについて議論を深めました。質疑応答では、この成果の着想に至った経緯や研究方法の独自性、今後の産業化を見据えた展望などについて熱心なご質問を数多くいただき、産学の枠を超えて多くの学びを得る貴重な機会となりました。今回の受賞を励みに、基礎化学の深化と産業応用への展開を見据えながら、光反応中間状態の可視化を実現する結晶材料の開発に向けて、より一層研究に精進してまいります」と語りました。

本研究はJSPS科研費 JP25KJ2045の助成を受けたものです。

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(左から蝶野学長、樋野さん、林教授)

用語解説
*1)[4+4]光環化付加反応
単量体(*4)が光によって二量体(*4)に変化する反応。教科書にも定番で記載され、様々な学術研究や材料研究で利用されている。特に、光応答性材料として、アクチュエーターや自己修復、接着材料において需要が高い。

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