2017.2. 6研究

経済・マネジメント学群の研究論文が国際学術誌Sustainability Scienceに掲載

この度、経済・マネジメント学群 ゲーム理論研究室 上條 良夫 教授を第一著者とする論文が、国際学術誌「Sustainability Science」に掲載されます。

本論文は上條教授のほか、広島大学の小宮 あすか准教授(元・フューチャーデザイン研究センター助教)、同学群の三船 恒裕 講師、西條 辰義 教授が執筆者で、総合研究所・フューチャーデザイン研究センターが、今後実施する実験研究の一つの方向性を示す論文となっています。

00002829h1_m.jpg

現在、環境問題に代表されるように、我々人類は、未来の人類のためになる行動が望まれていますが、人々が持つ「近視性」や「利己性」などにより、現在の自分たちのためになる行動をとりがちで、それが環境問題などの悪化に繋がっています。

本研究は、これらの現状を踏まえ、どうしたら未来の人々のためになる意思決定を現在の人々にさせることができるかを検討しました。

実験では架空の「次世代」の人々を何世代分も用意した上で、現世代の(自分たちの)利益を高めると次世代の利益が損なわれる状況を設定し、自分たちの利益を少し犠牲にしてでも次世代の利益を維持するか否かを決定しました。実験の結果、通常は自分たちが自己利益を追求することで将来世代の利益が失われていくことが多いが、そこに「次の世代を代表して交渉する人物」を組み込むことで将来世代の利益が維持されやすくなる傾向を見出しました。 また、この知見を基にして、岩手県の矢巾町で実際の政策決定に将来世代の視点を組み込むプロジェクトが進行しています。さらには高知県内でもこうした取り組みが可能かどうか、模索しているところです。

<論文タイトル>
※クリック頂くと、内容がご覧になれます

Negotiating with the future: incorporating imaginary future generations into negotiations

(未来世代との交渉:仮想の未来世代を交渉に組み込む)

RELATED POST

関連記事