2025.7.10在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究

石尾 周暉さんが光エレクトロニクス(OPE)研究会 2025年度6月研究会で学生優秀ポスター発表賞を受賞

6月19・20日に群馬県で開催された「光エレクトロニクス(OPE)研究会 2025年度6月研究会」において、石尾 周暉さん(修士課程 電子・光工学コース1年/指導教員:光制御・ネットワーク研究室 小林 弘和教授)が「進捗/結果発表部門」で学生優秀ポスター発表賞を受賞しました。

同賞は、同部門の中で発表された20件のうち、優れた発表を行った2名に贈られました。

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発表したテーマは「偏光干渉における幾何学的位相を用いたマルチコアファイバのねじれ測定」です。

光ファイバを利用して振動、歪み、温度などを計測する技術「光ファイバセンシング」は、ビルやトンネルなど構造物の異常を検知するため、広く利用されています。

石尾さんは、光ファイバセンシングによる物体の形状変化の測定について研究しており、中でも「ねじれ」を捉えることに主眼を置いています。例えば、強風により橋梁が横揺れした場合、部材には、ねじれ力が加わって崩壊の危険が生じます。このように、構造物のねじれを探知できれば、建築物の維持保全につながります。

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[図:光ファイバセンシングの仕組みと利用例]

「ねじれ」と同じく、物体の形状変化には「曲げ」という要素があります。石尾さんは、光ファイバの一つで、近年開発された「マルチコアファイバ」を使って、曲げの場合とねじれの場合の偏光干渉を測定。ねじれ量に関係する雑音を低減するなど、実験系の改善を行った結果、「ねじれ」の大きさと向きを「曲げ」と明確に区別して測定することに成功しました。

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受賞を受けて、石尾さんは「ご指導いただいた小林先生に心より感謝申し上げます。また、プレゼン練習に協力し、貴重なフィードバックをくれた研究室の皆さんにも感謝しています。私は、少子高齢化による建築物の保守点検者不足という社会課題を解決したいという思いから、この研究に取り組みました。その目標に一歩近づけたことを大変嬉しく思います。実験では、理論どおりの結果が得られず苦労しましたが、試行錯誤を重ねることで、納得のいく成果を得ることができ、達成感を感じています。今後は、ねじれの発生箇所まで推定できるよう、さらに研究を深めていきたいと考えています」と話しました。

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